女性活躍のためにリクルートが行っている施策や工夫は?
リクルートは、リクナビ、ホットペッパー、SUUMO、じゃらんなどのさまざまな事業を展開している事業会社です。転職市場においても人気企業で、女性も多く活躍していることから女性人気も高い企業といえます。今回は、リクルートが女性活躍のために行っている施策や工夫を解説したいと思います。
目次
リクルートで活躍する女性の割合
株式会社リクルートのコーポレートサイト内「ダイバーシティ」ページの情報では、従業員の女性比率は48.5%となっています。平均勤続年数も男性6.1年に対して女性6.0年で、働く人の数、働く期間という2つの観点で、男女での差違はほとんど見られませんでした。
帝国データバンクのデータによると、日本企業の全従業員に占める女性の割合は26.5%とのことですので、リクルートの女性割合は日本の平均の2倍近い数値になります。やはり、リクルートでは多くの女性社員が活躍しているといえるでしょう。
活躍している女性が多い、子育てがしやすい環境が整っているなど、多く集まるだけのさまざまな理由があります。
リクルートが女性活躍のために行っている取り組み
リクルートは女性活躍を会社として推進しており、そのためにさまざまな取り組みを行っています。そのうちのいくつかを紹介していくので、見ていきましょう。
管理職全体の女性比率の増加
従業員の約5割を女性が占めるリクルートでは、「各役職における女性比率が、当社グループにおける女性従業員比率と同等である状態」を女性活躍推進の目指す姿として掲げ、その実現に向けてさまざまな取り組みを実施しています。
2006年時点の女性課長比率は10.3%でしたが、2018年4月までに女性課長比率を30%以上にする、という目標を掲げていました。実績はわずかに届かず28%でしたが、当初と比べるとかなり高まっていることが分かります。
現在は、2030年までに取締役・上級管理職の女性比率を約50%に高めることを目指すと発表しているため、今後の女性活躍が期待できるでしょう。
ワーキングマザー率アップ
リクルートでは、女性比率だけでなくワーキングマザー率も上がっています。2006年時点では、女性従業員に占めるワーキングマザーの割合は8.3%でしたが、2021年時点では30.7%まで上がっています。
事業所内保育園「And’s」(アンズ)を設立するなど(現在は閉園)、仕事と育児を両立しやすい環境を作ってきたことが、その理由の1つとして考えられます。後述しますが、時短勤務や休暇制度などが整っていることもワーキングマザー率が上がった要因といえるでしょう。
現在お子様のいらっしゃる女性の方、将来的に結婚や出産を考えている女性の方にとって、出産・育児のしやすい環境が整っている会社というのは就職活動・転職活動において非常に重要な要素となります。
リクルートのワーキングマザー率の高さはこの環境が整っていることを如実に表していますし、多くのワーキングマザーがいることで、お互いに情報交換したりというコミュニケーションも生まれやすくなるでしょう。
女性管理職向けのマネジメント・キャリア形成研修の実施
今後ライフイベントの節目を迎えることの多い女性従業員と、その上長を主な対象として、キャリア開発やマネジメント研修を実施しています。
女性従業員向けの研修である「Career Cafe 28」は、自らの強みを知り、伸ばしていくことで自らの市場価値を高め、いつ結婚や妊娠・出産などのライフイベントが起こっても自分らしく活躍できる選択肢を増やす方法を、外部講師から学ぶ形式となっています。
2012年から2020年までに累計で1,000名以上の女性が参加しており、「将来のキャリアに対する不安を解消できた」など、自身のキャリアを前向きに考えるきっかけとなっているようです。
また、女性従業員の上長を対象とする「Career Cafe 28 BOSS」も実施されています。こちらは経営戦略における女性活躍推進の意義や、女性メンバーの成長を加速させるために現場で実践できるマネジメントなどを学べる場です。2015年の開始から、累計920名以上の管理職が参加されています。
女性の営業職向け研修の開催
