転職で失敗しないための履歴書の書き方は?マナー・注意点も解説

転職をする際に、多くの企業で選考の第一ステップとなるのが「書類審査・選考」です。業種やそれぞれの企業によって求められる書類は異なりますが、「履歴書」は転職希望者の仕事を含めたこれまでの経歴や人柄を知ることができる大事な書類なので、多くの企業で提出が必要とされています。

そこで今回の記事では、転職で失敗しないための履歴書の書き方について、項目ごとの内容や書く前に注意すべき点、書く際のマナーや提出方法などを詳しく紹介していきます。転職をするときの履歴書の書き方について知りたい人や、書くときに何に気を付ければ良いのか気になっているという人は、ぜひ参考にしてみてください。

転職をするときの履歴書の書き方

まずは、転職をするときの履歴書の書き方を、それぞれの項目ごとに解説します。履歴書は、多くの企業が転職希望者に提出を求めているため、数多く送られてきた履歴書の中から、「実際に会って話を聞いてみたい」候補者を選ばれるような内容にしなければいけません。

履歴書一枚で候補者の印象が決まる場合もあるので、基本的な書き方のマナーを守った上でポイントを押さえておくことが大切です。一つ一つ、項目とその書き方を確認していきましょう。

基本項目

まずは、一般的に履歴書の左上にある基本項目から解説します。ここでは日付や氏名、住所などを記入します。

日付の年号は西暦(例:20XX年)でも和暦(例:令和XX年)でも問題ありません。和暦で記入する際には、「令和」を「R」などと略さず、漢字の正式名称にしましょう。

また、西暦でも和暦であっても、学歴や職歴欄の年号の表記と統一してください。日付については、持参する場合は面接日、郵送する場合は投函日、メールで送る場合は送信日とします。

氏名は、苗字と名前の間にスペースを入れて読みやすくすると良いです。「ふりがな」とあればひらがなで書き、「フリガナ」とあればカタカナで記入してください。

住所は、市区町村からではなく、都道府県から記入します。郵便番号やアパート名、ふりがなの記入なども忘れないようにしましょう。現住所欄の下に連絡先欄がある場合、現住所と同じであれば「同上」と記載します。

電話番号は、固定電話がなければ携帯電話の番号でも問題ありません。日中連絡が取れるものを記載します。メールアドレスは、社用のアドレスは控え、日中確認できる個人のアドレスを記入するようにしましょう。

証明写真

証明写真は一般的に、横2.4〜3cm、縦3.6〜4cmのサイズで、3か月以内に撮影された、カラーで胸から上が写っているものを使用します。顔が髪などで隠れないようにして、好印象を与える表情や服装で撮影をしてください。

写真が剥がれてしまうこともあるため、写真の裏に氏名を記載しておくのがおすすめです。履歴書を書き損じる可能性もあるので、無駄にしないためにも、写真を貼り付けるのは最後にしましょう。

学歴・職歴欄

中途採用において重視されているのは、学歴よりも職歴です。そのため、小学校入学などから詳しく書くのではなく、最終学歴の一つ前から書くのが一般的とされています。最終学歴が大学なら、高校入学あたりから書くと良いです。

職歴は、正社員として務めていた企業を、時系列に沿ってすべて記入します。記載する内容は、会社名、業種、主な職務などです。詳しい実績は職務経歴書に記載しますが、応募する職種に関連する職務内容など、訴求できるものは漏らさず書きましょう。

先ほども解説した通り、学歴・職歴欄は基本項目の年号と統一してください。また、「高校」ではなく「高等学校」、「(株)」ではなく「株式会社」など、省略せず正式名称を記載します。

免許・資格欄

免許や資格は取得した時系列で書いても良いですが、応募する職種に関連するものから順に書くと、採用担当者が気が付きやすくなります。資格名は省略せず、正式名称で記載してください。また、資格の種類により「合格」「取得」など書き方が変わるため、あらかじめ確認しておきましょう。

志望動機・自己PR欄

志望動機欄には、「なぜその企業や職種を選んだのか」に加えて、「これまでの経験がどう活かせるのか」「入社したら自分に何ができるのか」「仕事に対する意欲」などを合わせて記入すると良いでしょう。特に、採用担当者は「なぜ自社なのか」「自社の強みを把握しているか」という点をチェックしています。

