M&A業界への転職・トップインタビュー 株式会社ストライク代表取締役 荒井氏に聞いた!お客様の想いに応え社会変革の一翼を担う、M&A仲介コンサルタントの醍醐味

国内初のインターネットM&A市場「SMART」を開発・運営し、M&A業界をけん引してきた株式会社ストライク。代表取締役社長の荒井邦彦氏に、創業に至った経緯から、上場を目指した理由、M&A業界の今とこれからについてお伺いしました。

■プロフィール
荒井 邦彦 氏
株式会社ストライク 代表取締役社長

1970年生まれ、一橋大学商学部卒。在学中に公認会計士第二次試験に合格し93年太田昭和監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入社。97年、26歳のときに株式会社ストライクを設立。

株式会社ストライク
「人と企業の明日を創造する」をビジョンに掲げ、1997年の創業以来、日本国内の中堅・中小企業を対象としたM&A仲介業務を担う。99年に、インターネット上に匿名で譲渡希望会社を掲載し、買い手となる候補企業を探索するマッチングサービス「SMART」を日本で初めて開設。2016年に東証マザーズ、17年東証一部に上場を果たす。コーポレートスローガンは「M&Aは、人の想いでできている。」

 

M&Aを機に業界トップ企業へと成長していく姿に感銘を受けた

――荒井様は26歳のときに株式会社ストライク様を創業しています。起業したいという思いをいつから持っていたのでしょうか。

起業を考え始めたのは就職活動を始めた大学3年生のときです。もともと小学校の卒業文集の時点で、将来の夢に「社長になりたい」と書いていたんです。ビッグになりたいという漠然とした思いでしたが、就活を始めたときにふとその“夢”を思い出しました。当時は就活に違和感を抱きやる気を失っていましたが、起業という目的が見えたらやるべきことが見えてきました。

ビジネスの流れを理解するのにはお金の流れを学ぶのが一番いいのではないかと、公認会計士の資格を取得。卒業後はいずれ起業する気で、監査法人に入りました。

――M&A仲介業を始めた経緯、理由は何でしたか。

監査法人で、M&Aを重ねながら成長していく企業の姿を目の当たりにしました。とくに印象的だったのは、年商300億円の未上場企業が、より小規模ながら上場企業の主要事業を買収したこと。公認会計士の机上の勉強では、未上場企業が上場企業を買うケーススタディなんて載っていなかった。これが現実か!と衝撃を受けました。

買収した企業はますます事業拡大へ邁進し、主要事業を売却した企業は、赤字要因だった事業を手放したことで業態変革に成功。その業界でトップ企業になりました。M&Aを機に、数年の時間をかけて企業はこうも世の中を変えていくのかと、そのダイナミズムにわくわくしたんです。「この事業を手掛けたい!」と、97年に会社を設立しました。

――営業未経験からのM&A仲介業の起業はチャレンジングだったのでは。

そうですね。監査法人の上司に「M&A仲介業の会社をやりたいので辞めます」と言ったら、「経験もないのにどうやってやるのか」と呆れられました。

ただ、営業経験がなかったからこそ、99年に国内初の仲介サイト「M&A市場SMART(Strike M&A Rapid Trading System)」を立ち上げられたと思っています。

もし人脈があれば自分から能動的に動いてお客様を見つけに行ったでしょう。でも、それがないのでインバウンドでお客様と接点を持てるやり方を模索しようと考えられた。M&A先進国アメリカに目を向けると、年商1億円規模の飲食店や小売店などさまざまな業態の売却情報がサイトに上がっていました。「会社が少し大きくなってきたから売ろう」と簡単にアクセスできる社会のあり方に感激し、日本でも作ろうと動き始めました。

サイトは、お金を節約するために自分でプログラミングして作りました。今振り返ればかなりイマイチなデザインです。でも、インターネットの流れにうまく乗りながら、インバウンドのお客様対応という自分の強みを生かしたスタートは切れたのかなと思っています。

創業時から採用した、インターネット上に匿名で譲渡希望会社を掲載し、買い手となる候補企業を探索するマッチングサービス「SMART」

 

事業承継後、お客様の安堵の涙が忘れられない

――印象的な案件、お客様とのエピソードは何ですか。

成立まで1年半かかった、M&A第一号案件は忘れられないですね。

事業承継に困っていた経営者の方が、半身不随で身体を思うように動かせないからと「SMART」経由でアクセスしてくれたんです。実績のなかった私に会社の未来をゆだねてくれたのですから、何としてでもM&Aを成立させなくてはいけない。知識が足りなければ専門家の方に教えを乞い、とにかく必死で動きました。無事売却後、その方の奥様が安堵のあまり号泣している姿には、胸に詰まるものがありましたね。

――M&A仲介業の面白さ、醍醐味とは何だと思いますか。

人間の本質に通じているところだと思います。

人は、野生動物としては貧弱な存在ですよね。でも私たちは群れを作り、社会を作り、協力し合うことで生き延びてきた。企業とはその小さな単位であり、M&Aとは「協力し合って強くなる」行為の本質だと思うんです。

別々の経営資源を一つにすることで企業の生産性が上がり、収益性が上がり、提供する製品やサービスを高品質・低価格に提供できる可能性が広がります。従業員に高い給料を払うこともできるようになり、株主により多くの配当を支払うこともできるようになります。かかわっている人みんなが豊かになる社会の実現を、M&A仲介に携わるものとして目標にしていきたいと思っています。

