M&A仲介の平均年収は?高収入が見込めるM&Aについて紹介

「M&A業界で働きたいけど年収が気になる」「M&A仲介の平均年収が知りたい」という方もいますよね。M&A仲介は、年収が高い職業として知られていますが、実際はどのくらいの給料がもらえるのでしょうか。この記事では、M&A仲介会社の平均年収や年収が高い理由などを紹介していきます。M&A仲介に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもM&Aとは

M&Aは「合併と買収」を表す英語「Mergers and Acquisitions」の略で、企業同士の合併や買収の取引を指す言葉です。

M&Aを実施すると買手と売手の双方にメリットがあります。買手のメリットは、事業規模の拡大や新規事業への参入、既存企業との相乗効果などです。売手は、事業承継や資金調達、企業の存続を目的とするケースが多いです。

近年では、少子高齢化による事業承継のニーズの増加によって、中小企業におけるM&Aが活発化しています。

M&A仲介の主な仕事内容 

M&A仲介とは、企業の合併や買収の際に双方の企業の仲介に入り、中立的な立場から支援を行う仕事です。具体的な仕事内容には、売手企業の発掘、企業価値の算定、提案書の作成、買手候補企業の探索や打診、条件交渉といった業務があります。

企業の合併や買収における条件交渉には、財務・税務・法務などの専門知識が必要になるため、専門家によるサポートが必要です。

そこで、M&A仲介の存在が重要になります。M&A仲介企業が間に入り、諸々の書類作成や調整を行うことで、スムーズな企業の合併や買収をサポートするのです。場合によっては、M&A成約後の経営や業務、意識などの統合プロセスであるPMI(Post Merger Integration)までサポートすることもあります。

M&A仲介会社の平均年収

M&A業界は高度な専門性や営業力が求められるケースが多いことや、一件の契約金額が高額であることから、非常に給与基準の高い業界です。平均年収は1,300万円ほどとされています。

証券会社、大手都市銀行、外資系企業なども平均年収の高い業界ではありますが、平均年齢も40歳以上と高い企業が多いのに対し、M&A業界には平均年齢が40歳未満の企業も多いのが特徴です。

上場企業の年収ランキングで上位を占めている

2022年に東洋経済新報社が作成した平均年収ランキングによると、1位がM&Aキャピタルパートナーズで、2269万円となっています。日本でもっとも平均年収が高い企業がM&A仲介企業なのです。

M&Aキャピタルパートナーズの2269万円という平均年収は、2位の医薬品業界のメディシノバの平均年収1938万円を大きく引き離しての1位です。

平均年収ランキングでは他にも、9位がM&A仲介企業のストライクで1539万円、14位が日本M&Aセンターホールディングスで1243万円となっており、M&A業界には平均年収1200万以上の企業が複数存在します。

M&A仲介会社の平均年収が高い理由は?

複数の企業が年収ランキング上位にランクインするM&A業界。では、なぜM&A業界の給料は高いのでしょうか。ここでは、M&A仲介会社の平均年収が高い理由について見ていきましょう。

利益率が高い

M&A業界の平均年収が高い理由の1つに、M&A業界が利益率の高い業界であることが挙げられます。

利益とは、収益から費用を差し引いた金額のことを指しますが、M&A業界は収益が大きく費用が少ないビジネスモデルであるため、高い利益を得ることが可能です。

M&A仲介には多額の仲介手数料が支払われる上に、M&A仲介企業は買手企業と売手企業の双方から報酬を受け取れます。企業の売却額にもよりますが、M&Aが1件成約すると数千万円の手数料が発生するということも珍しくありません。M&A仲介企業は付加価値の高いビジネスなので、収益が高くなります。

また、M&A仲介業務は案件を受け持つコンサルタントの知識が商売道具になるため、設備投資や仕入れの費用がかかりません。収益の多くが利益となり、しかも費用のほとんどは人件費ということになります。このように、M&A業界は収益が大きいのに対して費用が少なく利益率が高いため、従業員の給与も高くなります。

実施件数が増加

M&Aの実施件数が増加しているのも、M&A業界の給与が高い理由の1つです。近年の傾向としては、特に中堅中小企業のM&A実施件数が増加しています。

日本では少子高齢化に伴って、経営者の高齢化や人口減少による後継者の不足が問題になっています。経営者の高齢化が進んでいる中で、子供が家業を継ぎたくないというケースが多くなり、後継者がいなくなって事業の継続が困難という中小企業が増加しているのです。

