解雇されたら履歴書にどう書けば良い?書き方や注意点を解説
「会社を解雇されて転職活動をしているけど履歴書の書き方に悩む」「履歴書には解雇について書かなければいけないの?」などの悩みや疑問を抱えている人も多いかと思います。仕事を探す際には、履歴書が必要になることがほとんどですが、だからこそどうすれば良いのかと迷ってしまいますよね。
そこで今回の記事では、会社から解雇された場合の転職は厳しいのか、解雇されたときの履歴書の書き方などを解説していきます。履歴書を書く際の注意点なども合わせて紹介していくので、履歴書の書き方に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
会社から解雇されたら転職は難しい?
会社から解雇されてしまった場合に真っ先に頭に思い浮かぶのは、「転職は難しいのか」「どのように転職に影響を与えるのか」「応募する企業の人事や採用担当者はどのように思うのだろうか」といった不安ではないでしょうか。
しかし、一言で「解雇」といっても、実はいくつかの種類があります。
- 会社の都合による「整理解雇」
- 何らかの事情による「普通解雇」
- 不正や経歴詐称などを行っていた場合による「懲戒解雇」
- 「退職勧奨」を受けての退職
今回はこの中から、整理解雇と普通解雇の場合について詳しく解説していきます。。
整理解雇の場合
上記の通り、整理解雇は会社の都合による解雇です。具体的には、倒産や業績不振、事業廃止などがこれに当てはまります。労働者本人にはほとんど非がない会社都合による整理解雇では、その後の転職活動においてマイナス評価になることはほとんどありません。
正直に「会社の都合で解雇となった」と伝えれば、人事側も「仕方がない」と理解してくれるでしょう。
普通解雇の場合
労働者のスキル不足や周囲との協調性のなさ、および就業規則違反などを理由として行われるのが普通解雇です。整理解雇や普通解雇では解決できないような違反行為があったり、不正や反社会的な行為があった場合には懲戒解雇となります。懲戒解雇の場合は選考に影響を与えますが、普通スキルの場合は必ずしもマイナスの影響を与えるとは限りません。
しかし、スキル不足や就労に対する姿勢などが原因として解雇されている以上、良い印象を与えることはほとんどありません。伝え方や表現方法などに注意をするようにしてください。
解雇されたときの履歴書の書き方
それでは、解雇されたときには、転職活動においてどのように履歴書に記載すれば良いのでしょうか。「絶対にこのように書かなければならない」という決まりはなく、また退職理由について詳しく記載しなければならないということもありません。
ここからは、一般的によく使われる履歴書の書き方を2つ解説します。
会社都合により退職
まずは、「会社都合により退職」という記載方法です。会社の都合による退職である「整理解雇」の場合は、このように記載すれば問題ありません。「倒産により」「業績不振により」「事業廃止により」といった詳細な理由は記載しなくても良いです。
一身上の都合により退職
続いて、「一身上の都合により退職」という記載方法です。普通解雇の場合でも、具体的に退職理由を書かなければ求職者側にとって不利になったり、デメリットがある場合を除いて、この一言で問題ありません。「一身上の都合」とは個人的な事情を表すため、幅広く使うことができるフレーズでもあります。
履歴書は書くスペースが限られている他、あくまで自身の経歴の概要を書くものです。具体的な退職理由は、面接で聞かれたときに答えるようにすれば良いでしょう。
解雇されたことを転職先に隠してもバレる理由
会社の都合ではなく、自身のスキル不足や仕事への姿勢などが原因で解雇された場合、転職先には隠しておきたいと思う方もいるでしょう。
しかし、解雇されたことは隠そうと思ってもさまざまな理由や状況でバレてしまいます。ここからは、どのような状況で転職先にバレてしまうのかを5つ紹介していきます。
- 退職証明書
- 離職票の提出
- 前歴照会
- 失業保険の給付日数
- 経営者同士のつながり