――2016年にマザーズ上場、17年に東証一部上場を果たしています。上場を意識したきっかけや、描くビジョンとは何ですか。

2014年ごろまで、上場はまったく考えていませんでした。資金調達が必要なわけでもないな…と思っていたら、ベンチャーキャピタルに勤めた経験のある友人から「上場の目的は資金調達だけではない。M&A仲介業がどう社会に貢献すべきか、世の中に問うために上場したっていい」と言われたんです。それまで、自分が楽しいと思える仕事をしたくてストライクを経営していて、企業のビジョン、ミッションもはっきりと言語化していなかった。
友人の言葉にはっとさせられ、自分がやってきたこと、これからやっていきたいことをちゃんと社会に示そうと考えるようになりました。すぐに上場準備を始め、2年後に上場しました。

――「M&Aは、人の想いでできている」というコーポレートスローガンに込められた意味とは何ですか。

社会に対して生産性を高め、収益性を上げてみんなが豊かになるという大きなゴールを描く一方で、目の前のお客様の“想い”に泥臭く、賢明に向き合う。その両立を図っていくのが我々の仕事だなと思い、スローガンに込めました。

でも、正直、M&A仲介業の意義、ストライクの存在価値について真剣に考え始めたのは、上場を決めた頃からなんです。上場は、自分たちが成長する組織づくりのスタート地点に立った証であり、今は創業5年目の気持ちでいます。


 

専門知識は入社後につけられる。自由と自律を両立できる方が合っている

――今後、働く仲間を増やしていくにあたり、どんなスキルや経験、マインドセットの方を求めていますか。

M&A仲介の仕事は、コンサルタントというよりカウンセラーに近いのではないかと思っています。
お客様がどんな想いで会社を託したいと考えているのか、コミュニケーションを重ねながら理解を深めるプロセスがとても大切です。ただ、共感力の一方、お客様が置かれている状況を客観的にとらえ、ときに意見が対立しても伝えるべきことは伝えなくてはいけない。

後継者がいなくて事業売却は免れないのに、感情的な揺らぎでM&Aに消極的になるお客様はいらっしゃいます。そんなときには、今動かないとどうなるのかを正確に伝えてリードする必要がある。柔らかさと強さのバランスは大事だなと思います。

金融や会計の専門知識はあった方が業務理解は早いと思いますが、必須ではありません。それよりも、お客様の懐に飛び込み悩みや本音を引き出すコミュニケーション力など、営業経験によって培われる力を求めたい。専門知識は入社後にインプットしていけば問題ありません。

――働き方や職場環境について、ストライク様ならではの特徴や魅力はありますか。

M&A仲介業にはハードワークのイメージがあると思いますが、当社は業界内でも労働時間が短い方でしょう。18時~20時に帰宅するコンサルタントも少なくありません。働きやすさの影響からか、女性コンサルタントも全体の1割を占めており、今後3割程度まで増やしていきたいと思っています。

コンサルタントに求めているのは、自由と自律を両立させた働き方です。お客様の期待に応えるために夜遅くまで働きたい日があれば止めません。でも、早く帰れるはずの日に、上司の目を気にして遅くまで残るなんて無駄な時間の使い方はしてほしくない。それぞれの時間を自由に使う以上は、自分を律してやるべきことをやる。そんな働き方ができる方にとって、当社は心地よく、刺激的で、自分を成長させられる環境なのではないかと思います。


――M&A業界は拡大を続けています。今後、業界動向はどうなっていくとお考えですか。

我々が譲渡対象として向き合っているお客様の中心は年商1~100億円規模の中堅中小企業です。その領域において事業承継のマーケットは非常に大きく、今後も続いていくでしょう。当然ですが、年商100億円以上の中堅企業のお客様もおり、今後は中堅企業のお客様が譲渡対象となるケースも増えてくると思います。

加えて、これからは2つの軸が重要になると思っています。

一つが、生産性改善を見据えたM&Aです。中小企業から中堅規模へ、中堅企業から大企業へとステップアップを目指す際、生産性改善はキーとなります。これからのM&Aのど真ん中のニーズになるでしょう。

もう一つが、スタートアップと大企業の橋渡しです。コロナで改めて実感したように、社会の変化は誰も予想できないスピードで起こります。当たり前だった制度や仕組みが変容するとき、歪みを解消するスキマビジネスとしてスタートアップ企業が生まれる。一方で、自力では変革しきれない大企業もあり、イノベーションの種が社外にあることはたくさんあります。大企業のリソースやアセットを活用し、スタートアップのアイデアと瞬発力を伸ばしていく。両者をつなぎ、社会により大きなインパクトを生み出すスタート地点に、M&Aがあります。

当社はこれから、事業承継をマザーマーケットとしながらも、生産性改善とイノベーション支援に力を入れていきます。M&Aがやれることはますます拡大しており、その間にいる私たちの役割や価値もまた大事になっていくと確信しています。

社会変革を楽しみながら、世の中を動かすことのできるダイナミックな仕事にわくわくできる方と、ぜひお会いしたいと思っています。
 
 
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M&A仲介の転職希望者はサムライソウルまで

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具体的に企業が求めている人物像、また面接や選考内容について圧倒的な情報量を持っていると自負しています。

(2)M&A仲介企業内の豊富な人脈と情報のネットワークがあります。

転職に大切なのはネットワークだと考えています。まだまだ公けに出ている情報が少ないM&A仲介業界の内情ではありますが、弊社では上場している大手3社や新進気鋭のM&A仲介に関わる企業の経営幹部や、弊社で転職支援をして実際にM&A仲介企業で働いている多数の社員とのつながりがあります。

メディアやネットに書かれている情報よりもリアルで詳細な情報をお伝えすることも可能ですし、経営幹部や社員との接点を創ることも可能です。

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