会社を売却すれば事業を継承できて、従業員や取引先にも迷惑をかけないことから、中小企業の事業承継のためのM&A実施件数が増えています。企業売却の実施件数の増加に合わせてM&A業界の収益も増えていくので、今後もM&A仲介企業の年収に期待ができるでしょう。

人材の不足

M&A業界の平均年収が高い理由として、業界に人材が不足していることも挙げられます。M&A仲介企業の業務は高い専門性が必要とされるため、M&A業務を請け負うのに適した人材が不足しています。これからも成長が見込まれているM&A業界ですが、M&A案件に対して従業員数が少なく、個人あたりの業務量が多いのが現状です。

M&Aの実施件数の増加にM&A業界の人材拡充が追いついておらず、人材が不足している状態にあるため、従業員1人あたりの年収が高くなっています。

成果報酬によるインセンティブ

M&A業界の特徴的な給与方式も、平均年収が高くなる要因の1つです。M&A業界の給与形式は、成果報酬によるインセンティブの比率が大きいという特徴があります。

企業にもよりますが、他の業界に比べて、M&A仲介企業は基本給よりもインセンティブの比率が大きい傾向です。固定報酬が少ないながらも、ある程度の水準の報酬をキープしつつ上限のないインセンティブを得られるため、結果として高い年収につながります。

年収が高いM&A仲介企業への転職で求められるのは?

高い年収と規模の大きい仕事ができるのが魅力のM&A仲介には、未経験から転職を考える人も多く、転職市場で人気の業界といえます。では、M&A仲介に転職する際には、どのようなスキルや人柄が求められるのでしょうか。

資格

M&A業界への転職において、持っていると有利な資格は弁護士や公認会計士、税理士などの資格です。M&Aの業務では、企業価値を算定するための知識やM&Aにかかる税金を計算するための知識が必要となります。

中小企業のM&A案件に注力しているM&A仲介企業では、企業の経営に関わる知識を網羅的に身に付けられる中小企業診断士の資格も重宝されるでしょう。

また、M&Aエキスパート認定資格という事業承継・M&Aエキスパート協会(JME)が認定する民間資格もあります。M&A業界に転職するときのアピールになるだけでなく、今後業界で働く上で役に立つ知識が得られるので、M&Aエキスパート認定資格の取得を目指すのもおすすめです。

スキル

M&Aへの転職においては、営業のスキルが重視されます。M&A業務のメインはコンサルティングですが、売手企業と買手企業をリサーチして案件を生み出さないと業務が始まらないので、成果を上げるためには営業力が必須です。そのため、これまでに2年以上の営業経験がある人や、経営者との折衝経験がある人などが優遇されやすい傾向にあります。

また、M&Aの金融や会計に関する専門的な知識が求められる傾向です。企業の合併や買収には多くの資金や株式が移動するため、金融知識や会計スキルを身に付けておく必要があるでしょう。

企業のグローバル化が身近になっていることから、日本国内の企業同士だけでなく、国をまたいだM&Aの需要も高まっています。そういった案件でも困らないように、ビジネスレベルの語学力も身に付けておくと良いです。TOEIC800点台後半以上であれば、面接でも十分にアピールできます。

経験

M&A仲介に転職したいなら、営業経験は必須です。特に、大手企業での営業成績上位の経験や新規開拓営業の経験、経営者との商談や折衝経験があると良いでしょう。実際に、未経験からM&A業界へ転職した人の中には2年以上の営業経験があり、優秀な実績を残している人が多い傾向です。

また、飛び込み営業やテレアポ営業の経験があって、中小企業の経営者との商談に抵抗がない人も活躍できる可能性があります。前職が証券会社、保険会社、銀行など金融関係の企業の方は、金融知識を持っていることの裏付けになるので、面接でのアピールポイントになるでしょう。

人物像

M&A仲介の業務に適する人物像は、誰からも好かれる人間性を持つ人物です。M&Aコンサルティングは、M&A案件の対象となる複数の企業や、弁護士、税理士などの中心に立って仲介するのが仕事です。どんな人からも信頼されるような人柄を持っていることが、M&A業界で成功するために重要です。

