転職エージェントの効果的な使い方・上手な付き合い方【転職活動を成功させるために知っておくべきこと】
「転職エージェントの上手な利用方法が分からない」「登録してみたものの、想像していた感じと違った」という方も少なくないでしょう。
そんな方のために、本記事では、転職活動の成功率を上げるための転職エージェントの効果的な使い方、転職エージェントとの上手な付き合い方についてまとめていきます。
転職エージェントの役割や特徴、また求職者をどのように転職成功に導いているかを事前に知っておくことで、転職エージェントの利用に関する不安も解消できるでしょう。また転職エージェントと良好な関係を築くことで、転職エージェントが持つ機能をさらに効果的・徹底的に引き出しやすくなります。
目次
転職エージェントとは?転職サイトとの違い
転職エージェントは転職のプロである「エージェント(キャリアコンサルタント)」が求職者の転職活動を支援してくれるサービスです。求職者のこれまでのキャリアや今後ありたい姿をヒアリングしながら、適切な求人を探してきてくれたり、選考対策や日程調整などを行ってくれます。
一方の転職サイトは人が介在しないサービスで、企業の求人をたくさん掲載している中から求職者自身で応募したい求人を見つけて応募することができるサービスです。
転職エージェントの役割
転職エージェントの一番の役割は、「求職者の転職活動を成功させる」ことです。転職エージェントによってサービス内容は異なりますが、基本的には下記の4つの機能を持っています。
- 求職者に合った求人企業の紹介
- 転職活動における煩雑業務(日程調整・書類の準備・管理)のサポート
- 求職者の転職市場における市場価値の見極め、適正年収の把握
- 合格可能性を高めるための企業・業界の情報提供や選考のアドバイス
また、他の転職方法との違いとして、転職エージェントは下記の3点を同時に満たしているという点も挙げられます。
- 転職者と求人企業に対する客観的・俯瞰的な視点を持っている。
- 過去の転職者データや転職活動のノウハウが蓄積されている。
- 常時、業界の動向を観察・分析し、求人企業の事業戦略や内部情報を把握している。
以上のような、求職者が自分で準備することが難しい部分を効果的にかつ徹底的に引き出せるかというのが、転職エージェントを使う利点です。
転職エージェントを利用するメリット
転職エージェントを活用して転職活動をするメリットは、大きく分けて下記の3つがあります。
- 転職のプロに相談できる
- 他では取り扱っていない求人が豊富
- 企業の内情を詳しく聞ける
それぞれのメリットについて、見ていきましょう。
転職のプロに相談できる
まず1つが、転職のプロに相談できるという点です。転職を成功させる上で大切なのは、自分自身の市場価値を見極め、適切な求人を見つけて、求人先に自分自身を最大限アピールすることです。しかし、求職者個人の力で市場価値を見極めたり、無限にある求人の中から自分にピッタリ合った求人を見つけ出すのは簡単なことではありません。
転職エージェントは数多くの方の転職を支援している転職のプロなので、求職者のこれまでのキャリアや今後のウィルに寄り添って適切な求人を見つけてくれます。また、企業がどのような方を欲しているかについても高い解像度で把握しており、選考を通過する上で知っておくべきコツを提供してくれるでしょう。
他では取り扱っていない求人が豊富
転職市場では、「非公開求人」というものが数多く存在します。非公開求人は、一定の事情からWeb上に公開できない求人のことです。
例えば、営業責任者の求人を出すと、その企業の中で実際に働いている営業担当がその求人を見た際に、「自分の上司になる人の求人が出されている」「自分たちに昇進のチャンスがないのかもしれない」「今の上司が辞めることが決まっているのかもしれない」と、あまりよくない想像をさせてしまう可能性があります。
また、IPO申請などの競合に広く知られたくない動きを求人情報から推測されてしまうリスクも考えられるでしょう。そういった求人はWebに広く公開されるのではなく、転職エージェントに非公開求人として提供されて募集をします。これらの求人にアクセスするためにも転職エージェントを活用するのが有効です。
企業の内情を詳しく聞ける
転職エージェントは、企業の採用担当者から求人の共有を受けています。具体的に今どういう状況なのか、なぜこのポジションを募集しているのか、どういう人を求めているのかなどの詳しい状況を把握しているのです。
Web上の求人情報よりもはるかに詳しい内情を把握しているため、より明確な情報を元に求職者に本当にマッチしている求人なのかを見極めてくれます。また、詳しい内情を把握した上で選考対策などのサポートを行ってくれるので、転職活動も行いやすくなるでしょう。
