リクルートの面接でよく聞かれること~過去編~
リクルートは、グループの時価総額が10兆円を超える、今や日本を代表する企業の1つです。そんな転職市場においても常に人気度が高いリクルートの、面接時によく聞かれる質問を紹介します。
面接時の質問は大きく分けると、候補者の「過去」「現在」「未来」について聞く3種類の質問に分類できます。その中でも本記事では「過去」に関する質問に焦点を当てて説明していきたいと思います。
目次
リクルートの面接内容
リクルートの面接では、あなたのスキルや今後のキャリア展望などはもちろん、あなたの個性・価値観について深堀されるような突っ込んだ質問をされます。
面接では「過去」について深掘りされる
その人の軸となる価値観は何かを知る上で有効なのが、候補者の「過去」について聞く質問です。例えば、
- なぜこの大学に行こうと思ったのか
- なぜ新卒でその会社に就職したのか
- どういう軸で就職活動をしてきたのか
単に大学名や社名を確認して、その中でどういうことをしてきたかを聞くだけではなく、人生におけるさまざまな選択の中であなたが何を重視し、どうやって選んできたかを面接官は見極めています。小中高時代までさかのぼって聞かれることもよくあります。
これらの質問を通して、面接官は下記の3つの観点を見ています。
- 思考の深さがあるか
- 内省することができるか
- 向上心を持っているか
思考の深さについては、過去の選択が人からの指示に従っただけではなく、しっかり軸や自分の想いを持って選択しているか。内省は、過去の経験を振り返り次に生かすことができているか。向上心については、困難や壁を機会ととらえて成長に貪欲になれているか、という点を見ています。いずれもリクルートで成果を出す人材として不可欠な要素です。
面接の質問の具体例
例えば、「就職活動時にどのような軸で企業選びをしていましたか?」といった質問を受けたとします。こういった質問に対して、軸がふわっとしていたり、ブレたりしているとあまり良い印象になりません。
「私は、入社直後から裁量を持って働ける、市場規模が大きく社会的インパクトの大きい事業を行っている、IT/Web業界の企業を軸に企業選びをしていました。この軸で選んだ結果◯◯社、▲▲社、◆◆社などの選考を受け、お話した社員の方々の想いや印象から最終的に◯◯社を決めました」
といった形で、いくつかの具体的な軸を提示しつつ、その軸に沿って企業探しをしっかりしていたことが伝わるように複数選考を受けた企業を伝えられると、しっかり思考しながら自身の人生の選択ができているという印象を与えられるでしょう。
面接の質問の実例
上記で解説した例の他にも、過去に関する質問の実例をいくつか紹介します。
・なぜ◯◯部に入ろうと思ったのですか?またなぜ日本一を目指そうと思ったのですか?
努力した経験に対して、なぜそれを努力しようとしたかを聞くことでその人が大事に考えているものや価値観を捉えるための質問です。
「日本一を目指す」と何となくいっている人も多いと思いますが、そこに対してしっかり目的意識を持って取り組めているかが重要ですし、なぜその強い目的意識を持っているかの動機の部分が、その人の価値観を表しています。そのため、リクルートでは、なぜその目標を目指したのかということを理解しようとするのです。
・過去に最も苦労したことは何ですか?またそれをどう乗り越えましたか?
業務上で困難にあたったときに、合理的に挫けずその困難に立ち向かえる人材かを判断するための質問です。
どんな苦労だったかを簡潔に説明しつつ、それをどう乗り越えたかの部分を丁寧に説明しましょう。その際、その困難を乗り越えることを他責にせず自分ごととして捉え、合理的な判断と実行力を持って乗り越えたエピソードがあると良い印象を与えられるでしょう。
・現職でもっとも貢献したことは何ですか?
過去の職歴について成果や実績を確認する質問です。現在募集しているポジションにマッチした人材かを見極めるためにしている質問なので、募集ポジションを把握しておきながら、そのポジションでも活用できそうな貢献内容で、大きな成果を残したものについて話すと良いでしょう。
・現職で成果を出せたのはなぜですか?
