人材業界から転職しやすいのはどの業界?おすすめの転職先6選
自分のやりたいこと、実現したいことを成し遂げる上で人材業界を選んで今の会社に入社したものの、「どこか思っていたものと違う」と思ってしまう人もいますよね。
この記事では、今は人材業界に勤めているものの、そろそろ次のキャリアを、と考えている方のために、人材業界からの転職に関する情報を紹介していきます。人材業界からの転職希望者が増えている理由や、人材業界出身者がマッチしやすい業界・職種について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
人材業界からの転職者が増えている理由
近年、人材業界から転職を検討する人が増えています。その主な理由として、下記の4つが挙げられます。
- 景気に左右されやすい
- 基本給が低く給料が安定しない
- 仕事に飽きる
- 精神的に疲れてしまう
それぞれの理由について見ていきましょう。
景気に左右されやすい
まず1つが、人材業界の業績が景気に左右されやすいという性質を持っていることです。人材業界は人材を採用したい企業と求職者のマッチングによって報酬を得られるビジネスモデルになっているため、基本的に人材を採用したい企業が減ると当然売上は落ちることになります。
人材採用をする活動自体にも採用費がかかりますし、人材採用は不可逆性が高く、採用した人員の数だけ継続的な人件費がかかります。そのため、景気が落ちて日本経済全体が落ち込むと採用活動をする企業は減少し、結果的に人材業界の企業の売上は落ちることが多いのです。
景気の落ち込みから企業の業績が落ちると、個人の目標達成も厳しくなります。自分の行動で取り返せるレベルの未達ではなくなってきて、業務上も厳しいシーンが続くので、景気が悪化している際には人材業界からの人材の流出は増えていく傾向です。
現在はまさにコロナウイルスの影響で景気は低迷していますので、そういう意味でも人材業界からの転職者が増えているのでしょう。
基本給が低く給料が安定しない
また、人材業界の営業職はインセンティブ報酬が高く設計されているため、逆に基本給は低めに設定されていることが多くあります。
成果さえ出せば高い報酬を得られますが、そうでないときは他の業界と比べて低い給与水準になりますし、毎月一定の報酬を得られるわけではないのでなかなか給料が安定しません。
インセンティブが多く入った際に贅沢することはできても、平均して高い給料になるわけではないため、家賃を上げてグレードの高い家に引っ越すなど、毎日の生活水準を上げる意思決定はなかなかしづらいという側面もあります。
仕事に飽きる
もちろんこれについては人によりますが、「人材業界の仕事内容に飽きた」という人も一定数います。というのも、メーカーやソフトウェアを提供しているベンダーのようにサービス・製品がアップデートされたり新製品が出たり、提供しているサービスが変わるようなタイミングがあまりありません。
そのため、基本的には法人営業であれば同じ媒体・人材紹介の営業をし、キャリアアドバイザーであれば同じようなキャリア相談を提供します。それ自体をやりたくてこの業界に入ったという方が多いとは思いますが、何年も似たような業務を続けていると、段々と飽きてくるのも致し方ありません。
部署移動や昇進によって違う業務に就くことももちろんあるかもしれませんが、全員が全員そのような経験ができるわけでもないため、転職によって違う仕事を検討する方が確実ではあるでしょう。
精神的に疲れてしまう
よくある理由の1つが「精神的な疲れ」によるものです。人材業界の業務が激務にならざるを得ない理由として、労働集約的なビジネスモデルが多いことが挙げられます。お客様に価値を提供するためには、あなた自身がその分頑張って何かを調べたり準備したりする必要があります。
これらの理由から、人材業界で働く人たちの労働時間は長くなりがちで、定時で帰れることが少なく、終電近くまで仕事をするという人も少なくないのです。そこに景気による業績の悪化がきたり、報酬が月によって減ったり、仕事に飽きてきたり、ということが重なると、身体的にも精神的にも疲れてきてしまうでしょう。
こういったさまざまな理由から、人材業界から転職を検討している人が増えているのです。
【業界別】人材業界からのおすすめの転職先
こういった転職理由は、今勤めている企業ならではの転職理由というより、業界構造そのものが原因となっています。そのため、人材業界から他の業界へ転職を考える人も多いのですが、その場合、別の業界の経験がない分転職活動に苦しむ方も少なくないでしょう。
そこで、ここでは人材業界からおすすめの転職先となる業界を4つ紹介していきます。
- IT(SaaS)業界
- 金融業界
- 教育業界
- 不動産業界
転職をお考えの方は、ぜひ転職先を探す際の参考にしてみてください。
IT(SaaS)業界
まず1つ目がIT業界です。IT業界の中でも、最近では特にSaaS業界が盛り上がっているため、そちらもおすすめです。
ITがおすすめである理由の1つは、人材業界と同様に無形商材を扱っているという点です。業界は変わっても人材業界での営業やコンサルティングの経験が生かせるシーンが多く、入社後の即戦力になれる可能性も高まります。
また、IT業界全体がインターネットの普及やコロナウイルスによる各種オンライン化を背景に盛り上がってきており、景気による影響も比較的受けづらい業界なので、その点は人材業界との違いを感じられるでしょう。
金融業界
次に金融業界です。IT同様に無形商材であるという点もありつつ、金融業界は人材業界に比べ、定時の厳守や有休消化の点において会社制度を守る風潮が根強い業界です。夜遅くまで仕事をするのに疲れた、安定した仕事をしたいという方にとっては、特におすすめできる業界といえるでしょう。
教育業界
