SaaSマーケティングとは?転職の際に知っておきたい事例やポイントを解説
ビジネスにおいてマーケティングはなくてはならないものですが、それはSaaS企業においても変わりはありません。では、SaaS企業ではどのようにマーケティングが行われているのでしょうか。
今回は、SaaS企業が行うべきマーケティング手法、SaaS企業が行っているマーケティング事例、SaaSマーケティングの指標などを紹介していきます。
SaaS企業がマーケターに求める条件なども解説していくので、ぜひ参考にしてください。
目次
SaaSとマーケティング
SaaSマーケティングについて紹介する前に、そもそもSaaSとは何かというところから見ていきましょう。
ここでは、そもそもSaaSとは何か、SaaSマーケティングとは、BtoB SaaSとは、について解説していきます。SaaSマーケティングについて知りたいという方は、ぜひご覧ください。
SaaSとは
SaaSとは、「Software as a Service」の略で「サース」または「サーズ」と呼ばれています。ユーザーがソフトウェアをインストールするのではなく、ベンダーが提供するソフトウェアをネット経由で利用するサービスです。
そのため、データをインターネット上で保存できるだけでなく、端末に関係なくアクセスできて、同じデータを複数人で共有できます。代表的な例はfreeeやsalesforceなどです。
SaaSマーケティングとは
SaaSマーケティングは、見込み顧客にサービスを利用してもらう、ユーザーにはより長くサービスを利用し続けてもらうために、SaaSサービスを提供している企業が行う施策を指します。
SaaSは有形商材と比べて、利益を得るまでに時間がかかりますが、ユーザーに安定して利用してもらえれば利益が想定しやすいのが特徴です。
BtoB SaaSとは
BtoBとは企業が企業に対して、製品やサービスを提供するビジネスモデルを指します。つまりBtoB SaaSとは、企業に対して提供するSaaSです。例えば、顧客管理システムのSalesforceや会計管理システムのfreeeなどのBtoB SaaSは、多くの企業で利用されています。
SaaS企業が行うべきマーケティング手法
マーケティングにはさまざまな施策がありますが、SaaS企業ではどのような施策を行うのでしょうか。ここでは、SaaS企業が行うべきマーケティング手法について、3つ紹介していきます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、サイトからダウンロードできる資料のことです。自社サービスの導入によって顧客の抱えている課題の解決にどのように役立つのかを紹介して、リードの獲得を狙いますう方法です。
サービスについてまとめた資料や、導入事例やノウハウをまとめた資料など種類はさまざまで、ホームページからダウンロードできるタイプが多い傾向です。
ホワイトペーパーはただの商品紹介だけでなく、顧客の課題解決をするために、自社のサービスが必要だと思わせる役割があります。ホワイトペーパーをうまく活用できれば、リードの獲得とリードを育てることが可能です。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に合わせて質の高いコンテンツを発信して積み上げていくことで、Googleなどの検索エンジンから集客を狙う方法です。
Googleなどで検索するユーザーは、基本的に検索上位の記事から読むので、コンテンツSEOを強化すれば多くのユーザーに自社ページを見てもらいやすくなります。多くのユーザーにリーチすることによる集客効果で、サービスへの持続的な流入も期待できるでしょう。
CMや広告
集客を行う上ではCMや広告も有効的です。お金をかけて集客することで、先ほど紹介したホワイトペーパーやコンテンツSEOよりも多くの人にアピールできます。
しかし、ホワイトペーパーやコンテンツSEOはすでに自社や自社のサービスについて興味のある人を引き込みやすいですが、CMや広告は幅広くアピールするため、必ずしも全員が自社に対して興味があるわけではありません。
さらに、CMや広告は辞めてしまうと流入がパタリと止まってしまうケースも多いため、短期的に知名度を上げたい場合に有効です。
SaaS企業が行っているマーケティングの事例
SaaSビジネスは、顧客を増やして使い続けてもらうことが重要です。では、そのためには何をすれば良いのでしょうか。
ここでは、SaaS企業が行っているマーケティングの事例として、各社のツールなどを解説していきます。SaaSツールを活用したマーケティングはどのように行うのか、見ていきましょう。
ベーシック
