企業は転職者の学歴を見ている|学歴に自信のない人が転職するには?
「学歴で人を判断するのは今の時代にそぐわない」と言われつつも、履歴書の記入項目には必ず「学歴」があります。勉強ができることと仕事ができることは必ずしもイコールではないと思いますが、学歴が高いことが就職活動に有利に働くこともまた事実です。
今回は、学歴と転職の関連性について紹介していきます。なぜ企業の採用担当者は候補者の学歴を見るのか、企業は学歴から何を読み取っているのか、学歴に自信がない求職者はどうすればいいのか、などについて見ていきましょう。
目次
なんで企業は転職者の「学歴」を見る?
そもそも企業はなぜ転職候補者の学歴を見るのでしょうか。職歴がなく業務上のスキルがまだわからない新卒採用と異なり、中途採用・転職においては求職者にも職歴があるため、学歴を見ずに社会人になってからのスキルだけで評価を行うことも可能です。その中で企業が学歴を見る理由を2つ紹介します。
- 1人ずつじっくり見極める時間がない
- 活躍している人材と学歴の相関性が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1人ずつじっくり見極める時間がない
新卒採用か中途採用かに関わらず、応募が殺到するような有名企業は学歴で足切りをすることがよくあります。企業の人事・選考担当者も、当然学歴の高さと仕事のパフォーマンスが完全に一致するとは思っていません。欲をいえば学歴で足切りせずに全ての候補者と面接して見極めたいのが本音だと思います。
しかし、候補者が何百人何千人という単位になってくると、全員と面接を行うのはまず不可能です。それどころか志望動機や職歴・スキル等に目を通すのも難しいという場合も多いでしょう。書類に目を通すのが難しい際にも、学歴であれば明確な基準が存在するため、その基準を決めてしまえば機械的に合否を決めることができるのです。
候補者が多い場合にじっくり会って話を聞く人を絞り込むために、学歴が基準となることは致し方ないともいえます。学歴が高いことは、中学生・高校生の時期に頑張った証です。勉強が好きな人は決して多くないと思いますが、そんな中でも勉強を頑張って受験の対策をして合格をしているわけですから、ガッツや継続力がある人材と考えることもできるでしょう。そういった観点から学歴を書類選考の基準にしているケースがあります。
活躍している人材と学歴の相関性が高い
企業が転職者に求めるものは、これまでの職務経験、スキル、仕事に対する価値観などさまざまですが、その条件の中に学歴そのものが含まれることはほとんどありません。しかし、採用後の活躍や定着の結果から「学歴」を判断基準の1つに含めるべきと考える企業も少なくありません。
「学歴が高い = 仕事ができる」、「学歴が低い = 仕事ができない」というのが100%成り立つわけではありませんが、学歴が高い人ほどその後活躍する可能性が高いという一定の相関性は、さまざまな企業で結果として現れているようです。
弊社とお付き合いのある求人企業様からも、下記のようなお話をよくお聞きします。
- 過去の”採用結果から見て”、学歴の高い人の方が、地頭が良くビジネスマンとしてのスキルも高い人が多い。
- 書類選考でふるい落とす基準にはしないが、“結果的”に通過しているのは学歴が高い傾向がある。
- 自社の”統計上”、自社の活躍人材と学歴の相関性が高いため選考でも考慮する。
断定はできないものの、可能性として学歴が高い方が活躍する可能性が高いのであれば、やはりすべての人と面接できないシーンにおいて学歴で書類選考をするのは合理的といえます。
転職者の学歴に対する評価
では、学歴が高いことと仕事ができることの間に一定の相関があるのはなぜでしょうか。ここでは、採用担当者が学歴が高い人に対してどのような評価をしているかについて解説します。
一定レベルの地頭の良さや性格を示す根拠となる
高度な数学や物理の知識や語学力などは求めずとも、仕事をする上である程度の地頭の良さや資質(知識欲、目標達成に向けた努力)は持っているに越したことはないでしょう。周囲とコミュニケーションする上で話をすぐ理解できる人となかなか理解できない人では前者の方がパフォーマンスは上がりやすいですし、ちょっとしたデータを扱う際に基本的な数値の扱い方、計算の仕方が頭に入ってる方が仕事はスムーズに進みます。