それぞれ解説していきます。
退職証明書
まずは、転職活動の際に「退職証明書」が必要になった場合です。退職証明書とは、企業が退職する従業員に対して「確かに退職した」ことを証明する書類で、退職日や企業名、証明する日付、退職理由などが記載されています。解雇の場合は解雇に至るまでの経緯も記載されるため、隠すことはできません
退職証明書は退職者が希望する場合のみ企業から発行されます。退職証明書は転職活動において必須ではありませんが、転職先から提出を求められることがあるのです。その際は、転職先に解雇の経緯が知られることになるでしょう。
離職票の提出
「離職票」は退職者がハローワークで求職を申し込んだり、失業給付を申請したりする際に必要な書類です。企業側から発行され、退職理由が記載されています。失業保険受給書類なので、転職活動において離職票の提出を求められるケースは少ないですが、求められた場合は解雇が知られると思ったほうが良いです。
前歴照会
「前歴照会」とは、企業が応募者の身元を確認したり、過去に不正をしたことがないかなどを以前勤務していた企業にチェックするものです。警備系、金融系、上場企業など、特に高い信頼性が求められる業界や企業で行われる傾向にあります。ここで経歴詐称などが分かった場合には、懲戒解雇となることもあるので、注意してください。
とはいえ、前歴照会は本人の同意なしには行われません。個人情報保護の観点から、前歴紹介を受けた場合は、対象者本人の承諾を得るのが適切とされています。自分の知らないところで前歴照会が行われることはないと考えて良いでしょう。
失業保険の給付日数
細かなところですが、「失業保険の給付日数」によって解雇がバレる場合もあります。失業保険の給付日数は、自己都合退職よりも会社都合退職のほうが多いです。そのため、実際には会社都合退職であるにも関わらず、自己都合退職だと書類に記載していたときに、給付日数によって人事担当者から怪しまれる可能性も考えられます。
経営者同士のつながり
上記のような書類でなくても、「経営者同士のつながり」によって解雇がバレるリスクもあります。IT業界など、特に経営者同士のつながりが強い業界においては、ちょっとしたきっかけで退職理由やその人の仕事への姿勢などが転職先に伝わってしまう可能性もあるのです。
以上のように、退職理由はさまざまな経緯でバレることがあります。解雇を隠した場合、入社前であれば内定取り消し、入社後であれば懲戒解雇となる場合もあるので、事実は隠さないようにしましょう。
履歴書を書く際の注意点
解雇されたという事実を隠しても、さまざまなパターンによってバレてしまうと紹介しました。では、実際に解雇された人が履歴書を書くとき、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。ここからは、書き方や履歴書のフォーマットなどについて、具体的に解説していきます。
退職理由で嘘をつかない
まず、もっとも大切なのは、退職理由について嘘をつかないということです。本人の自己都合でやめた場合に会社都合退職としたり、逆に整理解雇にも関わらず「一身上の都合により」と記載したりするのはやめましょう。
「良い印象を与えたい」という気持ちは多くの方にあるものですが、履歴書に嘘を書いた場合は経歴詐称となります。もし、退職理由がいいにくい、不利になりそうという方は、言い回しを変える工夫をしてみましょう。
ネガティブな退職理由は言い回しを変える
履歴書に嘘を書くのはいけませんが、ネガティブな退職理由をストレートにすべて書いてしまうのも避けたほうが良いでしょう。ネガティブな言い回しをすると、人事担当者にあまり良い印象を与えません。
会社都合退職であれば「会社都合により」、自己都合退職であれば「一身上の都合により」という記載だけに留めておくのがベターです。「一言だけで良いの?」と思う方もいるかもしれませんが、これで十分です。細かな退職理由などについては、面接の場で直接伝えられます。
