M&A仲介の大手・上場企業は?活躍している非上場企業も合わせて解説

1990年代に台頭し、今は爆発的にその数を増やしているM&A仲介企業。M&A業界への転職を考えているけど、どの企業が良いのか分からないという人もいますよね。この記事では大手企業や近年成長を遂げている上場企業、今後の成長が期待されている非上場企業をまとめて紹介していきます。M&A仲介会社について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

大手M&A仲介会社は?

M&A企業は、取り扱う案件の金額の大きさや利益率の高さから、日本でも年収がトップレベルであることで有名です。

M&A企業は近年急激に増加していますが、大手M&A企業は日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクの3社であるといわれています。これらの企業は2022年2月に東洋経済新報社より発表された、国内の年収が高い企業ランキングでも上位に名を連ねており、2022年2月にはM&Aキャピタルパートナーズが日本国内で年収が1位の企業になりました。ここからは、日本のトップ企業である大手M&A仲介企業についてご紹介します。

株式会社日本M&Aセンター

1991年に設立された企業で、日本の中小企業M&Aのパイオニアとして知られています。現在も日本のM&A最大手の座を守り続けている企業です。全国の会計事務所と連携し、地域ごとにM&A事務所を順次設立し、成長してきた歴史があります。2000年には全国金融M&A研究会を発足させ、全国の地方銀行とのネットワークが構築されました。

これまでに経営者向けの書籍やM&A実務担当者向けの書籍を多数出版しており、日本のM&A業界をリードしています。中小企業の事業承継に強い仲介企業です。最近では事業承継を検討する企業向けに、インターネットによる事業承継マッチングサービス「バトンズ」を提供しています。

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社

2005年に積水ハウスで営業・設計を行っていた中村悟氏が立ち上げた企業です。設立以来成長を続け、2016年にはM&A仲介のパイオニアであった「レコフ」を買収し、子会社化しました。

1987年設立の老舗M&A企業レコフを子会社化したことによって顧客基盤を拡大し、そのノウハウを生かして国内の案件のみならず、海外M&Aに至るまでさまざまな案件を取り扱っています

完全成功報酬型で手数料が安く、着手金が無料であることが特徴の1つです。採用活動にも特徴があり、新卒採用を行わずに金融業界で営業経験のある人材のみを採用しています。優秀な人材を採用することで、コンサルタントの水準を保ちながら業績を拡大しているようです。

株式会社ストライク

1997年に公認会計士の荒井邦彦氏によって設立されたM&A仲介企業です。1999年に日本初のM&Aマッチングサイト「M&A市場SMART」を運営し、民事再生案件に対する助言も行っています。

日本M&Aセンターと同じく、中堅中小企業の事業承継に強い企業です。他の大手M&A仲介会社に比べると実績が少ないですが、そのぶんスピード感がありサポートの手厚いコンサルティングをしているという評判があります。

成約件数の割に従業員数が少ないため、1人あたりの成約件数は大手3企業の中でトップです。また、全国でM&Aに関するセミナーを開催しており、直接相談しやすい体制が整っているのも特徴といえます。

上場しているM&A仲介会社

大手3社以外にも、上場してこれからの成長が期待されるM&A仲介企業もあります。M&Aの件数増加に伴い、特定の分野に特化したM&A仲介企業が現れているのも特徴の1つです。

これらの企業は現時点では大手3社に比べて経営規模が小さいですが、それぞれの分野に特化した経営を続けており、上場したことでさらなる成長が期待されています。ここでは、東証市場に上場して急激な成長を遂げている注目のM&A仲介会社を紹介するので、見ていきましょう。

名南株式会社

2014年に設立された愛知県名古屋市のM&A仲介企業です。東海・近畿エリアを中心に事業を展開しており、地域の金融機関と連携してM&A支援サービスを提供しています。医療機関のM&A実績に強いのが特徴です。

2001年より前身の株式会社名南経営でM&A仲介をしていた経験から、東海・近畿地方でトップクラスの実績を持っています。税理士・司法書士・社労士・弁護士等の専門家が在籍している名南コンサルティングネットワークの一員であることから、ワンストップ対応が可能なことが強みです。得意領域は医療機関のM&Aで、実績豊富な専門チームが、特殊な対応が求められる医療M&Aの成立をサポートします。

