インサイドセールスとテレアポの違いを3つの観点から比較して解説

近年、インサイドセールスという職種が注目されています。しかし、「名前は知っていてもどんな職種なのか分からない」、「大体の仕事内容は分かるけどテレアポと同じじゃないの?」と思っている人もいるでしょう。

 

この記事では、インサイドセールスと似ているテレアポとの違いを説明しながら、インサイドセールスの種類やメリットについて解説していきます。

 

インサイドセールスとテレアポの違いは?

インサイドセールスとは、非対面で相手の状況に合わせて臨機応変に対応しながら営業するスタイルです。それに対しテレアポは、「テレフォンアポインター」の略であり、電話(テレフォン)でアポイントを取る営業スタイルを指します。

 

これだけ見ると、内容としてはインサイドセールスのほうが多様な手段があることが違いのように見えますが、本当の違いは「目的」、「成果指標」、「時間」の3つです。以下でその違いを見てみましょう。

目的

インサイドセールスとテレアポのもっとも大きな違いとして、営業の「目的」が挙げられます。

 

テレアポの目的は、「より多くのお客様のアポイントの獲得」です。そのため、ノルマも「10人にアポイントを取る」、「100人に電話する」など、量が重視される傾向にあります。

 

一方でインサイドセールスの目的は、「見込み客の育成」です。見込み客とは、「購買意欲が高い」など、潜在的に購入してくれる可能性の高い顧客を指します。インサイドセールスは、この「見込み客」とさまざまな手段を用いて接点を持ち、購買意欲を高めることが目的です。

成果指標

前述の通り、「多くのお客様のアポイント獲得」が目的であるテレアポは、アポイントの「量」が重要であり、成果指標となります。そのため、「〜人以上のアポイント獲得」というのが成果指標としてもっともスタンダードです。

 

インサイドセールスでは「見込み客の育成」が目的であり、お客様にどれだけ「買いたい」と思わせるか、つまりセールスの「質」が非常に重要となります。

 

そのため、成果指標は「商談化」した数や「受注数」などの、顧客が商品を購入するまでのステップが指標として設定される傾向です。

 

時間

インサイドセールスとテレアポでは、一人のお客様にかける時間にも違いがあります。

 

テレアポでは、より多くの顧客にアプローチするため、できるだけ効率良く進めることが重要です。そのため、一人当たりの時間はできるだけ「短く」するように行うという特徴があります。

 

それに対してインサイドセールスでは、購入する見込みのある顧客をより購入に近づける営業の「質」が求められます。一人のお客様に対して、時間をかけてでも購買行動に近づける必要があるのです。テレアポよりもインサイドセールスのほうが、一人当たりの時間が「長く」なる傾向にあります。

近年インサイドセールスが注目されている理由

インサイドセールスは近年注目が集まっている営業スタイルです。インサイドセールスに注目が集まっている理由としては、主に以下の2つが挙げられます。

 

  • 営業が取りこぼした見込み顧客を拾い上げられる
  • 顧客の優先度を決める必要がなくなった

 

以下では、従来の営業スタイルを変えた上記の2つのポイントを解説します。

営業が取りこぼしている見込み顧客を拾い上げる

今までの営業スタイルは、テレアポでアポイントを取り、実際に訪問して営業をするというのが基本的な営業の形でした。

 

しかしこの方法では、営業担当はアポイントの「量」に注目するあまり、顧客との関係構築を疎かにしてしまいがちです。育成すれば購入してくれる顧客を取りこぼし、営業効率が低下してしまっていました。

 

そこで、インサイドセールスを行い「関係構築」のプロセスを実行することで、従来では取りこぼしていた見込み顧客を拾い上げることが可能となったのです。

顧客の優先度を決める必要がなくなった

フィールドセールスは、一度に顧客が集中してしまったときに顧客を取りこぼしてしまうケースも珍しくありません。しかし、インサイドセールスで今すぐに対応できない顧客との関係性を構築すれば、フィールドセールスが対応できるようになるまで顧客をつなぎ留めて、購買意欲を上げ続けた状態でフィールドセールスに引き渡すことが可能です。

 

インサイドセールスを導入することで、今すぐに対応すべき顧客とこれから対応していく顧客に優先度をつける必要がなくなります。その結果、潜在的な顧客の取りこぼしを防げるようになったのです。

 

インサイドセールスのメリット

従来の営業スタイルにおける、「取りこぼし」という課題を解決したインサイドセールス。具体的なメリットとしては、他にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

 

  • 顧客のニーズに合わせた提案ができる
  • 分業しながら効率的な営業ができる
  • 営業活動を管理しやすい

 

