年収ランキングの上位を席捲するM&A仲介の仕事内容
ここ数年、企業の年収ランキングの上位を独占して世間の注目を浴びているM&A仲介会社の仕事内容は、大きく3つに分かれます。ソーシング(情報提供)、マッチング(組み合わせ)、そしてエグゼキューション(契約実行)です。
1.ソーシング
M&A仲介会社の仕事の第一段階は、後継者探しや事業承継の課題を抱える企業の経営者と出会うことです。金融機関や公認会計士事務所とのネットワークの中で情報を得たり、経営に関するセミナーなどで接点を設けたりすることで、新たな顧客を開発するチャンスが生まれます。経営者と接点を持つことができたら、M&Aの持つメリットとデメリットを伝え、専門的なアドバイスを提供。経営者のニーズをわかりやすく具体化していきます。M&Aを事業承継の方法の選択肢として捉えてもらうことがこの段階の目標です。
M&Aを検討することになったらアドバイザリー契約を結びます。秘密保持契約も結ぶことにより、他社との競争にさらされず、独占的に業務を進めていくことになります。
この第一段階で、よくM&A仲介会社側の課題になるのは、企業の経営者が持っているM&Aへのマイナスのイメージです。
後継者に課題を抱える中小企業の経営者の多くは、1947年から1949年にかけての第1次ベビーブームで生まれた「団塊世代」。この3年間で生まれた人は800万人を超え、現在は70歳前後。経営者の座を次の世代に引き継ぐことを考えざるを得ない年齢で、M&A仲介会社の顧客になるケースが多い年代です。
「団塊世代」の一般的な特徴として、高度成長期やバブル経済のなか、終身雇用で安定した会社で勤め上げることが当然の時代に生きてきた人たちです。「金の卵」ともてはやされて中卒や高卒で集団就職した経験を持ち、その中からたたき上げで経営者にまで上り詰めた人もいるでしょう。他社を買収したり合併したりするM&Aをよく理解しないまま、感情的に嫌悪する人も珍しくありません。
論理的にM&Aの選択肢を提示しても、納得してもらえないケースでは、さまざまなアプローチで心理的な関係性を構築し、信頼して話を聞いてもらうことが肝心のようです。
2.マッチング
アドバイザリー契約を締結したら、買収を望む会社の企業価値を算定します。これをバリューエーションといい、公認会計士など第三者に算定を依頼します。
会社の現在の資産価値、会社の価値や中長期的な売り上げのポテンシャルといった定量的なデータは、財務諸表などから見定めます。数値的なデータだけでなく、市場での立ち位置や競合他社との比較といった定性的な分析も含まれます。
M&Aで考慮される企業価値で重要なデータに、買い手側のシナジー効果を含む「バイヤーズバリュー」があります。
こうしたデータを元にM&A仲介会社の担当者は、その企業を買収することによって、利益を得られる企業を探します。ここで作成した企業のリストを「ロングリスト」と呼びます。
ロングリストに入った企業に対して、M&A仲介会社の担当者は面談を申し込むなどのアプローチをしていきます。ロングリストの企業に、売却を検討している企業について情報提供し、買い手側が買収によって生み出せるシナジー効果についても検討しながら、ロングリストを「ショートリスト」にしていきます。
交渉相手の企業が絞れたら、社長同士の面談を設定します。M&A仲介会社は、両社に対して下交渉の経緯などを伝えますが、最終的には経営者同士で最良のパートナーを選択してもらいます。
3.エグゼキューション(実施)
M&Aの相手が決まると、売り手と買い手が最終合意に向けてお互いに協力し合うことを約束する基本合意契約を結ぶことになります。
その後は、売買価格の設定や、買収スキームの選定が課題となります。ここからは高度な専門技術を要するため、弁護士や公認会計士といった有資格者が加わり、プロジェクトチームとして対応していくことになります。
売り手側による売買価格の設定を「プライシング」といいます。第三者機関によるバリューエーションではじき出された企業価値をもとに売買価格を提示します。
買い手側はM&Aを最終判断するにあたり、買収監査 (デューデリジェンス=DD) を行います。公認会計士や監査法人が会社の実態を把握するために行う企業の精密検査で、それまで検討の前提となっていた資料(財務諸表や契約書など)の正確性、資産の実在性などを確認します。
買収監査を経て、とくに問題がなければ条件を確定し、最終契約へと進みます。
最終形約にあたっては、M&Aを実行する方法を決めなければなりません。これを「スキーム」と呼びます。スキームが違えば関係者が持つ権利や義務が異なり、手続きが違ってきたり、課税額が大幅に変わってきたりする場合があります。M&A仲介会社は、売り手にとっても買い手にとっても最適なスキームを提案しなければなりません。
スキームには、株式譲渡、第三者割当増資、事業譲渡、会社分割などがあります。
最終局面は、売り手は「高く売りたい」、買い手は「安く買いたい」という思惑が表面化しやすい場面です。折り合いがつかないと交渉が破綻してしまうこともあり、成約まで慎重なオペレーションが必要だといえるでしょう。
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