また、M&A業界では「精神的・体力的にタフな人物」も求められています。M&A業界は実施案件が増えている上に人材が不足しているため、個人の業務量が多く激務です。また、企業のマッチングによってさまざまなケースがあり、新たに学ぶことが多い仕事といえます。多忙な仕事を乗り越えられるだけの体力・精神力を持つ人間が求められるでしょう。

年収が高いM&A仲介企業への転職難易度

M&A業界への転職難易度は高めです。M&A仲介には高いスキルが求められるので難易度は高いですが、人材不足なので入り込む隙間はあるでしょう。20代であればポテンシャルで採用されることもあるため、未経験からの転職でも成功する可能性は十分にあります。30代での未経験転職は難しいですが、金融知識や会計スキルがあれば、採用される可能性はあるでしょう。

M&A仲介企業への転職を成功させるには?

専門性の高い人材が必要とされるM&A仲介企業への転職を成功させるには、高いハードルがあるのは事実です。しかし、今後も需要の増加が見込まれながらも人材不足のM&A業界で採用が拡大されていくのは明らかです。ここからは、M&A業界に転職するためにはどうすれば良いのかを解説していきます。

転職サイトに登録する

転職サイトは、サイトに登録して希望条件を検索するだけで、簡単に求人情報を確認できます。いつでも気軽に求人情報をチェックできるため、新しい情報をすぐに手に入れられるのがメリットです。

転職サイトは種類が多く、複数のサイトに登録すれば幅広く情報を集められます。マイペースに転職活動ができるので、まずは1人で頑張りたいと思っている人に向いています。ただし、情報が多すぎて求人情報の管理が大変になる、本当に自分の条件に合う企業を探すのが難しいことなどがデメリットです。

転職エージェントを利用する

転職エージェントには質の高い求人が集まりやすく、他のサイトには掲載されていない非公開求人も紹介してもらえます。企業の内情を把握しているエージェントが、実際の働きやすさや適性に合った企業の紹介などを行なってくれるため、自分に合った仕事を見つけやすいです。面接対策や推薦状によるアピールなどのサポート制度があり、1人で就職活動をするよりも選考の通過率が上がります。

転職エージェントの中にはM&A業界に強いエージェントもあるため、未経験でM&Aへの転職が不安でも丁寧にヒアリングをして転職が成功する方法を検討・指導してくれます。

リファラル採用を目指す

リファラル(Referral)には「紹介」「推薦」という意味があり、リファラル採用とは、知人や友人から紹介してもらって採用する手法のことです。アメリカでは主流の採用経路として浸透しており、日本でも外資系企業やベンチャー企業を中心に導入され始めています。この方法を採用することで、企業は社風や事業内容について詳しく話を聞いた人材を集められて、採用のミスマッチのリスクを抑えられるのです。

紹介された後に選考があるため、推薦があっても必ず採用につながるわけではありませんが、採用される確率は高いでしょう。非公開求人も多いM&A業界の転職には、業界の人とつながりを作ってリファラル採用を目指すのも一つの手段です。

M&A仲介への転職ならサムライソウルへ

年収の高いM&A仲介企業への転職を検討しているなら、ぜひサムライソウルをご利用ください。サムライソウルではM&A仲介企業への転職実績が多く、その実績から、M&A業界への転職を成功させた社員や大手企業の経営幹部とのつながりもあります。M&A仲介の仕事に興味がある、M&A業界への転職を考えているという方は、まずは下記のフォームからお気軽にお問い合わせください。

 

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まとめ

企業の合併・吸収のサポートを行うM&A仲介企業は、日本トップレベルの給与をもらえる業界です。利益率が高い、実施件数が増加している、業界の人材不足、インセンティブ比率が高い給与形式などから、個人あたりの収入が高く設定されています。

そんなM&A業界ではレベルの高い人材が求められており、営業スキルや金融・会計に関する専門的な知識などが必要です。多くの人々の橋渡し役となる仕事なので営業力や人から好かれる人間性も求められます。

M&A業界への転職難易度は高いですが、転職エージェントを利用する、リファラル採用を目指すなどの方法で、未経験からの転職も望めるので、ぜひ挑戦してみてください。

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