女性の顧客接点職向けの研修「エイジョカフェ」も行っています。こちらは、営業部門は女性課長比率が他と比べて低く、女性のロールモデルが比較的少なかったことから開催されるようになりました。女性管理職とパネルディスカッションを通して、営業における女性ロールモデルと出会える座談会をコンセプトに開催しています。
その他にも、VR動画で育児と仕事の両立を体験する「Be a DIVER!VR研修」といったコンテンツもあり、さまざまな研修が開催されています。
女性幹部を育てるためのリクルートの工夫
女性活躍推進法の後押しもあり、リクルートでは女性活躍に向けて制度や仕組みが整備されています。ここでは、その具体的な工夫を2つ紹介していくので、見ていきましょう。
- 候補同士のつながりを作って相談しやすい環境にする
- 若いときから経験を積ませて成長を促す
それぞれ詳しく解説していきます。
候補同士のつながりを作って相談しやすい環境にする
女性幹部を育てるのは、多様な視点を持った経営・組織を作るために有効な手段です。女性リーダーを育成するために、研修の実施だけでなくチャレンジポストへの積極的な任用をしています。
また、メンバーから管理職・役員まで各リーダー候補同士がつながりを持てる場を作っており、相互に相談できる関係性作りも支援しています。女性の場合は、妊娠・出産などのライフイベントや、育児時間を確保できるか、などの観点から昇進を打診されても「どうしよう」と悩んでしまう人もいるでしょう。
男性上司に相談してもどこかピントのずれた回答に感じる、でも周りに同じ境遇の女性がいなくて女性に相談しづらい、という悩みや不安を抱える方もきっと多いはずです。リクルートの女性幹部候補同士をつなげる取り組みは、このようなワークライフバランスの取り方に関しても気軽に相談できますし、色々な情報交換ができることで大小さまざまな問題を解決につなげられる効果が期待できます。
若いときから経験を積ませて成長を促す
女性は出産などのライフイベントもあり、一時的にキャリアの空白期間ができてしまうこともあります。仕事における成長やキャリア構築は常に時間との戦いとなるため、ライフステージの変化に先回りした経験・成長を意識する必要があるかもしれません。
リクルートは年功序列で昇進が決まる会社ではないので、しっかり成果を出すことで若手の時代から責任ある立場を経験できる可能性があります。また、入社後から数年で複数のジョブローテーションを経験することも可能ですし、そこで成果が認められればリーダー職も任されます。
20代、30代前半の間に他社では経験できないような濃密なキャリア経験を積めることによって、産休・育休を取得したとしても周囲の同年代とは比べ物にならないスキルを持っていられる可能性が高いのです。
女性が働きやすいリクルートの福利厚生
福利厚生の観点でも、リクルートは女性が働きやすい環境を整えています。ここでは女性が働きやすいリクルートの福利厚生として、下記の3つの点を解説していきます。
- 時短勤務制度
- 給与制度
- 休暇制度
制度ごとに詳しく見ていきましょう。
時短勤務制度
リクルートでは時短勤務申請をすれば1日5時間、月間100時間での就労も可能です。お子様が生まれたばかりのときは、長い時間保育園に預けるのが難しいケースもありますし、家事の時間を確保できず寝不足が続くこともあります。時短勤務を個人の生活に合わせて活用できるのは、とても働きやすい環境といえるでしょう。
また、時短勤務だけでなくフレックスタイムも導入しているため、働く時間については個人の裁量で柔軟に決められます(部署や職種にもよりますが)。例えば、9:00〜16:00で一旦勤務したのちにお子様を保育園に迎えにいき、育児をしてお子様が眠った後に21:00ごろから仕事を再開する、といった働き方も可能です。育児中はどうしても働ける時間が限定されてしまうので、時間にある程度の自由がある制度は助かりますね。
給与制度
時短勤務制度を整えている会社は今の時代そこまで少なくないと思いますが、リクルートでは時短勤務であろうと給与が変わらないというのが大きなポイントです。リクルートの給与制度はミッショングレード制と呼ばれており、担っている業務や職務に応じて等級をつけて給与水準が決められます。そこに、「何時間働いているか」という概念はありません。