現職の成果は、実は上司から指示を受けて自分は作業してただけで成果が出た、という場合もあります。しっかり候補者が自らの力で考え、行動して成果を出せたのかを聞いている質問です。
運やタイミング、誰かの指示ではなく、課題設定や背景の把握からどのようなプロセス・思考を経て成果につなげられたのかを答えましょう。
その他に聞かれることが多い面接の定番の質問
上記では、リクルートでされることが多い質問の例を紹介しましたが、ここからは面接の定番の質問について見ていきましょう。リクルート独自の質問への対策をすることも大切ですが、定番の質問への対策もしっかりと行うようにしてください。
自己紹介
大抵の面接で最初にいわれるのが「簡単に自己紹介をしてください」という質問です。このとき、特に何も考えず自分のしたいように「簡単に自己紹介」をしてはいけません。大抵は最初に自己紹介を求められ、この自己紹介をきっかけにさまざまな質問で深堀されていく形になるので、この自己紹介で面接の方向性が決まることになるでしょう。
そのため、自己紹介においては、
- 深掘りされた際にしっかり詳細に話すことができるエピソードで、自分の価値観やこれまでの経験を象徴していると思う出来事
- 募集企業や募集ポジションに求められているであろう価値観やスキルで、自分が持っていると思っているもの
などを中心に話すと良いです。
志望動機
次によく聞かれるのが志望動機です。面接官が志望動機を候補者に聞く理由はいくつかあります。まず1つが、「この候補者は情熱を持って弊社に来てくれるのか」を見極めるためです。人間誰しも、好きで自らやりたい!変えたい!と思っているもののほうが力を発揮できるでしょう。
企業は当然存分に力を発揮できる人材を求めているため、何かしらの理由や軸を持って自分の企業・業界に対してどうにかしたい、その中で働きたいという強い理由を持っている人を求めるのです。その人の価値観やこれまでの選択とぶれない軸でつながっているかなどが重視されます。
また2つ目の理由として、今後の人生を左右する重要な場に、しっかり事前準備してこれる人材かという点も見られています。
例えば、営業であれば商談前に商談相手となる企業や担当者様の情報をインプットし、事前に何を求めているか、何が課題かについて仮説を立てた上で臨むべきです。一流の営業であれば事前準備を丁寧にこなす必要があるのです。
自己紹介や自分の過去の出来事についてはあまり準備せずとも語れますが、志望動機についてはその企業の特性や業界を取り巻く課題、今後の展望などを事前にインプットしていないと薄っぺらいものしか話せません。
面接1つとってみても、その面接のために準備をして色々情報収集できている人材と、全く準備せずその場しのぎで回答している印象を持つ人材では、当然前者の方が業務でも成果が出せそうな印象を持ちます。そういった事前準備力を見極めるための志望動機でもあるのです。
転職理由
また、今回転職しようと考えている理由は何なのかもよく聞かれます。基本的にはありのままの理由を答えるべきですが、その際には2つ注意が必要です。
1つ目は、他責思考になっていないかという点です。
「今の上司が理不尽で戦略に納得できなくてもそれに従わないといけない」、「やりたい仕事ができない」、「周りの人が自分と性格が全く違うので合わない」など、会社や他人を悪く言うような理由ばかり述べていると、「この人は何か不満があったときにそれを自ら良くしようとはせず、そこから去って愚痴をいう人」だと思われる危険性があります。
その場に残ってそれを変える働きかけはしたのかなど、さまざまな選択肢を考えた上でそれでも転職がベストな選択なのか、うまく説明できるようにしておきましょう。
もう1つが、自分のこれまでの軸からブレていない理由かどうかを考えておくことです。過去の選択と一貫していない理由を話すと、「そんな理由で転職を考えるのか」という印象を持たれ、本当は裏に何かいえない理由があるのでは、と疑われます。変に邪推されるのを防ぐためにも、自分の価値観や過去の選択との一貫性は確認しておきましょう。
長所・短所
長所短所も聞かれることが多い質問といえます。これについても、当然ありのままを話すべきではありますが、選考中の企業・ポジションで全く生かせない長所はを語っても意味がないので、今後の業務に生かせる長所を話すと良いでしょう。