また、教育業界もおすすめです。おすすめの理由としては、人の人生設計を「就職・転職」という側面から支援するのが人材業界であるのに対して、社会に出るまで(もしくは出た後に対しても)の人生設計を「教育」という側面で支援するのが教育業界なので、業界が存在する背景や成し遂げたいものが似ているからです。
人材業界で働いている分、誰かの人生に寄り添ってその人の自己実現をフォローしたい、という強い思いを持っている方も多いと思います。そういう意味で、教育業界という別の業界で、その夢を引き続き成し遂げるのも良いでしょう。
不動産業界
不動産業界は有形商材ですが、「人生における大きな意思決定のタイミング」という点では就職・転職に近いものがあります。住宅販売などは特に、その人の一生でもっとも大きな買い物であることも多いため、そのお手伝いをするのはとてもやりがいがあるのではないでしょうか。
【職種別】人材業界からのおすすめの転職先
先ほどは業界という切り口で紹介しましたが、ここからは職種という切り口で人材業界から転職しやすい領域を見てみます。上の業界と組み合わせて求人を探してみると良いでしょう。
- 人事・採用
- コンサルタント
- 営業
人材業界からの転職におすすめの職種について、解説していきます。
人事・採用
まず1つが人事・採用系の職種です。人材業界にいた分、採用したい企業側の気持ちやよくつまずくポイントが分かっていたり、求職者側の求めるものなどの解像度も高かったりするので、人事職で必要な知識を多く持っていることでしょう。
一方、人事担当者は中小企業だと1人しかいない会社も多いため、あまり転職市場に流通していないという側面もあります。人事経験者を見つけるのがそれなりに難しいため、人事未経験でも人材業界出身者が人事担当者として採用されるケースが多いのです。
コンサルタント
次にコンサルタントです。人材業界で法人営業をやっていると、単に媒体の営業をするだけでなく、お客様となる企業の現状や課題感を理解しながら、採用に対するさまざまなアドバイスをするシーンが出てきます。
課題解決・ソリューション提供型の営業の経験があれば、コンサルタントとしても十分価値を発揮できるでしょう。
キャリアアドバイザーの方も同様で、個人に対して今の悩みや今後のありたい姿を聞きながら最適な会社を見つけていくという仕事は、まさにコンサルが課題から最適な解決策を見つけていくプロセスとも似ているので、コンサルタントとしての転職を考えてみるのも良いでしょう。
営業
最後はやはり営業職です。上述の通り、人材業界は労働集約型のビジネスモデルで、営業やコンサルタントで利用するサービスを決めるお客様も多い業界です。そのため、人材業界で成果を出すためにはかなり高い営業力を必要とします。
人材業界出身者の方であれば、営業力に自信がある方も多いでしょう。そういった方は営業職としてもきっと活躍できます。
人材業界で培ったスキルは転職に有効
このように、人材業界出身者は人材業界から離れたとしても、さまざまな業界・職種で活躍できる可能性があるのです。先ほども少し触れましたが、その理由は人材業界で得られるスキルによるものです。下記の3つのスキルは、転職の際にも役立つでしょう。
- コミュニケーション力
- 営業力
- マネジメント力
採用の面接の際などは、これらのスキルをアピールするのもおすすめです。
コミュニケーション力
1つがコミュニケーション力です。このコミュニケーションスキルは、単に営業やコンサルをしていれば自然と身に付くというわけでもありません。
例えば、住宅などの有形商材であれば、(もちろん営業パーソンのスキルも影響するものの)究極その住宅がとても良い物件だったり、検討者のニーズに最適な物件だったりすれば自然と売れるわけで、コミュニケーション力が多少低くてもそれなりの成果を出せる可能性があります。
しかし、人材業界においてはコミュニケーション力が低いまま成果を出すというのがなかなか難しく、どのようにお客様の本音を引き出し、自分の本音をぶつけるかがとても重要な業界です。
単に場数を踏んでいるということ以上に、業界や商材の特性から、コミュニケーションと強く向き合っているのが人材業界の特徴ともいえます。
営業力
コミュニケーション力と似ているものですが、「営業力」も人材業界出身者の強みの1つでしょう。
営業力には、お客様の課題や悩みを的確に捉えるヒアリング力や、自らの商材であったり推薦する企業の魅力を余すことなく伝える提案・プレゼン力、そして検討の懸念を払拭して後押しするクロージング力など、さまざまな力が含まれます。
単にテンプレ通りの台本を読んでいれば良いわけではなく、お客様1人1人の現状や課題に合わせて提案内容を考える必要がある人材業界においては、この営業力が相当鍛えられているはずです。
マネジメント力
また、マネジメント力が鍛えられるのも人材業界の大きな特徴の1つです。かなり多くの案件が同時並行で進むため、プロジェクトマネジメントが必要になるでしょう。特にキャリアコンサルタントにおいては、求職者のモチベーション把握なども含めたヒューマンマネジメントが成果に大きく関わってきます。
管理職の経験がなくともマネジメント力を身に付けられる業界で、直接マネージャー職として転職するわけではなくてもきっと次の職場で生きる能力です。
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まとめ
人材業界から転職しやすい業界や職種についてご紹介しました。人材業界はその業界構造から転職活動を考える人が少なくない業界です。そもそも、人材業界自体が一定の退職者を見込んだ上で相応の人員を採用している背景もあります。
別の業界・別の職種に転職することはなかなか難しそうに思えるかもしれませんが、人材業界で培ったさまざまな経験やスキルは、業界や職種を変えてもきっと役に立ちます。
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