ブラック企業の見分け方は?求人や面接で見るブラック企業の特徴

働き方改革が進んでいる今でも、ブラック企業と呼ばれる会社は残っています。そのため、「ブラック企業から転職したい」「転職先がブラック企業かどうか見極めたい」とお悩みの方も少なくないでしょう。

 

この記事では、ブラック企業の見分け方、求人票や面接からブラック企業を見分ける方法、ブラック企業になりやすい業界などを解説していきます。「ブラック企業で働くのは嫌だ」と思っている人は、ぜひ記事を参考にしてみてください。

ブラック企業を明確に定義するのは難しい

そもそもブラック企業とは、どういった企業を指すのでしょうか。ブラック企業は千差万別で、人によって解釈が異なります。

 

厚生労働省では、ブラック企業について下記のように言及しています。

 

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などといわれています。

参考: 厚生労働省 Q&A

 

このことから、ブラック企業は「法令が順守されていない企業」と判断できますが、こういった法令違反を除いては、その人によってブラック企業の解釈が異なります。例えば、相手から求められていない商品やサービスを売り込まないといけない営業の仕事を苦痛にしか感じない人もいれば、「仕事だから」と割り切って通せる人もいるでしょう。

 

働いている人のクチコミや世間の評判から、「ホワイト企業だと思って入社した職場が、自分にとってはブラック企業だった」ということも十分起こり得るのです。

 

ブラック企業の見分け方は?

では、厳密な定義があるわけではないブラック企業を見分けて避けるためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、ブラック企業の見分け方を大まかに2つ紹介していきます。

 

  • 自分が転職先に求める条件や基準を整理する
  • 情報経路は複数確保する

 

それぞれ見ていきましょう。

自分が転職先に求める条件や基準を整理する

まず、「自分は何をもってブラック企業と考えているか」という判断基準を自分で設定するところから始めてみましょう。今の会社で何を嫌だと感じているのかをリストアップして、転職先に求める条件に優先順位を付けていきます。

 

転職先に求める条件が1つだけとは限らないのと同様に、1つの転職先で全ての希望を叶えられるとは限らないので、優先順位が高い条件に当てはまる求人を探すことを意識しましょう。

 

また、転職先の企業には、現職の嫌な点をネガティブに伝えるのではなく、「自分はこうしたいが、今の会社では実現できない」と、自分の言葉でプラスに変換することが大事です。

 

例えば、前述した「相手から求められていない商品やサービスを売り込まないといけない」のを避けたいのであれば、「顧客に価値のあるものを提案したい」というようにプラスに変換して言語化します。

情報経路は複数確保する

自分にとってのブラック企業の定義を整理し、転職先に求めるものを明確化できたら、次はその条件を満たす求人を探します。転職先が自身の定義するブラック企業かどうかを見分けるためには、自ら積極的に情報を集めなければなりません。情報を収集する具体的な方法としては、下記の5つがあります。

 

  • 求人サイトや企業のコーポレートサイトで求人案件をチェックする
  • 面接時などに実際の職場環境を見る
  • クチコミサイトで実際に働いている人の企業レビューを調べる
  • その企業の現職社員や過去に働いていた知人の話を聞く
  • 転職エージェントに自分が企業に求める条件を伝えて、行きたい企業の情報を教えてもらう

 

ここで大切なのは、「1つの情報源に頼り切らない」ことです。冒頭でも言及した通り、ブラック企業の解釈や求職者が転職先に求める条件は人によって異なります。

 

クチコミサイトでは、転職でその会社をすでに退職済みの人(もしくは退職予定者)による企業レビューが多く、過度にネガティブな意見や個人的な感情を伴う偏見の情報になってしまっている場合があります。

 

また、良い情報が書き込まれていたとしても、その書き込みをした人にとって相性の良い会社だっただけで、自分にはマッチしないという可能性も考えられるのです。

 

できるだけ複数かつそれぞれ立場の異なる人からの情報を得て、企業に対して多角的な視点からの情報収集を心がけるようにしましょう。

 

求人票で分かるブラック企業の見分け方

何度も書いている通り、ブラック企業かどうかの基準は人によってさまざまなので、一律に「こういう会社はブラック企業だ」と言い切ることはできません。しかし、求人票から「もしかしてブラックかもしれない」と判断するために注意すべき部分がいくつかあるので、ここでは、求人票で分かるブラック企業の見分け方を解説していきます。