ベーシックは、「ferret One」、「formrun」を運営しています。
ferret Oneとは、BtoBマーケティングの効率化を目指すwebマーケティングツールです。誰でもサイト編集ができる使いやすいCMSで、コンテンツマーケティング、メールマーケティングなどもがferret One1つで完結できます。
formrunとは、フォーム作成からフォームに入力された顧客情報の管理までをワンストップで利用できるツールです。問い合わせ対応を効率化や顧客管理にも使用できます。
Sansan
sansanは、社内にある全ての名刺を一元管理して、活用できる法人向け名刺管理ツールです。これまで各営業パーソンが管理していた顧客情報を、クラウド上でデータベース化して、社内で共有して商談や取引、マーケティングに活用できます。
また、社内に眠るデータを見直すことで、新たなビジネスチャンスにつなげることも可能です。
freee
freeeは無料から使用できるクラウド会計システムです。従来のパソコンにインストールして使用するソフトと違い、ネット環境があれば、パソコン、スマホ問わずアクセスできます。
経費精算、請求書作成、決算書作成などを行うことができて、経費に関する作業の効率化が可能です。そのため、freeeを活用すれば経費にかかる時間と人件費を大幅に削減できるでしょう。
SaaSのマーケティング指標について
SaaS企業がマーケティングを行う際に重要とされるのが、「CAC」です。CACは「Customer Acquisition Cost」の略で、日本語では「顧客獲得単価」、顧客を獲得するために必要なマーケティングや営業コストを表すKPIの指標となります。
ここでは、そんなCACの3つの構成要素を紹介していくと同時に、CAC以外で重要視される「LTV」や「ARPA」についても解説していくので、見ていきましょう。
Organic CAC
Organic CACは、自然に獲得できた顧客に対するコストを表します。例としては、Webページのオーガニック検索からの流入や、既存顧客からの紹介や口コミなどです。
広告などの費用をかけずに顧客を集めているため、他の要素に比べて比較的コストが安価という特徴があります。
Paid CAC
Paid CACは、広告などに費用を出して獲得した顧客に対するコストです。それぞれの広告チャネルによって計算が可能なので、どの広告が一番コスパが良いのかといった検証もできます。
Paid CACがLTVを上回っていると、広告を出すほどに赤字になっていく可能性があるため、しっかりと確認しておきましょう。
Blended CAC
Blended CACは、「Organic CAC」と「Paid CAC」の2つを合わせたコストです。一般的に、CACというと「Blended CAC」を指します。
「顧客が増えているのに収益が増えない」といった悩みを抱えている方は、CACを計算して分析すれば、戦略の立案に役立てられるでしょう。
LTV(ライフタイムバリュー)
LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客生涯価値を指します。顧客が自社と取引を開始して終了するまでの間に、どれだけ利益をもたらしてくれるのかを図る指標です。
1度の売り切りモデルではなく、継続的に利用してもらうSaaSサービスでは継続的な関係が重要なため、LTVの重要性は極めて高いといえます。
LTVが高いということは、顧客が継続して製品やサービスを利用してくれる可能性が高くなるため、LTVはSaaSマーケティングを行う上で重要な指標です。
顧客平均単価(ARPA)
APRAとは、Average Revenue Per Accountの略で、1顧客あたりの平均売上を指します。
1人のユーザーが複数の端末を利用したり、複数のアカウントを発行できる場合は、ARPAを用いることで実態に近しい数値を測ることが可能です。そのため、通信業界やSaaSビジネスなど、月々定額で支払いを行うビジネスにおいて用いられる指標となっています。
SaaSマーケターに転職する上で重要な2つの視点
SaaSのマーケターに転職する際には、どういった視点が重要になるのでしょうか。ここでは、SaaSマーケターにとって重要な2つの視点を紹介していきます。
部分最適ではなく全体最適
部分最適とは、物事全体の中の一部だけが最適な状態であることを指します。部分最適によって組織の一部や個人の生産性・効率性が向上したとしても、組織全体の生産性・効率性が必ずしも向上するわけではありません。
一方で全体最適は、チームや組織全体が最適な状態であることを指します。全体最適とは、ある一部には負荷をかけてしまうが、全体を見ると好ましい方が良いという考え方です。