もちろんしっかり仕事で成果を出すことが前提となるわけなので楽な話ではありませんが、何かと出費も多い子育てにおいて給与を減らさずに時間をうまく調節できるのは、ワーキングマザーにとってありがたい制度といえるでしょう。
休暇制度
リクルートでは独自の休暇制度も多数揃っています。その1つが出産育児休暇です。こちらは妊娠〜育児期間のさまざまなシーンで活用できる休暇で、初回付与時点での末子の年齢と週所定勤務日数に応じて最大40日付与されます。お子様が12歳になる年度の3月末まで利用可能です。
また、ケア休暇という家族のケアの際に使用できる休暇もあります。子供が熱を出して看病する際などに使えて、いざというときも安心です。週所定勤務日数に応じて最大年5日付与されます。
これとは別に年次有給休暇もあるのですが、有給休暇は未消化分を40日分積み立てておけるストック休暇という仕組みもあります。このように、リクルートは休暇制度がとても豊富です。
暦上の休日や有給休暇とは別に、取得する日を自分で決められる年間休日を増やすことで年間の休日を145日としています。これは年間平均で週休2.8日となる数字なので、事実上週休3日に近い働き方が可能なのです。
リクルートはワーキングマザーが働きやすい環境
このように、リクルートではワーキングマザーにとって働きやすい制度や環境がかなり整っているといえるでしょう。その結果が、前述したワーキングマザー率が上がっているという事実に出ています。
また、ワーキングマザーにとって働きやすい環境が整っているということは、現時点でお子様を持っている女性のみならず、今後結婚・出産を考えている女性にとっても入社しやすい環境ということになります。
実際に産休・育休取得後にリクルートで働き続けているワーキングマザーも多く、彼女たちの多くが「働きやすい」という印象を持っているのです。
リクルートで実際に働く女性の活躍事情
以前リクルートへの転職をご支援させて頂いた方に、大手通信会社で企画をされていた女性の方がいました。
その方は営業で優秀な実績を残して企画に異動したものの、出産と産休を経て職場へ復帰したら「ワーキングマザーだから」という理由で、出産前にこなしていたレベルの仕事を振ってもらえなくなり、第一線の仕事から離されたそうです。
この大手通信会社というのは誰しもが知っている大企業ではありますが、まだまだ女性が活躍するという環境が整っておらず、また管理職に女性が極めて少ない環境でした。その環境が、この女性を転職に踏み切らせた理由でもありました。
その後、この女性はリクルートグループに転職し、再び第一線で活躍しています。現在リクルートグループでは女性の活躍が目覚ましく、さまざまな分野、ポジションで活躍しています。
執行役員で事業責任者として活躍されている方もいれば、執行役員をしながら自分の会社も経営されている2児のワーキングマザーの方などもいらっしゃいます。リクルートグループ全体でいえば、一人ひとり挙げていてはきりがないほどです。
リクルートの新卒採用サイトでは、女性活躍に関するページが設置されています。こちらのページには実際に出産を経験されながらもキャリアアップを達成している女性社員の方のインタビューが掲載されているので、生の声を見てリクルートで活躍する女性のリアルを知りたいという方はぜひご覧ください。
リクルートでキャリアを目指す女性はサムライソウルに相談
リクルートへの転職を検討される際は、サムライソウルにご相談ください。サムライソウルはリクルートグループ出身のコンサルタントが多数在籍しており、リクルートグループへの転職実績が業界トップクラスです。リクルートへの転職を考えているワーキングマザー、リクルートで管理職として働きたい女性など、子育てと仕事を両立していきたい方は、ぜひサムライソウルをご利用ください。
まとめ
この記事では、リクルートが女性活躍のために行っている施策や工夫を紹介しました。リクルートはさまざまな女性活躍の施策・工夫を行っており、その結果が女性従業員率やワーキングマザー率などの数値に表れているようです。
出産・育児などのライフイベントを安心して迎えられて、仕事とプライベートを両立しやすい職場環境のお探しの方は、リクルートへの転職を検討してみると良いでしょう。サムライソウルでは、リクルートへの転職をサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。