学歴が高いというのは、こういった論理的思考力や数学的な考え方が身についている可能性が高く、また地道にコツコツこなす作業への耐性も強く穏やかに仕事を進められる可能性が高いといえます。一定レベルを求める上では学歴が良い指標となるでしょう。
ネットワークで事業の幅や組織の成長につながる
高学歴な大学の卒業生には国家公務員や弁護士、医師、一流企業のビジネスパーソン、起業家など、いわゆるエリートと世間的にいわれるような人たちが多数います。
高学歴な大学に通っていると、そういった方々が知人にいるケースも多い傾向です。人脈の広がりやネットワークが強いとあらゆる側面で仕事を有利に進められますし、お互いの市場価値を高めるきっかけにもなります。
大学時代の友人知人が将来の重要顧客になったり、何かに困った際に手を差し伸べてくれるかもしれません。人脈はビジネスにおいて非常に重要なものになるので、高学歴な大学に所属していたことで得られる人脈・ネットワークのビジネス価値は非常に高いといえます。
学歴が重要視される業界・職種
転職者の人材評価軸として、学歴を特に重視している企業もあります。
- 総合商社
- コンサルティングファーム
- 広告代理店
- 通信インフラ
- 金融
上記の業界トップクラスの企業においては、「応募数が殺到しているため学歴で足切りをかける」「地頭の良さを期待している」という理由以外にも、学歴に対する「ブランド志向」が強いことも挙げられます。
その理由の1つが、世間のイメージとして上記の業界は一流大学出身の人が働いているイメージが強く、相対するクライアントもそれを当然と思っていることです。
例えば、コンサルティングファームのクライアントは、誰もが知っているような超大手企業ばかりで、その役員クラスの方は高学歴な方であることが大半でしょう。お互いに高学歴であることが前提なので、提案する内容そのものよりも、教養や海外経験といったコンサルタント自身のブランディングが重視されることもあるのです。
極端な話、「○○大卒のコンサルタントだから信頼できる」「高学歴じゃないコンサルタントのいうことはちょっと不安」というような意見も挙げられる可能性があります。学歴はクライアントからすれば信頼できるかの大事な判断軸にもなりえるため、ブランド志向として学歴も重要とされるのです。日本国内の大学を既に卒業しているのにも関わらず、コンサルタントとしての箔(ハク)を付けるために、ハーバード大学を卒業したという人もいるほどです。
このように、一部の業界・職種では、活躍できる人材の要素として学歴が重要視される場合があります。
学歴をあまり重視しない業界・職種とその理由
一方で、学歴を選考時にあまり重視しない業界もあります。下記のような業界が、その代表例といえます。
- IT業界
- 旅行業界
- 飲食業界
- 人材業界
- 不動産業界
では、なぜ学歴をあまり重視しないのかについて、2つの側面から見ていきましょう。
人手不足
1つ目はどちらかというとネガティブな理由ですが、人手不足で学歴によるフィルターをかける余裕もないというケースがあります。
冒頭の説明では、募集者が多すぎて全員と会うことはできないケースで学歴によるフィルターをかけることがあると書きましたが、逆に人手不足が深刻な企業においては学歴によるフィルターを全くかけずに全員と選考する可能性もあります。
スキルや能力重視
もう1つの理由は、学歴とパフォーマンスが相関しないという理由から、スキルや能力を選考の中心においていることもよくあるからです。
例えば、飲食業界では論理的な思考力や数学的な思考力はあまり必要ないかもしれません。しかし、飲食は高校時代からアルバイトでやっていたという人も多いので、学歴が高い人よりも高校時代から飲食業界にいた人の方がすぐに仕事を覚える可能性が高い傾向にあるのです。
IT業界でも、デザインやエンジニアリングにおいては学歴よりも実際にどの程度のデザイン・プログラミングができるかが重要視されます。そういった方々を書類で選考する際には学歴はあまり意味をなさず、過去に作ったものを実際にポートフォリオなどで見せてもらうほうが良いでしょう。
また、接客業なども学歴とパフォーマンスがあまり一致しない傾向です。机に向かって勉強しているよりも、アルバイトや友人関係などを通して普段から人とコミュニケーションを取る機会をたくさん持っている方を優先して採用したいという企業もあります。
このように、学歴があまり重視されない業界では、学歴と仕事のパフォーマンスの相関性が比較的低かったり、学歴以外に候補者のポテンシャルを見極める基準があるのです。
学歴に自信のない人が転職するには?
