リストラ後は再就職できない?転職で失敗しやすい人の特徴とは
会社からリストラされるというのはそれ自体がストレスになりますが、その上、生活の柱となる収入を得るためには再就職する必要があります。リストラをされた方の多くは、再就職や転職活動に不安を感じているのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、リストラをされた後の流れや、リストラをされたら再就職はできないのかどうかなどを解説していきます。合わせて、再就職で失敗・成功しやすい人の特徴、リストラ後の再就職の成功率を上げるコツなどについても詳しく紹介していきます。
リストラされたら再就職できないのかについて知りたい方、リストラ後の転職活動に不安を感じている方は、ぜひこの記事でご紹介する内容を参考にしてみてください。
目次
大手企業でもリストラが行われている
リストラというと、「業績が良くない中小企業で多いのではないか」と思う方もいるかもしれません。しかし、今は大企業でもリストラが行われています。
例えば、有名電気メーカーの東芝は3,449人、日立建機は489人、NECは47,423人の人員削減を行っているのです。また、ベネッセではグループで300人、コカ・コーラウエストでは300人の希望退職者を募集したことがあります。
上記のように、誰もがその名に聞き覚えがある大企業でも人員削減が行われているのが現状です。大企業に勤めているから絶対に安心、ということはありません。そして、大企業ですらこのような状況なので、苦しい立場にある中小企業が多いことも予想できます。
リストラをされた後の流れ
上記の通り、もはやリストラは企業で働く誰しもが経験する可能性のあるものとなっています。ここからは、実際にリストラをされてしまった場合の流れについて紹介していきます。リストラを言い渡されてしまった後は、ショックや将来の不安などでなかなかすぐ次の行動に移れない人も多いです。しかし、手続きなどは一日も早く行った方が良い場合があります。忘れずに、早めに確認をしましょう。
離職票の発行
リストラを言い渡されたら、まずは会社に離職票を発行してもらいます。離職票は正式には「雇用保険被保険者離職票」といい、会社を離職したことを公式に証明する書類です。
離職票には、会社の情報、雇用保険加入期間、賃金支払状況、退職理由などが書かれています。記載されている内容に基づいて、失業保険の給付資格の有無や受給期間などが決定されます。
離職票を受け取るときには、記載されている内容のうち、特に退職理由を注意してチェックしましょう。理由が「自己都合」ではなく「会社都合」であることがポイントです。
自己都合退職は労働者の個人的な理由による退職であり、会社都合退職は解雇や倒産など会社の都合による退職です。会社都合退職となっていない場合は、失業保険の受給開始日や給付期間などで不利に働いてしまいます。
人事部、事務局など、離職票の発行を担当している部署は会社によって異なりますが、ハローワークで失業保険の受給手続きをする際に必要となるので、必ず受け取るようにしましょう。
失業保険の受給手続き
リストラをされ、すぐ次の就職先が決まっていない場合は、失業保険の受給手当を行いましょう。待機期間や説明会への参加などがあるため、申請をしてもすぐに受給できるわけではありません。余裕を持って早めに手続きをしましょう。
失業保険の受給手続きは、ハローワークで行うことができます。退職時に会社から受け取った離職票、雇用保険被保険者証、身分証明ができるもの、証明写真、認め印などを持っていけば手続きが可能です。
リストラをされたら再就職はできない?
「リストラをされたら、転職をする際にマイナスの印象を与えてしまうのではないか」と不安に感じてしまう人は多いでしょう。しかし、リストラは会社都合での退職となるため、再就職ができないわけではありません。
一方で、人によってはリストラ後の再就職が難しくなるのも事実です。次項で、リストラ後の再就職で失敗しやすい人の特徴を見ていきましょう。
リストラ後の再就職で失敗しやすい人
リストラ後の再就職で失敗しやすい人の特徴は、主に下記の2つです。
- 前職のプライドが消せない
- 資格やスキルが少ない
順番に見ていきましょう。
前職のプライドが消せない
特に大企業や有名企業に勤めていた人に多いのが、もともとの会社名や肩書といったプライドが消せず、再就職の足かせになるケースです。確かに、大企業に入社してそこで働いてきたという事実は素晴らしいものですが、あくまでも過去のことという認識になります。再就職を目指す際には、割り切って転職活動をするのが大切です。
「自分は元○○会社の社員なのだから、採用して当然だ」といった横柄な態度で転職活動に望めば、それは相手企業の人事担当者にも伝わってしまいます。また、「もう一度大企業に就職しなければならない」と思い込んでしまうと、出会える求人数も少なくなり、選択肢が狭まってしまうでしょう。
資格やスキルが少ない
就職活動の際に受けたきり、英語の試験や会計関連の資格を受けていなかったり、前職で特に必要がなかったからといって新たなスキルを習得していなかった場合などには、再就職が難しくなる傾向にあります。
前職に就いていた期間に取得した資格や習得したスキルが少ない場合は、転職先の人事担当者から「前職中に何も自己研鑽やスキルアップをしてこなかった人」「向上心がない人」といったマイナスの評価を受けてしまう可能性があります。
リストラ後の再就職で成功しやすい人
プライドが消せなかったり、スキルが少ない人は再就職しにくいと紹介しました。では反対に、リストラ後の再就職で成功しやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは3つ解説していきます。
- 貪欲にチャレンジをしていく
- 前職で実績を残している
- 失敗の経験を活かしている
リストラは確かにショックな出来事ではありますが、「新たな業界や企業を知るチャンス」「スキルアップの機会」と前向きに捉えて再就職を目指すことが大切です。
貪欲にチャレンジをしていく