3つのメリットについて詳しく解説していきます。

顧客のニーズに合わせた提案ができる

インサイドセールスの目的は、見込み顧客の育成です。顧客のニーズを正確に把握して魅力を伝える必要があるため、時間をかけてヒアリングなどの情報収集を行います。

 

これによって、フィールドセールスの際に事前に顧客のニーズを把握できるため、顧客に合わせた提案が可能です。

 

顧客のニーズに合わせた提案は、受注率の向上につながります。また、その場で成約まで至らなくとも、収集した情報を生かして提案すれば、後の成約につなげることもできるでしょう。

分業しながら効率的に営業できる

インサイドセールスのメリットとして、分業しながら効率良く営業できることが挙げられます。

 

通常の営業は、顧客となる可能性のある潜在顧客を探し出してアプローチ施策を考える、その後コンタクトを取ってアポイントを獲得、訪問して成約というプロセスでした。

 

しかし、インサイドセールスを行えば、チーム内でこのプロセスを分担し、それぞれが効率的に改善・運用できます。これにより、無駄のない顧客アプローチを実現できるのが魅力の一つです。

営業活動を管理しやすい

インサイドセールスの3つ目のメリットは、営業活動を管理しやすいことです。従来の営業活動は、それぞれの営業担当へ属人化しており、まとめて実態や進捗を把握するのが難しい状況でした。

 

しかし、インサイドセールスでは分担されたチームでの営業管理が可能で、全体の実態や進捗を把握しながら営業活動ができます。また、それによって営業の力が個人に依存するのではなくチームの力となり、組織として営業の質も向上していくこともメリットの一つといえるでしょう。

 

インサイドセールスの業務内容

このように、多くのメリットのあるインサイドセールスですが、実際の仕事内容にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

インサイドセールスの業務範囲は明確に定まっておらず、企業によって異なります。しかし、一般的には「クライアント先に訪問しないで行う営業」が主な仕事内容です。

 

そのため、訪問以外の範囲での営業すべてに関わる可能性があります。マーケティングやフィールドセールスと完全に切り離されて顧客との関係構築のみを行う企業もあれば、マーケティング等の役割を一部担う企業もあるようです。

 

具体的な仕事としては、Web会議システムを通じた見込み顧客へのコンタクトやメール対応などが挙げられます。

フィールドセールスとの違い

インサイドセールスの業務内容について解説しましたが、フィールドセールスとは具体的にどのような点が異なるのでしょうか。フィールドセールスとの大きな違いは「対面か非対面か」という点です。

 

インサイドセールスは顧客と直接顔合わせをしない分、相手の表情や動きから情報を読み取るのが難しくなります。そのため、顧客から得られる情報はフィールドセールスよりも少ないです。

 

しかし、その分移動時間などがなく、より多くの顧客と商談できるというプラスの側面もあります。

インサイドセールスのタイプ

企業によってインサイドセールスの仕事範囲は異なると説明しましたが、これは大きく分けると3つに分類できます。

 

  • 独立型インサイドセールス
  • 分業型インサイドセールス
  • 兼業型インサイドセールス

 

これらの分類を理解していないと、転職の際に希望していない範囲の業務まで対応することになります。インサイドセールスへの転職を考えている方などは、この分類への理解が非常に重要です。

 

それでは、3つのタイプについて詳しく解説していきます。

独立型インサイドセールス

独立型インサイドセールスは、顧客との最初のアプローチから受注契約が成立するまで一貫して行うタイプです。

 

一般的な受注契約は、インサイドセールスの収集した情報を用いて、フィールドセールスが対面のコミュニケーションを行い受注契約が完了します。

 

しかし、その商品の価格が安いなど、価格や特性によっては非対面のみで受注が完了する場合があります。そのような際に、アプローチから受注まで一貫して行う独立型のインサイドセールスとなることが多い傾向です。

分業型インサイドセールス

分業型インサイドセールスとは、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスと営業プロセスが完全に分業されているタイプです。

 

潜在顧客の情報等をマーケティング部門が収集し、その情報を用いてインサイドセールスが顧客にアプローチを開始します。

 

そして、関係構築をして購買意欲を十分に高めた後にフィールドセールス部門に引き渡し、受注契約の成立へとつなげるのが仕事です。分業体制にすることで、効率的かつ組織的な営業体制が確立します。

兼業型インサイドセールス

兼業型インサイドセールスは、部門としてのインサイドセールスとしてではなく、営業のアプローチ方法としてのインサイドセールスを指す場合が多いです。

 