では学歴にあまり自信のない人は転職活動をどう進めれば良いのでしょうか。「もっと学歴の高い大学に行っておけば良かった」と後悔しても今更どうにもなりません。学歴に自信がなかったとしても、それだけでどの企業からも採用してもらえないということは決してありませんので、現状を元にどう対策を立てていくかが重要になります。
スキルや経験をアピールする
1つ目の方法はスキルや経験をより強くアピールしていくことです。「学歴が高い人より自分の方が活躍できる可能性が高い」ということを選考担当者に思ってもらう必要があるため、学歴以外のアピールポイントを作ります。
そのアピールポイントの肝となるのが、実際の業務で使用するスキルや経験です。先ほどの飲食の例だと、高校時代からアルバイトをしていることがアピールポイントになりますし、IT業界の例だとポートフォリオを充実させるのが重要といえます。
企業は学歴が高い人を採用したいのではなく、業務上活躍する可能性の高い人、企業の業績を伸ばしてくれる人を採用したいのです。そのための採用基準の1つとして学歴を使用しているだけなので、学歴がたとえ高くなかったとしても別の理由で活躍する可能性を感じてもらえれば採用につながるでしょう。
特に、書類選考においては1人の書類にそこまで長い時間をかけられない選考担当者も多いでしょうから、いかに一目で分かりやすいアピールポイントを作れるかが合否の分かれ道となります。
資格を身に付ける
スキルや経験のアピールは定性的なものになりがちで、どのくらい能力があるかの絶対的な基準があった方がわかりやすいのは間違いありません。
学歴もその基準の1つですが、世の中にたくさんある資格もその基準の1つです。
自身が選考を受けようとしている業界・企業・職種において取っておくと有利な資格がないかを確認しておきましょう。
ネットで調べるのも良いですし、その業界・企業に身を置く人に実際に聞いてみると良いでしょう。
転職エージェントに相談する
上記2つの方法を取るのが難しい場合は転職エージェントに相談してみるのが良いでしょう。転職エージェントは日々転職者の転職活動を支援している立場ですので、いわば「転職活動のプロ」といえます。
あなたのこれまでのキャリアや今後描きたいキャリア像を深く理解してくれた上で、どのように転職活動を進めるべきかアドバイスをしてもらうことが可能です。選考を受けようとしている業界・企業が学歴を重視しているのか、学歴的に多少不利になる際にどのようにすれば良いのかなどを把握した上でサポートを行ってくれます。キャリア設計や求人企業選びにお悩みの方は、プロに相談してみてください。
学歴に自信がない人はサムライソウルに相談
学歴にあまり自信がない中で転職をお考えであれば、ぜひサムライソウルまでご相談ください。サムライソウルは広告代理店やコンサルティングなどの仕事だけでなく、学歴を重視されにくいIT企業なども含めた、さまざまな業界の限定求人を多数取り揃えています。
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まとめ
今回は企業の採用担当者が学歴を見る理由や、学歴に自信がない中でどのように転職活動を進めるべきかについて解説しました。
「学歴が高い = 仕事ができる」というのは100%成り立つわけではありませんが、一定の相関性は見られるようです。そのため、全員に会って直接面接するのが難しいシーンにおいては学歴フィルターが使われることも致し方ないといえます。
一方で、学歴をあとから変えることは不可能ではありませんが、そうそう簡単にできることではありません。今のご自身の学歴と向き合った上で、たとえ選考で不利に働くことがあったとしても、他でどうカバーするかを考えていくことが重要です。転職を考えているが、学歴にあまり自信がないという方は、ぜひサムライソウルにご相談ください。徹底したサポートで、採用までサポートいたします。