大企業に勤めていた場合でも、「中小企業やベンチャー企業の求人も見てみる」「新しい業界に飛び込んでみる」など、新たな仕事に対しても貪欲にチャレンジをする人は再就職しやすいです。何事にもオープンな気持ちで望めば、それだけ出会う求人数も増え、再就職のチャンスにつながります。
前職で実績を残している
たとえ大企業に勤めていたとしても、その会社に「いた」というだけですぐに再就職できるわけではありません。大企業に勤め、そこで何を成し遂げたのかが重要なのです。
前職で具体的な実績を残している人は、転職先の人事担当者に対して「すぐに仕事で活躍してもらえそう」「自分で仕事を進められる人」といったプラスの印象を与えられます。前職での自分の実績は、積極的にアピールしていくようにしましょう。
失敗の経験を活かしている
前職で実績のある人がプライドを捨てて貪欲にチャレンジしたとしても、リストラ後すぐに就職先が見つかるわけではありません。
1社受けてすぐに内定がもらえるというのは稀で、基本的には複数社を受けて再就職を目指していきます。選考で落ちてしまい内定まで至らなかった場合は、「採用されなかった」と落ち込むのではなく、何が問題だったのかを分析して改善点を洗い出していきましょう。
リストラ後の再就職の成功率を上げるコツ
ここまで、リストラ後の再就職に失敗しやすい人・成功しやすい人の特徴をそれぞれ解説していきました。最後に、リストラ後の再就職において、成功率を上げるコツを見ていきましょう。
- 失業保険があるからと転職を後回しにしない
- 高いポジションや条件を望みすぎない
- 転職のプロに相談をする
順番に紹介していきます。
失業保険があるからと転職を後回しにしない
先ほど解説した通り、リストラをされた後は離職票を持ってハローワークに行き、失業保険の受給申請をします。リストラは会社都合の退職という扱いになるため、最大で1年ほど失業保険を受給することが可能です。
しかし、この失業保険を当てにしていると、受給期間が終わった後すぐに収入がなくなってしまいます。そのため、失業保険を当てにして、転職活動を後回しにしないようにしましょう。
リストラ後の再就職は、成功しやすい人の特徴を持っている場合であっても、半年から1年近く決まらない可能性も考えられます。「どうせすぐに再就職先が決まるだろう、それまで失業保険を当てにしておけば良い」と考えずに、すぐに再就職に向けて動き出すようにしてください。
さらに、転職活動までの期間が長くなるほど、面接官などに「この期間は何をしていたのか」と思われやすくなるので、早めの行動を意識しましょう。
高いポジションや条件を望みすぎない
再就職先を探すときには、何かの役職といった高いポジションや、高い年収・良い福利厚生などを望みすぎないことも大切です。もちろん、労働条件が良いに越したことはありませんが、高いポジションや良い条件を望みすぎると、出会う求人数がぐっと減ってしまいます。
また、そのような良い求人には応募が殺到することが多く、手ごわいライバルたちの中で内定を勝ち取っていくのは難しいです。これまでの勤続年数や役職・ポジションなどのプライドは持たずに、幅広い選択肢を検討してみましょう。
また、どうしても譲れない条件は何か、今一度自己分析してみるのも良いです。譲れない条件を決めたり、条件に優先順位を付けたりすることで、より自分の希望に合った条件探しができるようになります。
転職のプロに相談をする
転職活動は、ただでさえ1人で行うのは難しいです。リストラ後となれば、精神的にも落ち込み、自分ではなかなか次の一歩を踏み出せないという方もいるでしょう。そのようなときには、転職のプロフェッショナルたちに相談してみてください。
- ハローワーク
- 再就職支援会社
- 転職エージェント
以下でそれぞれの違いや特徴をご紹介します。
ハローワーク
ハローワークは、国(厚生労働省)が運営する総合的な雇用サービスです。全国に500か所以上あり、就職や転職を目指す人のために、求人の閲覧や応募、面接指導など、転職のサポートをしてくれます。また、雇用保険の手続きなどもハローワークで行うことが可能です。
誰でも無料でサービスを利用できるというメリットがある一方で、企業レベルのバラつきがあるのがデメリットといえます。
再就職支援会社
再就職支援会社は、不況や災害といった理由で企業がやむを得ずリストラをする際に、企業から依頼を受けて退職者の再就職をサポートする会社です。再就職支援会社では、今後のキャリアの相談や求人の紹介、求職者の自己分析、面接指導のサポートなどを行ってくれます。
転職エージェントと似ていますが、再就職支援会社はリストラをした企業が料金を負担している点が異なります。採用する企業や人材紹介企業にも利害が発生しないため、すぐにあらゆる転職活動のサポートを受けられるのです。
転職エージェント
転職エージェントは、在籍するキャリアアドバイザー・コンサルタントによる手厚い支援が受けられるサービスです。じっくりと時間をかけて自己分析を行ってくれたり、希望の業界・職種に精通したキャリアアドバイザー・コンサルタントから的確なアドバイスを受けたりできます。
また、転職エージェントには幅広い求人を扱うものから、業界・職種に特化したものなどのさまざまな種類があるため、自身に合うものを選択できる点もメリットといえるでしょう。無料で利用できるので、リストラをされて金銭的余裕がないという人でも利用しやすいです。
まとめ
近年は不況によってリストラを行っている企業も増えており、自分は安心とはいえない状況になっています。リストラをされたら再就職は難しいのかと思う方もいるかと思いますが、リストラは会社都合の退職なので、転職も不可能ではありません。
しかし、前職のプライドが消せない人や資格・スキルが少ない人は転職が難しくなるでしょう。
リストラ後の転職にお悩みの方は、ぜひサムライソウルにご利用ください。リストラをされた場合は履歴書にどのように書けば良いのか、面接でどう伝えればマイナスな印象を与えないのかなどのアドバイスも行っておりますので、ぜひ「相談フォーム」からお気軽にお問い合わせください。