上場によりリクルートの労働時間はどう変わったか?

新卒採用・中途採用いずれにおいても常に人気トップクラスの企業、リクルート。さまざまな事業を取り扱う成長企業で、優秀な人材も多いリクルートで働きたいと考えている人は多いでしょう。

 

しかし一方で、「リクルートの仕事は大変なのではないか」「激務と聞くけど実際はブラックなのではないか」などと不安に思っている方もいるかもしれません。そこで今回は、リクルートの残業時間やワークスタイルについて解説していきます。

リクルートは激務って本当?

2012年あたりから、リクルート各社では年間の労働時間を2440時間と決めています。年間の勤務日数が240日だとすると、1日あたりの労働時間は10時間。1日の残業は約2時間ということになりますので、18時定時の方の場合は平均して20時ごろに退社するという形式になるでしょう。もちろん残業が全くないわけではないですが、「激務」や「ブラック企業」というほどではないかと思います。

 

また、リクルートは働き方については個人の裁量を大きく認めていて、「本当は帰りたいけど空気的に帰れない」という雰囲気はありません。予定がある日は早めに切り上げることも可能なので、そういう意味では労働時間に過度に縛られるというケースは少ないといえるでしょう。

 

成長企業ですし、かなり多岐に渡る事業展開をしている分、1人1人の責任が大きく高いパフォーマンスが求められます。常にやることがたくさんあるため、その中で自らの労働時間を自らコントロールしていく管理能力が重要といえるでしょう。リクルートは仕事は多いですが、激務といわれるほどではないので、うまく調整しつつ業務を進めると良いです。

リクルートが残業が多いと思われる理由

世の中にはリクルート以上に残業時間が長い会社はたくさんありますが、その中で特に残業が多い印象を持たれているリクルート。その理由は何なのでしょうか。ここでは、リクルートが残業が多いと思われる理由を3つ紹介します。

 

  • 離職率が高い
  • 目標達成への意識が高い
  • 仕事への意欲が高い

 

それぞれの理由について見ていきましょう。

離職率が高い

残業が多いと思われる理由の1つが離職率の高さです。リクルートは離職率が高いため、「激務ゆえの離職率の高さなのでは」と思われてしまいます。離職率が高いのは本当ですが、それは激務ゆえというわけではありません。

 

なぜなら、リクルート自体がキャリアアップとしての退職(リクルート内では卒業といいます)を推奨しているからです。実際に働く社員たちも、ずっとリクルートにい続けるつもりはあまりなく、いつかは起業や次の挑戦のためにリクルートを退職しようという思いで入社している人が多い傾向にあります。

 

実際はそういったポジティブな理由での退職も多いのですが、離職率という数字だけ見るとネガティブな印象になってしまう可能性が高いのです。

目標達成への意識が高い

リクルートは社内全体で目標意識が高く、自ら努力をする社風があります。その結果、仕事内容が厳しいのではという印象になってしまう可能性があるのです。

 

特に営業組織が「ノルマ」に厳しいのではというイメージを持っている人が多いかと思います。ノルマに追われている営業パーソンほど激務で残業が長くなっている印象もあるのではないでしょうか。

 

しかし、リクルートの営業には「目標」はあっても「ノルマ」はありません。それらは似て非なるものです。リクルートの営業組織では、「ヨミ会」と呼ばれる営業目標達成のための進捗管理とネクスト設定を行う会議帯が機能しており、どうやったら目標達成できそうか、あとどれくらい行動が必要か、が明確になっています。

 

目標達成のために「ひたすら気合だ!」と長時間労働を推奨しているわけではありません。たとえ行動の結果未達に終わったとしても、未達の要因を客観的に分析して次に生かしていくという形式ですので、未達だったことを会社や上司からひどく叱責されることもありません。あくまでも、事業成長や個人の成長のために目指すべきラインとして目標が設定されています。

 

これも目標達成の意識を強く持っているからこそのもので、仕事の強制や長時間労働激務の理由にはなりえませんので、特別不安視する必要はなさそうです。

仕事への意欲が高い

前述の通り、リクルートには将来的に起業しようと志している人も多く、全体的に仕事が好きで自ら成長を望んでいる人が多いように感じます。そのため、会社から強制されているわけではなく、自らの意思で休日も自己成長のために仕事をしたり、仕事に使う知識をインプットするという方が多いのです。