自己PR欄には、仕事で得た経験やスキルを具体的なエピソードや成果とともに記載すると、より魅力的になります。

趣味特技欄

仕事に直接関係がなくても、趣味や特技から応募者の人柄が分かる場合もあります。面接で話題になることも珍しくないので、できれば空欄にするのは避けましょう。「ランニング(毎朝30分走ることを5年間続けております)」など、具体的な数字を盛り込むと説得力が増します

また、ギャンブルなどは採用担当者の印象が悪くなる可能性もあるため、記載しないほうが良いです。

本人希望欄

本人希望欄は、希望年収などの待遇面を書くこともありますが、「貴社規定に従います」と書くのが一般的です。在職中の転職活動の場合は、連絡が取りやすい時間や方法などを記載しておくと、企業とスムーズなやりとりができるでしょう。

履歴書を書く前に確認しておくべきこと

続いて、履歴書を書く前に確認すべきことを紹介します。あらかじめ確認しておかないと、「書き終えてから間違っていたことに気付いた」という事態になりかねません。時間を有効に使うためにも、事前準備が大切です。

自分に合ったフォーマット・テンプレートを選ぶ

「履歴書」と一言でいっても、学歴・職歴欄の記入スペースが広いもの、志望動機の欄が広く取られているものなど、さまざまなタイプのフォーマット・テンプレートがあります。書きやすいタイプのものを選び、アピールしたい項目が広く取られている履歴書を選ぶと良いでしょう。企業によっては、履歴書のサイズやフォーマットが指定されている場合もあるので、あらかじめ企業の採用ページを確認しておくと安心です。

応募企業に合わせて作成方法を変える

以前まで履歴書は手書きで作成するものでしたが、現在ではパソコンでの作成が認められているところもあります。しかし一方で、「履歴書は手書きのみ」など、作成方法が決められている企業もあるので注意してください。

パソコンで作成するか、手書きで作成するか迷った場合は、手書きにするのがベターです。しかし、IT業界などのパソコンスキルが求められる仕事であれば、パソコンでの作成がアピールにつながることもあります。求人や採用ページで履歴書の作成方法の指定があるかを確認して、企業に合わせて作成方法を変えるようにしてください。

応募企業に合わせて内容を変える

転職活動で何社も応募しようとすると、どうしても履歴書の作成が面倒くさくなってしまいますよね。基本項目や学歴・職歴欄などは、どの企業に応募する場合でもほとんど変わりがないため、使い回してしまいたいと思う人は少なくないでしょう。

しかし、志望動機などは企業ごとに変える必要があるので、履歴書は使い回さないようにしてください。採用担当者は「自社ならではの強み」といった独自性を応募者がきちんと理解しているか、自分の経験やスキルと紐づけて考えているかなどを見ています。企業に合わせた内容にしないと、書類選考の通過率が大きく減少してしまうでしょう。履歴書は使い回さず、応募企業に合わせて内容を変えるようにするのが安心です。

履歴書を書く際のマナー・注意点

続いて、履歴書を実際に書くときのマナーや注意点を解説していきます。応募する職種に関連する経験やスキルがあるなど、履歴書の内容が応募先企業にとって魅力的だったとしても、書き方のマナーがなっていないと採用担当者からの印象が悪くなる可能性があります。

自身の経験や強みをしっかりと見てもらうためにも、以下の点に注意しながら履歴書を書き進めましょう。

一部の文房具は使用しない

履歴書を手書きで作成する場合、鉛筆・シャープペンシル、消せるボールペン、修正液などの一部の文房具は使用しないようにしましょう。鉛筆やシャープペンシルは、意図的に誰かが消そうとしなくても、文字がかすれて消えてしまう可能性があります。

同様に、消せるボールペンも摩擦などによって文字が消えてしまうリスクがあるので、履歴書は黒のボールペンで書くようにしてください。

履歴書の修正も、間違えたのが1文字であったとしても、できるだけ新しく書き直しましょう。修正液や修正テープを使って修正するのは見劣りするだけでなく、内容の信憑性も下がって見える可能性があるのです。

書き直す時間がなく、どうしても修正したい場合は、修正箇所に二重線を引いて訂正印を押します。なお、二重線と訂正印で修正する箇所は、基本的に1か所までです。2か所以上あると、採用担当者から「注意力が足りない」「事務処理能力が欠けている」と判断され、選考に悪影響を及ぼしかねません。