短所については、「ありません」といってしまうと逆効果です。短所のない人間など基本的には存在しないので、自分の短所を短所として認識できていない人という印象を与えてしまいます。とはいえ、短所を率直にいっても悪い印象につながってしまうのではと思ってしまう人も多いでしょう。
短所については「こういう点が自分の短所だと思っています。ただ、その短所を補強するために…」と短所を適切にとらえた上で、自分がそれとどう向き合っているかまで話せるようにしておくと良いでしょう。
リクルートの面接を通るための注意点
ここまで、面接でよく聞かれる質問について説明しました。では、そういった質問で答える際に、どのような点に注意していけば良いのかについて紹介していきます。
話は分かりやすく簡潔にする
注意点としては、1つの質問に長々と回答しないようにしましょう。面接は講演の場ではなく対話の場です。短く簡潔に伝えることで、面接官から次の質問を引き出し、面接官が深掘りたい方向に話が進むようにしましょう。
一方的に候補者が話し過ぎると、時間がなくなって面接官が聞きたいことを聞けずに終わってしまう可能性が高くなります。そうすると、通過できなくなる可能性が高くなるので注意してください。
主体性や当事者意識を見せる
リクルートのように自由度や裁量の大きい会社においては、マイクロマネジメントが必要な人材は採用されません。
物事を他責思考でとらえてあまり自分のこととしてとらえることができなかったり、指示待ちで自ら課題と目的をとらえて動けることができないと、リクルートで成果を出すのは難しいでしょう。面接時は自らの主体性や、全社への当事者意識を見せるのが良いです。
客観的な視点で伝えられるようにする
候補者自身のことを候補者に聞いているので、どんなにすごいことをいおうと、「それはあなたの自己評価に過ぎない」と思われたらもったいないですよね。過去の実績や選択について話す際は、それがどのくらいすごいのか、どういう意味を持つものなのか、客観的な視点で伝えられるようにしておきましょう。
自己分析を行って思考を言語化する
あまり面接の準備をしていないと、過去に実際に起こった出来事を答えるのは簡単でも、その時その時で何を考えどういう選択をしたのかを思い出すのが難しかったりします。また、その場で思い出しながら話していると一貫性がなくなってくることもあるので、リクルートのように過去の思考や価値観を重視する質問が多い会社では特に、自己分析を行ってこれまでの人生の岐路における自分の思考を言語化しておきましょう。
面接に正解はない
ここまで、具体的な面接の質問や、面接を通るための注意点を説明してきましたが、面接には「こう答えれば100%大丈夫」というような正解はありません。
基本的にはあなた自身のありのままを伝えて、それで落ちるようであれば単にあなたには合っていない会社だったと諦めるのが良いでしょう。しかし一方で、事前準備が足りなかったり、伝え方が悪くてあなたの魅力が面接官に伝わりきらないことはとてももったいないことです。
あまり回答内容に悩み過ぎず、とにかく自分自身を正確にかつ分かりやすく伝えることに全力を注ぎましょう。人生のあらゆる経験・選択を通して自分なりにPlan→Do→See→Checkのサイクルを回して内省ができているかを伝えるようにしてください。
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その結果、サムライソウルはリクルートグループへの転職実績が業界トップクラスで、営業職や企画職、エンジニア職など多岐にわたるポジションで内定を獲得しています。
まとめ
この記事では、リクルートの面接でよく聞かれる質問のうち、「過去」に関するものに焦点を当てて解説しました。
リクルートは過去の実績や選択だけでなく、その裏側の思考や価値観をとても重視する会社です。自己分析を重ねてしっかり言語化した上で、あなた自身を正確に分かりやすく伝えられるように準備をしておきましょう。
面接で聞かれる「現在」、「未来」に関する質問については、下記の記事で紹介しておりますので、そちらもご参照ください。
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