 

  • 給与に幅がある
  • 能力よりも「熱意」を重視している

 

それぞれのポイントを見ていきましょう。

給与に幅がある

給与に幅がある、または同業界と比べて異様に給与が高い求人は要注意です。

 

例えば、300〜1,000万円と記載されていると、「1,000万円も可能な会社なんだ」と思われるかもしれませんが、理論上可能なだけで実際1,000万円払っている社員はいない、現実的には下限値に近い給与の人が大半、という可能性があります。

 

また、一見高そうに見える給与でも、基本給と呼ばれる部分は低く、インセンティブやボーナス分が大部分を占めている場合もあります。こういった求人では、どういう条件でインセンティブがもらえるのか、その条件は現実的なのかをしっかり確認しておくことが大切です。

 

また、同業界と比べて異様に給与が高いケースでは、単純にその企業に優秀な人が多く、業界のトップランナーであるなら話は別ですが、そうでない場合は給与を魅力的に見せておいて、高い給料の代わりに毎日深夜まで残業が当たり前といった企業の可能性もあるので注意してください。

能力よりも「熱意」を重視している

退職者が多く出るブラック企業は常に人手不足です。慢性的な人手不足を解消するために、ブラック企業は採用面において能力的なハードルをなるべく設けずに人材を集めています。

 

そのため、求人票の条件面にはスキル的な条件があまり載らず、その代わりに気合いや熱意、意欲などの精神面を要求している求人には気を付けてください。これは「相当きつい仕事だけどそれを乗り越える熱意を持っている人」という意味で書いていることも多く、単純にハードワーク耐性がある人をなるべくポジティブなワードで誘っているとも取れます。

面接で分かるブラック企業の見分け方

次に、面接時にブラック企業かどうかを判断するためのポイントについて見ていきましょう。面接の際には、下記の2点に注目してみてください。

 

  • 詳細な労働条件を説明しない
  • 内定結果が出るのが早い

 

それぞれのポイントを解説していきます。

詳細な労働条件を説明しない

まず、詳細な労働条件を説明しない企業には注意が必要です。長時間労働が当たり前になっていたり、残業代があやふやになっていたり、インセンティブやボーナスの基準があいまいだったり、細かく説明すると候補者にネガティブな印象を与えてしまう可能性があるがために、詳細を説明せずに乗り切ろうとしている可能性があります。

 

少しでも違和感を覚える部分についてはしっかりとクリアになるまで質問を重ね、あやふやな回答をされたり妙にはぐらかされるように感じる場合は思い切ってその企業を見限った方が良いでしょう。

内定結果が出るのが早い

ブラック企業は常に人手不足なので、一刻も早く入社してくれる人を見つけたいと考えています。選考も名ばかりでほとんど全員合格という形式の企業もあるので、あまりに選考がスムーズに進むようだったり、あまり見極められた感覚もなくほぼ無条件にトントンと話が進むようであれば、逆に警戒した方が良いでしょう。

ブラック企業になりやすい業界

もちろん業界全ての企業がブラックということはありませんが、どうしても業界構造上ブラックになってしまいがちな業界がいくつかあります。

 

特に慢性的な人手不足に陥りがちな業界、労働集約的で人が時間をかければかけるほど成果につながる業界は、少ない人数を長時間働かせることで何とか持っていることも多く、ブラック化しやすい傾向にあります。

 

今回はブラック企業になりやすい業界を5つ紹介するので、これらの業界への転職を考えている方は、特に転職先の企業をチェックしてください。

不動産業界

商品力の強い大手デベロッパーであれば話は別ですが、賃貸業や投資用不動産の営業部門などは、とにかく営業力勝負なのでブラックに陥りやすいです。商品力で他社との差別化ができない以上、他社に勝つためには人力で何とかするしかありません。

 

その結果、とにかく1人1人のお客様のために時間を使ってさまざまな調べ物をしたり、1人でも多くのお客様にアプローチできるよう朝から晩まで電話をかけたりと、ひたすら時間を使って成果を出すために必死にならざるを得ない可能があるため、注意しましょう。