誤字・脱字・略字に気を付ける

どこか1文字でも誤字・脱字をしていないか、何度も確認しましょう。履歴書は大事なビジネス書類です。その書類に誤字・脱字があるというのは、自分が「注意力が足りない人」「大切なときに失敗してしまう人」とアピールしているのと同じことです。

誤字・脱字のチェックは、書き終えてすぐに行っても良いですが、時間を空けてチェックすると、書いているときには気が付かなかったミスを見つけやすくなります。

空欄・記入漏れをそのままにしない

履歴書のすべての項目において、空欄にはしないようにしましょう。空欄のままの場合、採用担当者が「書くことがなかった」のか「記入漏れ」なのかを判断できない可能性があるためです。

例えば、何も資格や免許を持っておらず、「免許・資格欄」に書くことがなかった場合や、賞罰欄に書くことがない場合でも、「特になし」または「なし」と記入しましょう。

ちなみに、全般的に記載する文章量は、記入欄の7~8割以上を目安にすると良いとされています。

また、学歴の入学・卒業年度が間違っていたり、職歴に記入漏れがあったり、所属年数が間違っていたりすると、故意でなかった場合でも「経歴詐称」と考えられてしまうことがあります。間違いや記入漏れがないか、入念に確認しましょう。

転職で履歴書を提出する際のポイント

自分や応募企業に合った履歴書を用意し、きちんと記入できたら、履歴書を提出します。提出方法は応募企業によって異なるため、必ず事前にチェックしておきましょう。

手渡しの場合

応募企業によっては、面接当日に履歴書などの応募書類を持ってくるようにいわれるところもあります。履歴書を渡す時点で印象を悪くしないためにも、履歴書はクリアファイルに挟んで無地の封筒に入れて持参しましょう。

封筒の表面に、応募企業の住所や担当部署名などを書く必要はありません。表面の左端に「履歴書在中」と赤字で記載し、裏面には自身の氏名と住所を記載します。

また、実際に履歴書を手渡しする際にも注意が必要です。受付などで渡す場合は封筒から出さずに提出しますが、面接官に直接手渡しする場合は、履歴書を封筒から出して相手に読みやすい向きにして渡します。いずれの場合でも、丁寧な所作を心掛けましょう。書類が折れ曲がったりするのを防ぐだけでなく、相手に与える印象も良くなります。

郵送の場合

郵送の場合も、途中で汚れたり折れ曲がったりするのを防ぐために、必ずクリアファイルに挟んでから封筒に入れてください。添え状や送り状(カバーレター)も合わせて書きます。添え状には送付した日付、宛先、住所、連絡先、送付する書類の名前などに加え、簡潔な志望動機などを書くと印象が良くなるでしょう。

郵送の場合は、封筒の書き方にも注意が必要です。表面には宛先(応募企業の住所、社名)に加えて、左端に「応募書類在中」「履歴書在中」などと記入し、裏面には自身の氏名と住所を記載します。切手は表面にまっすぐ貼りましょう。

また、郵送では、郵便料金が不足しないように気を付けなければいけません。提出期限が決められている場合は、確実に期限内に届くようにし、間に合いそうにない場合は速達を利用してください。

メールの場合

メールで応募書類を受け付けている企業もあります。履歴書のファイル形式が指定されていない場合は、PDFで送るのが良いです。PDF形式で送れば、他の人が内容を変えられないだけでなく、採用担当者がきれいなレイアウトのまま印刷できます。

また、大切な個人情報が含まれている履歴書なので、データにはパスワードを設定するなど、セキュリティ対策も行いましょう。また、ファイル名は特に指定がない限り、分かりやすく「履歴書+氏名(+日付)」とすると良いです。

メールを送る際には、他に埋もれてしまわないよう「応募書類提出の件/履歴書添付(名前)」「中途採用(○○職)応募書類提出の件(名前)」など、簡潔に内容と名前が分かるようにしてください。

メールの本文には、宛名、挨拶、氏名および簡単な自己紹介、履歴書送付の旨、結びの挨拶、署名を記載します。本文は長々と書かず、簡潔に記載しましょう。

宛名については、社名を省略せずに正式名称で記載することが大切です。担当者の名前が分からない場合は「採用ご担当者様」とします。

まとめ

転職時の履歴書は、一般的なマナーを守るのはもちろん、希望する業界や業種、またそれぞれの企業に合わせた作成方法や内容にすることが重要です。ぜひ、今回解説した内容を踏まえて、履歴書を作成してみてください。

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