株式会社オンデック

2007年に設立された大阪府大阪市に本社を持つM&A仲介企業です。2005年の創業以来、景気停滞期も一貫して中小企業M&A支援に特化してきたことから、豊富な実績と経験を持っています。

数多くの金融機関や会計事務所とも提携しており、クライアントの悩みをワンストップで解決することが強みです。

手掛ける案件は紹介によるものが多く、クオリティの高いM&Aを成立させていることを示しています。しかし、上場を果たしたことにより新規案件の営業も増えており、営業力のある人材を必要とする局面にあるようです。

株式会社M&A総合研究所

2018年に佐上峻作氏により設立されたM&A企業です。佐上氏は自身で創業した会社を東証一部の企業に自ら売却した経験があり、その経験を生かしてこの会社を設立しました。

国内初となるAIレコメンドシステムを実装したM&Aプラットフォームを運営しており、M&Aにテクノロジー面からアプローチしていることが特徴です。

2022年5月からは新卒採用サイトを公開し、積極的な人材登用を開始しました。2022年6月には創業から3年8ヵ月という短さで東証グロース市場へと上場し、今後のさらなる成長が期待されます。

成長度が高い非上場M&A仲介会社

非上場企業にも、成長度が高く注目されているM&A仲介会社があります。

まだまだ歴史が浅い企業も多いですが、中には数年で年商を大きく伸ばしている企業もあるため、今後の成長に注目できるでしょう。

企業ごとに独自の体制や得意領域があり、業界の動向によってはこれからも業績を大きく伸ばすことが期待されています。ここからは、今後会社の規模を拡大して上場する可能性がある、成長度が高い非上場仲介会社を紹介していきます。

株式会社fundbook

2017年に株式会社BuySell Technologiesの創業者である畑野氏が設立したM&A仲介会社です。大手M&A仲介企業から経験者を多数採用しているため、レベルの高いコンサルタントが多く在籍しています。多くの仲介企業では1人のコンサルタントが引き合いから成立までを担当しますが、fundbookではM&Aのフェーズごとに担当者が分かれるという珍しい体制です。

これにより、コンサルタント個人の能力に成否が左右されにくいというメリットがあります。また、非上場企業では珍しく新卒採用を積極的に行っていることも特徴といえます。

インテグループ株式会社

2007年に設立されたM&A仲介企業です。完全成功報酬制の料金体系を採用していることが最大の特徴で、現在では他の多くの企業がこの料金体系を採用しています。完全成功報酬制だとM&Aが成立するまで報酬が発生しないため、M&Aに積極的でない企業でも案件が進みやすいというメリットがあります。

株式未公開企業に資金提供をし、企業価値を上げてから売却することをPEファンドといいますが、国内のPEファンド運営会社を紹介するポータルサイト「PEファンドJP」の運営も行っています。

株式会社M&Aベストパートナーズ

業界大手のM&Aキャピタルパートナーズ出身者により2018年に設立された企業です。製造業、建設業、不動産業、ヘルスケア業に特化したM&Aを行っており、それらの領域でのM&A実績がある人や、実際にそれらの領域で働いた経験のある人を積極的に採用しています。

M&Aキャピタルパートナーズ出身者が独立して設立した企業ということもあり、着手金がかからない料金体系を採用しているなど似通った部分があるのが特徴です。顧客リストにDMを送り、テレアポでコンサルタントにつなぐというスタイルで顧客の拡大をはかっています。

株式会社M&Aコンサルティング

2019年に日本M&Aセンター出身の松栄氏を中心に設立されたM&A仲介会社です。スケール型M&Aといって、事業成長先着から後継者の育成、譲渡後の資産運用に至るまで企業の成長段階に沿ったサポート体制をとっていることが特徴です。

製造業、飲食業、美容業に特化したM&A仲介を行っており、特に美容業界ではトップクラスの実績を誇ります。創業者が株式会社キーエンスに新卒入社後にM&A業界へ転職したという経歴の持ち主である縁で、この企業のキーエンス出身者が約半数を占めています。