 

これについては当然個人の自由なので、同じように休日もスキルアップのために使いたければそうするのも良いでしょうし、逆に休日はゆっくりしたい、遊びたい、という方はそのように過ごしても何も問題ありません。

 

仕事への意欲が高い方が多く、自由に仕事や仕事関連のインプットに時間を費やしているので、全員が強制されて激務というわけではないということは理解しておきましょう。

リクルート各社でワークスタイルに変革が起きている

リクルートでは以前からワークスタイルの見直しをしていましたが、近年の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、さらにワークスタイルに大きな変化が起きています。

 

以前までは特定の職種に限定していた「理由・回数を問わないリモートワーク」が、現在は出社しないと業務が遂行できない一部職種を除いて全職種に適用されています。フレックスタイムも導入されているため、働く場所と時間を個人の裁量で決めることが可能です。実際、2022年4月現在の1日の出社率は20%ほどとなっており、リモートワークが普及していることが分かります。

 

また、リクルートでは女性が働きやすい環境作りにも力を入れています。リクルート各社の中でも特に、ワークスタイル変革に力を入れているのがリクルートマーケティングパートナーズ(以降RMP)です。同社は結婚情報誌ゼクシィや赤すぐ、妊すぐというブランドでサービスを提供している会社になります。

 

これらのブランドを社内で支えているのは女性社員、特にワーキングマザーを中心とするママ社員です。編集長をはじめとするキーマンにも女性が多いため、いかにワーキングマザーが働きやすい環境を作るかということに会社をあげて挑戦しています。

 

同社は時短で働くワーキングマザーも多く、在宅ワークを推進したりとワークスタイル変革を積極的に推進しているのですが、中でも全社員に注力しているのが長時間労働の是正です。RMPの取り組みについては、後述の「リクルートのワークスタイル変革の事例」で紹介します。

リクルートが激務解消のために行っている取り組み

リクルートでは、2021年4月以降は通常の土日祝日の休みと有給休暇の他に、個人で取得する日を選択できる休暇を新たに付与しています。これにより年間で取得できる休日は約145日となり、平均すると毎週2.8日が休みとなるのです。

 

有休消化率も高く、父親の育休取得率も上がっています。働く場所や時間の自由と合わせて、休暇・休日を個人の裁量でこまめに取得できるのはとても良い環境といえるでしょう。

リクルートのワークスタイル変革の事例

上記で紹介したRMPのある部署では全員基本19:00退社です。仕事が終わらないケースは朝早くきて片付けるというルールを徹底しています。これにより、社員は19:00に基本的に一斉退社するというルールを可能にしているのです。

 

夜の時間を自己研鑽や異業種交流に当てたり、副業(リクルートでは基本的に副業が許されています)をしたりと、社員の見聞を広げる機会として有効活用されています。

 

終わらない仕事を朝の時間で巻き取るとはいえ、「それでも終わらない場合はどうするのか」という疑問を抱えている人もいるかと思います。仕事が終わらない、間に合わないものについては、仕事があふれているメンバーの業務・タスクを徹底的に洗い出して、重要度の高いもの、低いものに振り分けて、低いものは思い切ってやらないという選択をしているようです。

 

いくら会社で残業をしていないといっても、「早く帰って家で仕事している人もいるのではないか」と思ってしまう人もいますよね。しかし、RMPでは現在、ノートパソコンの稼働時間も含めて労働時間をモニタリングしているそうです。ここまで定められていると、労働時間の過少申告はできないでしょう。

リクルートで実際に働いている人はどう思っている?

