リモートワーク可能な企業に転職するには?【自ら生産性を高める自走力が必須】
転職活動で候補となる企業を見定める際、判断基準の1つとして「リモートワーク制度の有無」を挙げる方がいます。
サムライソウルにご相談に来られる方にも、絶対条件とはしないまでも “リモートワーク制度” に興味を持っている方が増えてきました。
「リモートワーク制度のメリットやリスクは?」
「リモートワークや在宅勤務を推奨している企業にどんな職種があるか?」
「離れていてもちゃんと仕事の評価をしてくれるのか?」
「リモートワークに向いている人・向いていない人とは?」
出社せず場所を選ばずに仕事ができるのは求職者にとって魅力的な職場環境であるとともに、比較的新しい働き方であるため上記のような疑問や懸念点もあるようです。
リモートワーク可能な企業が増加した背景
2020年2月頃から、新型コロナウィルスの影響でリモートワークを推奨する動きが加速していますが、それ以前からリモートワーク制度の導入を検討する企業は増加傾向にありました。
その背景には下記3点が挙げられます。
- 労働人口の減少により、従来通りの手法では人材確保が難しくなった。
- 働き方の多様化によって、求職者1人1人の職業観も複雑化した。
- ITインフラの発展によってリモートワーク制度導入の環境が整った。
(1) 労働力人口の減少により、人材確保が難しくなった
労働力人口の減少によって人材獲得競争は激化し、有名企業でも「自社が求める優秀な人材を採用する」ことが難しくなってきています。
企業は、人員の配置、育成、業務の効率化など、あらゆる方法で労働生産性を以前よりも高めなければいけないわけですが、その中で、これまで採用候補者に入れていなかった「家でなら仕事ができる人」「週3日なら働ける人」を採用する企業が出てきたのです。
人材確保が難しい現代において、数ある求人企業から自社が選ばれるためにも、自社の魅力の1つとして「リモートワーク制度の導入」が検討されるようになりました。
(2) 働き方の多様化によって、求職者1人1人の職業観も複雑化した
副業やフリーランス、リモートワークを始めとした働き方の多様化に伴って、今や個々の職業観や企業に求めるものは千変万化です。
一緒に働く仲間を大切にしたいという人もいれば、給与や昇進をモチベーションに仕事をする人もおり、転職先候補としての必須条件・優先度が高い条件・できれば欲しい条件などが、個々の求職者で異なり複雑化してきています。
近年はITエンジニアのようなフリーランスで活躍する人材が増えてきていることもあり、高い給与よりも「非常勤」「副業OK」「リモート勤務可」といった、休みの多さや時間・場所に縛られない柔軟な働き方を重視する若者のニーズが広がっています。
このニーズの高まりに伴って、柔軟な働き方の実現に向けた組織改善に取り組む企業が増えてきているため、多様な働き方への取り組みが小さい企業は相対的に求職者からの志望度が下がってしまいます。
(3) ITインフラの発展によってリモートワーク制度導入の環境が整った
これまでリモートワーク制度を活用していたのは、主にエンジニアやデザイナーなどのIT系職種でしたが、ノートパソコンとインターネット環境さえあれば、場所を選ばずにできる職務が増えてきました。
基本的に対面での仕事だとされていた営業職や企画職でも、ZoomやベルフェイスなどのWeb会議ツールによって、オンラインでも商談や会議ができるようになっています。
電話やメール以外にも、チャットワークやSlackといったチャットベースのコミュニケーションツールも活用され、今やほとんどの仕事をリモートで処理できる環境が整ってきたと言えるでしょう。
経理や人事といった機密情報を取り扱う一部の職務は、ネットワーク管理やセキュリティ対策の面でまだ導入課題も残っていますが、ホワイトカラーの職種は基本的にリモートでの勤務が可能です。
リモートワーク可能な企業が増加した流れをまとめます。
- 労働生産性を高める1つの施策として、在宅勤務やリモートワーク制度を一部の企業が打ち出したこと
- リモートワークが新しい働き方として認識され、次第に求職者のニーズとして広まったこと
- ITインフラの発達により、大半がリモートで仕事ができる環境が整ったこと
ただ、こういった時代の流れを見て、多くの会社は「リモートワークも取り入れないと・・・」と考えつつも、現実的になかなか導入検討が進んでいませんでした。
今回のコロナの騒動によって、どの企業も未完全でもリモートワーク制度を無理矢理でも導入せざるを得なくなったことで、これを機に「満員電車を避けるフレックスタイム制」や「出社しないでも仕事ができる仕組み構築」に向き合う企業は増えていくでしょう。
リモートワーク制度の現状課題【全社の生産性が大幅に低下】
