日本経済を救う、第三者への事業継承「M&A」とは

2018/11/07

企業の合併や買収を意味するM&A （Merger and Acquisition）。日本経済新聞によると、2018年1～6月の日本企業による海外企業に対するM＆Aは340件、総額12兆円弱で、件数も金額も同時期としては史上最高になりました。国内の企業同士のM&Aも2000年以降は増加する傾向です。
さまざまな業種、規模の会社経営で、M&Aが選択肢の一つになりました。高齢化社会が進む今、多くの中小企業が後継者不足という課題を抱えていますが、その解決方法の一つとしても、M&Aが注目されています。

上場、事業継承、そしてM＆A。企業の選択肢は多様に

後継者を確保するための積極的な策に「新規上場」があります。会社の知名度を上げて人材を呼び込み、創業者は株式の売却で利益を確保することもできます。しかし経営コストの増加は避けられず、株を売りたくても制約を受けることも…。反対に廃業という消極的な選択をすれば、従業員や取引先に不安が広がります。
多くのオーナーが、親族や従業員に事業を承継しようとしますが、経営者として跡を継ぐ意志を持つ親族がいなかったり、経営を任せられるだけの力を持った人材が社内にいなかったり。親族や従業員への事業継承は、長期的な準備がなければうまくいきません。

そこで、事業継承の新たな方法として浮上してきたのがM&A、第三者への事業継承という選択肢です。
M&Aには、適当な相手先企業を見つける難しさのほか、経営者が希望する適正な値段で事業を売買できるかどうかというリスク、環境の変化による従業員が受けるストレス、といった懸念があります。しかし、専門のアドバイザーが、最良のパートナー探し、適切な価格設定、M&A後のフォローを行うことによって、企業の経営者は安心してM&Aを選択することができます。

M＆A仲介会社は、後継者探しや事業継承を考える経営者のアドバイザー

M&Aを模索する企業に専門的なアドバイスをするのがM&A仲介会社です。
M&A仲介会社の大きな役割は、後継者や事業承継に課題を抱える経営者に、明確でわかりやすいM&Aの道筋を示すこと。M&Aという選択肢がその他の選択肢に比べて、どのように優れているのか。逆にどんなデメリットを想定しなければならないのか。客観的な状況を俯瞰できるようにすると同時に、個別の事例ごとの具体的な心配に対して、M&A仲介会社がどんなサポートをしていけるのかを提案します。

M&Aに前向きな経営者に対しては、その企業の価値を数値化して示したり、特徴をわかりやすい言葉で表したりする手法を活用しながら、マッチングに結びつく情報を共有していきます。そうしたプロセスを経て、適切な買収価格の設定、買収手続きのプランニング、そして最終的なクロージングまでを見届けます。
経営者としては、今まで自分が育ててきた会社の先行きが、M&Aによってどうなっていくのかを心配するのが人情です。そうかと言って、事情をよく知る取引先の金融機関にM&Aに関する相談をすれば、もしかしたら融資が受けられなくなるかもしれないという不安が生まれるかもしれません。
M&Aを支援する仲介会社のプロフェッショナルがサポーターになり、後継者探しや事業継承を考える企業の経営者に適切なアドバイスをすることは、経営の課題を解決するだけでなく、従業員や取引先の企業の安心にもつながっていきます。