また、「社内の人間関係の悪化」や「サービス残業が多い」などのネガティブな退職理由は、「周囲の人と気持ちよく働きたい」「効率的に仕事をして成果をあげたい」などのポジティブな言い回しに変えてみましょう。
さらに、文言が思いつかない場合は「スキルアップのため」というフレーズも万能です。転職先の企業も、解雇された人材を採用するというのは一定のリスクを伴います。ネガティブな退職理由が記載されていた場合は、敬遠されてしまう可能性もあるので、前向きな姿勢を見せるようにしてください。
賞罰欄がある履歴書に気をつける
懲戒解雇をされている方は、履歴書のフォーマットにも気をつけましょう。履歴書の種類によっては、賞罰欄があるタイプのフォーマットもあります。有罪が確定した刑事罰による懲戒解雇は賞罰欄への記載が必要なので、賞罰欄がないタイプを選ぶと良いでしょう。
しかし、選考を通じて一度も懲戒解雇となったことを転職先に伝えなかった場合は、経歴詐称と捉えられるケースがあります。面接などで一度は伝えておくようにしてください。
解雇をされたときの転職活動に関するQ&A
ここまで、解雇をされた場合に転職は厳しくなるのか、解雇されたことが転職先にバレるさまざまなパターン、また解雇された場合の履歴書の書き方などについて紹介してきました。
最後に、解雇をされたときの転職活動についてまだ疑問が残っているという方のために、よくある質問とその回答をまとめました。
- 解雇を隠して転職すると経歴詐称になる?
- 解雇後の転職を成功させるポイントは?
解雇をされた後の転職活動に不安のある方はぜひ参考にしてみてください。
解雇を隠して転職すると経歴詐称になる?
転職先に少しでも良い印象を与えるため、解雇されたという事実を隠したいと考える方もいるでしょう。しかし、解雇されたという事実を隠すのはやめたほうが良いです。
解雇を隠して転職した場合、経歴詐称となる恐れがあります。社員10名以上の企業は就業規則を定めることが決まっており、その就業規則に懲戒解雇について記載があります。
経歴詐称が該当する場合には、内定取り消しや懲戒解雇となる場合があるため、注意してください。逆に言えば、就業規則に懲戒解雇について明記されていなかった場合、直ちに解雇になるとは限りません。
普通解雇の場合でも、選考を通じて一度も解雇されたことを伝えないのは印象が良くないです。履歴書に記載しないのであれば、面接時に伝えるようにしましょう。
解雇後の転職を成功させるポイントは?
解雇後の転職活動を成功させるためには、まず大前提として「嘘をつかない」のが大切なポイントです。本人に非のない整理解雇であれば不利になることはないので、ありのままを伝えましょう。
普通解雇であっても、ネガティブな理由をそのままストレートに表現するのではなく、より人事担当者にポジティブな印象を与えられるように、言い回しに変えるなどの工夫をしてみましょう。
懲戒解雇を受けた場合は、転職活動が難しくなる傾向にありますが、それでも内定が出る可能性はあります。そのため、自身の言葉で懲戒理由や反省の気持ちを正直に伝えることが大切です。
また、どのような解雇理由であっても、1人で抱え込まずに周囲の人に相談をしてみてください。周囲に相談をできる人がいない、転職について心強い人がいないという場合は、転職のプロである転職エージェントに相談してみましょう。
履歴書や面接でポジティブに伝えるポイントや面接での話し方、転職におけるコツなどをアドバイスしてもらえます。
まとめ
会社から解雇をされた場合でも、必ずしも転職に不利になるとは限りません。会社都合の整理解雇の場合は、再就職への影響は少ないです。しかし、普通解雇や懲戒解雇の場合は不利に働く可能性が高いので、注意してください。
仮に解雇をしたことを隠していても、さまざまなルートからバレる可能性があります。解雇されたことを隠して転職をしたり嘘をついたりすると、経歴詐称に当たる可能性があります。履歴書や面接では嘘をつかないようにしてください。
転職活動に不安を抱えている方や、履歴書や面接での伝え方にお悩みの方は、ぜひ「相談フォーム」からお気軽にサムライソウルにご相談ください。転職のプロたちが転職活動のサポートを行います。