アプローチの手段としてインサイドセールスを行うため、基本的には営業として募集されています。また、フィールドセールスも同時に担当する必要があるでしょう。

 

この場合は、顧客との関係構築プロセスであるインサイドセールスをフィールドセールスと並行して行うため、関係構築が疎かにならないように工夫する必要があります。

インサイドセールスに求められるスキル

従来のフィールドセールスとは異なるインサイドセールスでは、どのようなスキルが求められるのでしょうか。基本的な営業に関するスキルの他に、特に求められる能力は以下の4つです。

 

  • 非対面でのコミュニケーション能力
  • ツールを活用するスキル
  • 顧客との関係を構築するスキル
  • 顧客のニーズを引き出す課題発見能力

 

以下でこれらについて詳しく掘り下げてみましょう。

非対面でのコミュニケーション能力

インサイドセールスにおいて、非対面でのコミュニケーション能力は非常に重要です。

 

フィールドセールスであれば、顧客の表情や態度から、顧客の思考や性格などのさまざまな情報を読み取ることができます。そのため、顧客との関係も築きやすいです。

 

一方でインサイドセールスは、非対面が中心なので、オンラインでも相手と打ち解ける能力や、画面越しで情報を読み取る能力が必要になります。これは、営業の中でもインサイドセールスならではのスキルといえるでしょう。

ツールを活用するスキル

インサイドセールスは、単なるコミュニケーション能力だけではなくツールを活用するスキルも重要です。

 

先ほども解説しましたが、インサイドセールスにおいて顧客の情報収集は非常に重要な事項となります。そして、その情報は常にリアルタイムで更新しなければなりません。

 

そのためにも、ツールの活用は欠かせません。クイックレスポンスや情報共有・管理においてツールを活用すれば、効率的なインサイドセールスが実現できます。

 

顧客との関係を構築するスキル

営業につなげるポジションであるインサイドセールスでは、見込み顧客との関係を構築するスキルが重要とされます。

 

営業の基本は、お客様との信頼関係の構築です。相手の信用なしに契約を取ることはできません。そのため、インサイドセールスでは収集した情報や非対面でつかんだ顧客の情報を元に信頼関係を築いて、相手の購買意欲を高めていくことが大切です。

顧客のニーズを引き出す課題発見能力

インサイドセールスのメリットとして、顧客のニーズに合わせた提案ができると紹介しました。

 

しかし、顧客のニーズを引き出すにもスキルが必要です。ヒアリングをする際に、顧客自身も気付いていないような課題を的確に引き出し、自社の製品がどう役に立つかを考える。このスキルによって、自社の製品を最適な方法で顧客に売り込むことができるのです。

 

この課題発見能力は、マーケティングなど幅広い業務において重宝されるため、磨いておくと非常に有利になります。

インサイドセールスは営業経験がないとなれない?

インサイドセールスは従来の方法と違うとはいえ、営業の一種です。そのため、「インサイドセールスへの転職を考えているけど営業経験がないから自信がない」という人もいるでしょう。

 

もちろん営業経験があったほうが有利にはなりますが、必ずしも必要なわけではありません

 

営業経験がなくとも、コミュニケーションに自信がある、ツールを活用した経験がある、などのアピールポイントがあれば、転職も難しくはないでしょう。また、業務をする中でスキルを磨いてインサイドセールスとして活躍することも可能です。

 

営業経験がない方は、自分の強みがどうインサイドセールスで生きるかをアピールできるようにしましょう。

インサイドセールスに転職するならサムライソウルへ

サムライソウルでは充実した転職支援サービスを提供しており、お客様の内定まで併走してサポートします。

 

また、実績に基づいた精度の高いマッチングも行っており、選考を通過するための実践的なノウハウも生かした選考対策も行うことが可能です。

 

幅広い求人を取り扱っているため、インサイドセールスの求人をお探しの方にも満足していただけるでしょう。インサイドセールスへの転職をお考えの方は、ぜひサムライソウルをご利用ください。

まとめ

今までの営業を変える職種として近年大きく注目されている職種であるインサイドセールス。これはテレアポと混同されがちですが、目的・指標・時間という観点で大きく異なります

 

また、独立型・分業型・兼業型の3つのタイプで業務の幅が変わるため、転職の際には注意が必要です。

 

インサイドセールスは顧客との関係構築や課題発見など営業経験が生きる場面も多いですが、必ずしも営業経験が必要なわけではありません。営業経験がないからと諦めるのではなく、自身の強みを整理した上で挑戦してみましょう。

 

インサイドセールスへの転職で自信がないという方は、サムライソウルにご相談ください。

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