転職エージェントの選び方
求職者にとって、転職エージェントは転職を成功させるという同じ目標を持つ大切なパートナーです。転職エージェントとの相性の良し悪しが、転職活動の成果に直結するといっても過言ではありません。
転職エージェントの選び方のポイントとしては、「求人数」「業界」「職種」「役職」「地域」などの条件があります。具体的には、下記の通りです。
- 業界:金融、IT・インターネット、メーカー、医療、食品、流通・小売、広告、コンサルティングなど
- 職種:人事、総務、財務、法務、エンジニア、営業、マーケティング、など
- 役職:スタッフ、リーダークラス、管理職、ミドル・シニア案件など(呼び方はさまざま)
- 他、独自の強み:外資系企業に強い、女性に強い、地方に強いなど
上記の条件を組み合わせた専門分野における求人案件を扱うのが専門特化型エージェント、幅広い業界・職種にまたがって大量の求人案件を扱うものは総合型エージェント、と呼ばれます。
いくつも転職エージェントの中から自分に合ったところを選ぶ上でもっとも重要なのは、「自分が何を求めているのかを明確にすること」です。
初めての転職の場合は転職活動に関して不明点が多く、「そもそも転職すべきなのかどうか」といった悩みを抱えている人もいるでしょう。転職エージェントでは、そういった転職をするかどうかといった悩みも相談できます。
相談時には自分が求めるものを明確化した上で、「自分のニーズに沿ったアドバイスをもらえるか」「自分の現状や目標を把握しようとしてくれるか」などの視点を持って、自分に合う転職エージェントかどうかを判断しましょう。
転職エージェントを利用する流れ
上記で解説した内容を元に、実際に相談したい転職エージェントが決まったら下記の流れで相談を始めましょう。
登録
まず、利用する転職エージェントのWebサイト等から登録します。1つに絞り込めないという場合には、複数の転職エージェントに応募してから、自分に合ったところを探してみると良いでしょう。利用していく中で、キャリアコンサルタントの対応や求人の種類などを元に絞り込んでいけば、自分に合ったエージェントを見つけられるはずです。
面談
登録すると電話やメールで連絡があるので、その際にキャリアコンサルタントとの面談の日程などを決めます。
面談では、今回転職活動を始めようと思っている背景や、転職活動において重要視したい軸、これまでのキャリアやスキル、今後のキャリアプランなどを詳細に聞いてくれるので、丁寧に正直に答えていきましょう。
転職エージェントは求職者の転職活動の成功を応援してくれるので、見栄を張ったり、転職理由を隠したりするのは逆効果になります。ここで話した内容に合わせて求人紹介や転職サポートを行うため、少しでも気になることがあれば、ここで話しておくと良いです。
また、求職者について詳しく知るのを目的として、この段階で履歴書の提出を求める転職エージェントもあります。
求人紹介
面談の内容を元にエージェントから求人を紹介されます。実際に求人を見て、選考を受ける求人を選びましょう。このときに複数の求人に応募すると、転職活動を並行して進められます。気になる求人がなければ、再度エージェントに相談してみてください。
書類選考
選考を受ける求人を選んだら、企業とのやりとりをエージェントが始めてくれます。書類選考から始まる企業が大半なので、履歴書や職務経歴書の提出がまだであればエージェントに提出しましょう。
その際に、履歴書・職務経歴書の内容もエージェントに添削してもらうと良いです。選考に通りやすい履歴書の書き方や職務経歴書の作り方を教えてくれます。
面接
書類選考に通ったら面接です。転職エージェントでは面接対策も行っています。応募先の企業の面接でよく聞かれる質問や印象が良くなる答え方などをアドバイスしてもらえるので、面接が不安という方も安心です。エージェントに相談しながら自己分析・企業分析をしてみてください。
内定
面接に通過したら内定となるので、実際に内定を承諾するかどうかを決めましょう。複数の企業から内定をもらった際に、自分の転職軸と照らし合わせながらどう判断するのが最適かを聞きたいという方は、気になる点を相談してみてください。
また、現職を退職する際の対処法にお悩みの方も、転職エージェントに相談しましょう。転職エージェントではスムーズな退職のためのアドバイスも行っています。
転職エージェントを利用する際のポイント
最後に、転職エージェントを利用する際に留意すべきポイントを2つ紹介します。
面談前にキャリアを整理する
転職エージェントは、求職者が理想のキャリアに到達するために、最適な転職先の企業を提案し、その達成に向けて求職者をサポートしてくれます。