ここでは、リクルートで実際に働いている人の口コミを紹介していきます。

 

  • 22時以降の残業は基本的に許可がないとできないので、滅多に残業をすることはないです。
  • プライベートも仕事も全力で取り組める人が多い印象があります。最近はテレワークが進んでおり、残業が多少あってもプライベートとの両立がしやすくなっています。
  • 自身の裁量である程度仕事ができるため、私生活との調整がしやすいです。

 

やはりワークライフバランスはとりやすいと考えている社員が多いように感じます。一方で裁量が大きい分、求められるパフォーマンスの基準も高くなるのは要注意です。単純に「ゆるい会社」というわけでは全くなく、個人が自らの責任と裁量をもって高いパフォーマンスを出すことが求められるので、「楽な仕事がしたい」という方には向かないと思っていたほうが良いでしょう。

リクルートは社員のことを考えた働きやすい職場

リモートワーク・フレックスタイム・休暇などのさまざまな制度を見るに、リクルートは社員のことを考えたとても働きやすい職場といえるでしょう。社員の多様性やプライベートを尊重しており、場所や時間にとらわれない働き方が可能です。

 

子育て中の社員も多く、産休・育休の取得も、子育てに合わせた勤務時間の調整もしやすい環境です。ただし、個人の裁量が大きいため、その分責任も大きいということには注意しておきましょう。

リクルートの基本情報

最後にリクルートの基本情報を紹介していきます。会社概要、平均年齢や年収、社風などを解説していくので、リクルートについて参考にしてみてください。

会社概要

リクルートの会社概要を紹介します。

会社名 株式会社リクルート
本社所在地 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー
代表取締役 北村吉弘
設立 2012年 10月1日 株式会社リクルートホールディングス設立時の分社化により設立

2018年 4月1日 株式会社リクルートに商号変更

従業員数 15,807人(2021年4月1日現在 / アルバイト・パート含)
資本金 3億5千万円

 

事業内容は多岐に渡っており、大きく人材領域と非人材領域の2つに分類できます。もともとは大手人材関連会社として発展してきた会社で、リクナビ等の人材媒体やエージェント事業を行っていました。非人材領域では、ホットペッパービューティーやSUUMO、ゼクシィ、じゃらんなどのオンラインプラットフォームを中心に運営しています。

平均年齢

リクナビに掲載されている情報によると、リクルートの平均勤続年数は6.2年、平均年齢は33.6歳となっています。この規模の会社の中では勤続年数も短く、平均年齢も若いことが分かります。しかし、こちらについてはあまりネガティブに捉える必要はありません。上記でも解説した通り、リクルートが会社の新陳代謝を高めようとしているゆえの結果となっているともいえます。

社風

リクルートの社風の大きな特徴としては「圧倒的当事者意識」があり、あらゆることに対して、「自分で考えて行動する」ことが推奨されます。とにかく自分で考えて行動することを促す社風なので、指示待ち人間では成果を出すのが難しいでしょう。

 

また、健全な競争の中でお互いが切磋琢磨するような関係性で、相手の課題や欠点をうやむやにせずにお互い率直に指摘しあうことを推奨しています。

 

このように当事者意識の強い個々が、適切にチームを巻き込んで成長しあいながら業務を推進していくことを奨励しています。レベルの高い人材が集まっているため、裁量も大きく自由度が高くなっているのです。

リクルートへの転職ならサムライソウル

リクルートへの転職を検討される際は、サムライソウルをご検討ください。サムライソウルでは、代表の粕谷含めリクルートグループ出身のコンサルタントが多数在籍しています。リクルートグループの経営戦略や企業文化を深く理解できているので、求人内容以上の情報から今リクルートがどんな人材を欲しているかを知り尽くしています。リクルートを知り尽くしたサムライソウルだからこそできるサポートも充実しているので、リクルートへの転職をお考えの方はぜひご相談ください。

 

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まとめ

以上、リクルートの残業時間やワークスタイルについて紹介しました。離職率の高さや目標達成意識の高さから、「リクルートは激務なのでは」と思われる方もいるかと思いますが、特別激務ということはありません。

 

むしろ働く場所や時間に関する制約が少なく、自らの裁量で働き方を決められるのはとても働きやすい環境かと思いますし、実際に働いている方々もワークライフバランスについては満足度が高いようです。

 

一方で、決して楽というわけでもない点には注意が必要です。優秀な人が集う成長企業ですので、個々に求められるレベルも当然高いといえますし、やらなければいけないこともたくさんあります。優秀な人と一緒に働いて自分も成長したい、自分の力を試したい、もしくは業界を変えたいという熱い思いを持っている方などにはぴったりの会社といえるでしょう。リクルートに転職したいという方は、ぜひサムライソウルまでご相談ください。

 

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