飲食業界

飲食業界は参入障壁が低いため、とにかく競合が多く、その分人手が足りていない企業も多いです。一方で、店舗の広さを拡大することが基本的にできないので、売上を伸ばすには客単価を上げるか営業時間を伸ばすかしかありません。

 

客単価を上げるのは、戦略性、商品力、プライシングなどのさまざまな要素が絡み合うため、実際に上がるかは難しいポイントです。しかし、営業時間を伸ばせば基本的に売上自体は伸びるので、人手が足りないのに勤務時間ばかりが長くなり、1人あたりの労働時間が伸びていくのも致し方ないといえます。

アパレル業界

アパレル業界も飲食と特徴としては似ていて、参入障壁の低さから競合との人材との取り合いや価格競争が起こりやすい業界です。そのため、人材不足が起こりやすく、1人あたりの労働時間が増加してしまうことが多くなっています。

教育業界

教育業界もブラックになりやすいといえます。特に学校の先生は、生徒の授業時間だけでなく、各種報告・日報業務を抱えていたり、授業の準備、試験の採点、宿題チェックのような授業以外の業務を抱えています。また、部活動の顧問になると土日も拘束されることもあり、ほとんど休みがない先生もいます。

保険業界

不動産業界と同様に、ノルマが厳しいことが多い業界です。とにかく営業の行動量に成果がかかっているため、ノルマを厳しく設定し、行動量を担保しています。とにかく電話、営業の繰り返しなので、営業が得意でない人には辛い業界かと思います。

ブラック企業を見分けるなら転職エージェントの利用がおすすめ

求人票や面接でブラック企業を見分けるコツと、ブラック企業が多くなりがちな業界について紹介しました。とはいえ、やはり冒頭に記載した通り、ブラック企業には厳密な基準があるわけではありません。

 

情報収集経路を多く持つためにも、ブラック企業を避けて転職活動を安全に進めるためにも、転職エージェントの利用を検討してみてください。

第三者的な視点で判断してくれる

転職エージェントは、求職者が現職で不満に感じていることを聞いて転職先に求める条件の優先順位を整理した上で、求職者のニーズを叶える求人案件を提案します。

 

このとき、求職者は他の会社や業界に詳しくない求職者には、「その条件であれば現職を続けた方が良いのではないか」「他の会社に転職しても大して条件は変わらない」という提案をする場合もあります。

 

転職エージェントは、求人企業の人事だけでなく、現場社員や経営幹部と直接やり取りをし、深く長い関係性を築いています。

 

求職者が定義するブラック企業への転職を回避できるだけでなく、本人が転職先として希望する企業や適性があると判断される企業がどういった人材を求めているか、どんな判断基準をもって求職者を見ているのかということも把握した上で、求職者をサポートできるのです。

求職者をブラック企業に転職させるメリットがない

転職エージェントに求人を掲載している企業は、転職エージェントから紹介された人材の採用が決まると、その転職エージェントに手数料を支払います。また、転職エージェントは、転職させた人が早期に退職してしまった場合に、その企業に対して返金しなくてはなりません。

 

そのため、転職エージェントには、間違った情報や嘘を使ってまで求職者を転職させるメリットがないのです。現職に対する不満や転職先に求める条件、将来実現したいことをしっかりと伝えれば、100%とまでは行かなくても、希望や目的に沿った求人企業を見つけることができます

優良企業への転職ならサムライソウルまで

ブラック企業を回避し、優良企業へ転職したいとお考えであれば、ぜひサムライソウルにご相談ください。

 

さまざまな企業の求人を取り扱っているだけでなく、企業の内部情報まで詳しく理解した上で求職者に紹介しています。そのため、勤務時間や残業の有無、職場の雰囲気などを知りたいという方も、お気軽にご相談いただけます。

 

優良企業へ転職したいという方は、ぜひ下記のフォームからサムライソウルにお問い合わせください。

 

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まとめ

ブラック企業に明確な定義はないので、まずは自分が働きたくない職場の条件を挙げて、優先順位を決めるのがおすすめです。さまざまな求人の中から、自分の理想の企業を探したいのであれば、自分で挙げた優先順位を考慮しながら選びましょう。

 

自分の条件に合う優良企業を探したい、転職先の内部情報を詳しく知りたいという方は、ぜひサムライソウルにご相談ください。

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