一部に負荷がかかってしまうため、組織内で対立が生まれる可能性があるというデメリットがありますが、全体最適を達成すると、業務の効率アップやコスト削減、労働生産性の向上など、さまざまなメリットが期待できます。
顧客がどれだけ使い続けるかを第一に
SaaSのマーケティングにおいて、顧客がどれだけ使い続けてくれるか、つまり長期的な関係性を築けるかはとても重要です。
高いサービスを1回だけ利用してもらうよりも、少し安いサービスを継続して利用してもらう方が利益が出るのがSaaSサービスの特徴となっています。そのため、サービスを使い続けてもらえないと売上が立ちません。
そのため、顧客がサービスを契約したときだけでなく、利用後もできるだけサポートをして良好な関係を築く必要があります。顧客との関係性を構築して、LTVを伸ばす施策を打つこともマーケターとして必要な視点です。
SaaS企業がマーケターに求める条件
ここでは、SaaS企業がマーケターに求める条件について解説していきます。マーケターに求められるスキルは主に以下の3つです。
- デジタルマーケティング関連のスキル
- 高いアウトプット能力
- ディレクションスキル
それぞれのスキルについて、見ていきましょう。
デジタルマーケティング関連のスキル
デジタルマーケティングとは、オンライン上で得られたデータを元に行われるマーケティングです。主に検索エンジン、SNS、アプリなど、多様なテクノロジーを活用して行われます。
そのため、統計を取りまとめる力、データを可視化する力が重要です。情報を集めるためのリサーチ力、統計を取るための情報収集能力、収集したデータを分析する力、企画したことを形にする力があれば、さらにSaaS企業から求められる人材となれるでしょう。
高いアウトプット能力
SaaSマーケティングでは、自社サービスについてどれだけ理解できているかも重要ですが、同時に高いアウトプット能力も必要です。
自社サービスの良さが理解できていても、それを顧客に伝えられなければ意味がありません。自社サービスを導入することによって、顧客はどのような得をするのかを正確に伝えるアウトプット能力が大切です。
さらに、マーケターがデータ分析によって得た情報から、どうやって改善していくべきなのかを正確にアウトプットできれば、企業は高い成果を得られるでしょう。
ディレクションスキル
ディレクションとは、物事の方向性を決めたり、担当に仕事を割り振ったりする、管理進行のことです。
マーケティングも業務が多岐に渡るため、他の人に依頼しなければいけない仕事もあるでしょう。そんなときに求められるのが、業務が適切に進んでいるかを管理進行するスキルです。つまり、業務の方向性を決めて滞りなく進んでいるかをチェックし、業務をスムーズに進めていく力がSaaSマーケティングでは重要とされます。
SaaSマーケティングへの転職を考えているならサムライソウルへ
今SaaS業界はどんどん成長しており、それと同時にSaaSマーケターは企業からの需要も高まっています。そのため、SaaSマーケティングは転職がしやすい業種で、今から転職をしたい人にもおすすめです。
では、どのようにしたらSaaSマーケティングへの転職ができるのでしょうか。SaaSマーケティングへの転職を考えている方は、ぜひサムライソウルご相談ください。
リクルートグループへの転職実績多数
サムライソウルは代表やコンサルタントがリクルート出身ということもあって、リクルートグループへの採用決定実績がトップクラスです。
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サムライソウルでは、転職に関しての相談や求人紹介、書類対策、面接対策を無料で行っています。
コンサルタントがこれまでの実績から得たノウハウで、求職者の転職活動を徹底的にサポートしていきます。SaaSマーケティングへの転職が不安という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
SaaSはベンダーが提供するソフトウェアをネット経由で利用するサービスです。SaaSマーケティングでは、ユーザーにはより長くサービスを利用し続けてもらうことが重要とされます。
そのためには、ホワイトペーパーやコンテンツSEO、CMなどの広告が手法として有効です。
SaaSマーケターは企業からの需要も高く、転職先として人気ですが、マーケターならではの視点を持っている必要があります。部分最適よりも全体最適を優先する、顧客がどれだけの期間サービスを利用してくれるかを重要視するという点が重要です。
サムライソウルではSaaS企業への求人紹介や選考対策なども行っておりますので、SaaSマーケティングへ転職をしたいという方はぜひご相談ください。