株式会社TMAC

1999年に設立され、多数の取引実績をもつM&Aアドバイザリーファームです。中規模M&Aを得意とするM&Aアドバイザリーファームで、国内外で豊富な案件実績を有しています。

2020年にはデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)の子会社となり、日本最大級のビジネスプロフェッショナルグループであるデロイト・トーマツグループの傘下に入りました。DTFAの子会社となったことにより、TMACの専門性とDTFAがグローバル規模で有する資産を融合することでさらなる事業成長が見込まれています。

アルテパートナーズ株式会社

2009年設立の企業経営コンサルタント企業です。アルテパートナーズの特徴はM&A担当者の雇用形態です。完全成功報酬制で業務委託契約を結んでいるため、M&A担当者自身が個人事業主であるという特徴があります。

1億円以下の中小企業のM&Aを積極的に手掛けており、小規模案件が多いため採算が取れるように無駄なコストの削減を意図しています。得意分野は中小企業の事業承継M&Aで、高齢化に伴う後継者不足や人材不足の悩みにフォーカスを当てた事業を展開しています。少数精鋭で経験の豊富なコンサルタントが、地方案件や少額取引にも柔軟に対応することが強みです。

インターリンク株式会社

2010年設立の提案型M&A仲介業者です。依頼者と十分な話し合いをした上で、1つ1つの案件について経営者の意向にマッチした提案をするのが特徴です。どの企業グループにも属さない独立した企業であることから、外部からの影響を受けずに顧客の利益を最大化させることができます。

事業規模にはこだわらず、中小・中堅・大手企業で多くのM&Aを成功させてきた実績のある企業です。小規模な会社で歴史は10年程度ですが、20年以上M&Aに携わる経験豊富なM&Aコンサルティングが在籍することで多くのノウハウを持ち、双方の企業にとって最良のマッチングができるようベストを尽くします。

株式会社クラリスキャピタル

2014年にかえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社から独立した牧野安与氏によって設立された中堅中小企業専門のM&A仲介会社です。少数精鋭の体制により、大手M&A業者よりも良心的な手数料体系を可能にしていることが特徴です。着手金なし完全成功報酬型で200万円からという業界最安値水準でM&A仲介を手掛けます。

拠点は東京のみですが、日本国内の案件に対応しており、規模の小さい案件に対しても親身に対応することで評判の高いM&A仲介企業です。

転職で自分に合ったM&A仲介会社を選ぶポイント

M&A仲介業界へ転職する上で、自分にあった企業を選ぶポイントは今後のキャリアプランにあった企業を選ぶことです。M&A企業ごとに得意な事業領域や、マッチングする企業規模、報酬体系などが大きく異なります。M&A仲介企業で働く場合には、自身のスキルアップにつながる環境を選ぶことが大切です。

そのためにも、転職する際には企業研究が特に重要になります。自分で調べるのももちろん大切ですが、転職エージェントなども活用しながら、実際にM&A業界で働く人の情報を集めていきましょう。

M&A仲介への転職ならサムライソウル

M&A仲介の仕事を探している、どんなM&A仲介会社が良いのか悩んでいるという方は、ぜひサムライソウルをご利用ください。サムライソウルでは、書類選考対策や面接対策など、M&A仲介企業へ転職するためのさまざまなサポートを行っています。

企業が求める人材と転職希望者の条件を元に最適な会社をマッチングいたしますので、M&A業界への転職への転職でお悩みの方は、ぜひご相談ください。

 

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まとめ

昨今、日本のM&A市場は活況を呈しており、M&A仲介企業が増加している傾向です。また、業界の盛り上がりに伴って、M&A業界に転職したいと考えている人も増えています。転職先の企業を選ぶためには、業界の動向を知ることが必要です。

業界大手企業は日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクの3社で、手掛ける企業の規模や従業員数に違いがあります。

大手3社以外にも、急成長を遂げて上場した企業などもありますので、転職をする際などはしっかりとそれぞれの会社の規模や特徴などを調べてから選ぶようにしましょう。

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