コンサルタントとの面談は、自分の現在地と目的地を知ってもらう大切な情報共有の場であり、転職を成功させるためのファーストステップです。現在地は求職者の市場価値や能力を見極めるのに必要ですし、目的地が曖昧であればそこに誘導するような提案もできません。
よって、目的地も現在地も分からないままでは話が全く進まないので、最低でもこれまでのキャリアは事前に整理しておきましょう。
- 自分の能力や経験(履歴書・職務経歴書)
- 目標・実現したいこと(仕事・プライベート・人生における目標)
- 転職先に希望する条件
これらの情報は、必ずしも書面でまとめておく必要はありません。最低でも聞かれた際に的確に順序立てて説明できるように、頭の中で整理しておくことが大切です。整理の仕方や伝え方は自分なりで結構ですが、事実と感情を分けて整理して準備をしておいた方が、スムーズに次のステップへ進めます。
エージェントとの信頼関係を構築する
求職者が転職エージェントからの密なサポートを受けるためには、自分自身をよく知ってもらい、相互の信頼関係を構築することが重要です。
①行動の目的を明確にする
繰り返しになりますが、転職エージェント選びや面談で軸となるのは「自分は何を求めているのか」です。
初めての転職で何をすれば良いか分からないとしても、「何となく転職したい」というのと、「現職でのスキルアップが停滞してきたから、転職も視野に入れています」というのでは、キャリアを考えていく上でのスタート地点が違います。
自分はなぜ転職エージェントに相談するのかという目的に立ち返れば、下記のように依頼事項も明確化・具体化できるはずです。
- 「◯ヶ月以内に転職したいと考えている場合、最初に何を準備すればいいか、いつまでにどんな情報が必要か教えてほしい」
- 「今自分が考えているキャリアに自信がないので、一度話を聞いてもらった上でアドバイスがほしい」
「なぜ転職したいと思うのか」「なぜ転職が必要なのか」など、自分の行動に対する目的を掘り下げるように心がけましょう。
②転職エージェントに本音の情報を伝える
バレるバレないの問題ではなく、能力や経験などに偽りがあると、転職エージェントはその人の市場価値を正しく見極めることができません。
少しでもレベルの高いところへ転職したいという気持ちは分かりますが、経歴を偽っても転職エージェントがその人の真の実力を把握していなければ、適切な求人紹介や選考対策ができないのです。それによって転職活動が失敗に終わったら、本末転倒になってしまいます。
また、転職活動は現状の不満などのネガティブなことがきっかけに転職を考える方が多いものです。企業の面接ではネガティブな内容もポジティブな印象になるように変換しなければいけませんが、転職エージェントとの面談ではできるだけ本音の転職理由を語るようにしましょう。
転職理由や志望動機が面接に不利になるようなことであっても、転職エージェントに話した内容が求人企業に共有されることはありません。むしろ、どのように伝えれば良いのかな、他の考え方はできないかなどのアドバイスができます。信頼関係を構築するためにも、納得のいく転職活動をするためにも、全てにおいて包み隠さず事実を伝えてください。
③転職エージェントを単なる業者扱いしない
転職エージェントは書類やスケジュールの管理など、自分でやると面倒な業務もサポートしてくれますが、転職エージェントの役目はそれだけではありません。
転職エージェントと求職者は、「転職活動の成功を実現する」という同じ目標を持つパートナー関係にあります。そのためお互いの関係性を構築して、エージェントとの相互的な協力・信頼が必要になるのです。
希望の転職先に入社が決まった暁には、転職エージェントと転職者が同志として一緒に食事をしながらこれまでの戦いを振り返るといったこともあります。数年に1度のタイミングで転職の機会が訪れることも珍しくありません。再び転職を考えることになった場合に、また相談ができるような長い付き合いができるのが理想です。
まとめ
転職エージェントは、上手く活用することで求職者の転職活動を成功に導いてくれる頼もしいパートナーになります。「1人で転職活動をするのは不安」「転職に関する悩みや疑問を相談できる相手がほしい」という方は、ぜひ転職エージェントを利用してみてください。
転職エージェント選びでお悩みの場合には、サムライソウルにご相談ください。サムライソウルでは、1人ひとりと丁寧なカウンセリングを行い、求職者のニーズに寄り添った求人提案と転職活動を全面的にサポートしています。
これまでに培ってきた独自の転職ノウハウを駆使して、ご自身の想いの言語化から面接対策、そして内定、と目的地まで伴走します。
- 現時点ではまだ業界や職種を絞りきれていないけど、キャリアの相談をしたい。
- 初めての転職で何から取り組めば良いか分からない。
という方も、ぜひお気軽にご相談ください。