過去に、リモートワーク制度を導入した企業の多くは、その目的の1つに「生産性の向上」を挙げていました。
- 往復の通勤時間を短縮できること
- 作業環境や仕事内容によっては自宅の方が集中して取り組めること
- 育児と仕事を両立しやすい
など、隙間時間やちょっとした無駄を最小限に抑え、生産効率を高められそうな要素がリモートワークには多く含まれています。
しかし、実際リモートワーク制度を導入してみると、会社全体としてはむしろ生産性が下がってしまい廃止したというケースも少なくありません。
そもそもリモートワーク自体がまだ新しい働き方であり、観察期間が数か月や数年のため、一概にリモートワーク制度と生産性との関係を判断することはできないのですが、今のところほとんどの企業が「組織全体で見ると生産性は低下している」と表現しています。
自宅環境や職務内容によってリモートワークの向き・不向きはあるのですが、生産性が下がる大きな原因の1つは、リモートワーク制度を悪用して仕事をサボる社員がいることです。
会社は「サボっているかもしれない」という疑心暗鬼から社員1人1人のタスク管理を徹底しようとし、社員もオフィスに姿を見せないで仕事をサボろうとする。これでは当然現場のパフォーマンスも業績も落ちてしまいます。
一方で、リモートワーク制度をうまく活用して仕事のパフォーマンスを上げる人もいるのですが、今のところはマイナスの方が大きく、チーム単位・組織単位で見た時に生産性が低下してしまっているようです。
リモートワーク可能な企業に転職するには?【自走しながら組織の目標も認識する】
もしリモートワークが可能な企業に転職したいと考えているのであれば、下記の留意点を押さえておきましょう。
- リモートワークでは、自ら目標を立ててアウトプットを出せることが求められる
- リモートワークでも、チームや会社に属していることに変わりはない
(1) リモートワークでも自ら目標を立ててアウトプットが出せること
職場にリモートワーク制度が導入されれば生産性が上がると思っている方がいるのですが、以上で説明した通り、「生産性は勝手に”上がる”」ものではなく、自ら仕事のパフォーマンスを高められる人が「生産性を”上げる”」のです。
企業としては、個々の社員に生産性を高めてもらい、かつリモートでも管理の必要なく自律的に働いてもらうのが理想です。
細かい指示を受けずとも自分で主体的に行動しアウトプットが出せる従業員でなければ、企業側も安心してリモートで仕事を任せられません。
リモートワークで活躍するには「自走できる」ことが必須で、その逆にそれができない人はリモートワークには向いていません。
(2) リモートワークでもチームや組織に属していることに変わりはない
「リモートワーク=フリーランス」のようなイメージをする人が多いのですが、場所がオフィスではないだけで会社に属していることには変わりなく、個人でタスク管理ができる環境であっても会社やチームの目標が下がるわけではありません。
リモートワークが積極的に推進されている企業では、個々が自走しているという前提のもと、個人のタスクの進捗はある程度自分でコントロールできるようになっています。
つまり、ストイックにタスクを進めていく人とそうでない人、手を抜く人と抜かない人の間で差がどんどん開いていきます。
個々で生産性を向上させることに成功している人もいるのに、チーム単位や組織全体で見ると生産効率が低下するのは、個人のタスクとチームのタスクの両方を考えられない人が多いからでしょう。
まとめ
現在(2020年3月)は、都市部を中心にリモートワークが半強制的に実施されていますが、これを機にリモートワークのメリットや新たな課題が洗い出されるのではないでしょうか。
今後は、部分的にリモートワークを導入する企業が増えていくのではないかと考えられます。
個人レベルでは「リモートワークを活用して仕事の質と生産性を向上させる人」「リモートワークであることを利用してサボる人」に二極化するのではないかと懸念されていますが、今後リモートワークがさらに推進されると、この格差は顕在化していくでしょう。
企業によっては、リモートワークを全体的にうまく活用できているところもあれば、リモートワークの仕組み作りがまだ不完全なところもあり、企業ごとの情報も公に出ているのものが少なく、求職者にとっては不明点も多いかと思います。
弊社のような転職エージェントは、様々な求人企業と深く長い関係性を構築しており、他のメディアよりも正確で詳細な情報を企業から直接入手しています。
もちろんリモートワークに関しても例外ではなく、随時新しい情報を確認しています。
リモートワーク・在宅勤務といった働き方に関するご質問、また転職活動でわからないこと、迷っていることがあれば、是非ともサムライソウルにご相談ください。