リストラをされたらどうする?リストラ後にすべき行動まとめ

会社からリストラをされた場合、何をすれば良いのか、次の転職活動に影響はあるのかなど、さまざまな不安を感じてしまいますよね。

今回の記事では、解雇との違いを含めたリストラの概要について解説していきます。リストラに必要な4要件、リストラをされたらどうすれば良いのか、リストラ後の転職は不利になるのかといった点も合わせて紹介します。

リストラされたらどうすれば良いのかについて知りたい方や、リストラをされた後の転職活動に不安を感じている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

そもそもリストラとは

そもそもリストラとは、「Restructuring(リストラクチュアリング)」という英語を訳し、省略した言葉です。もともとの意味は企業の成長を維持するための事業の「再構築」ですが、日本においては「業績不振による人員整理」と捉えられることが多いです。

基本的に会社がリストラをする際は、まず希望退職者を募り、その後リストラが行われます。

リストラは法律の用語でいえば、「整理解雇」の一種です。会社都合の解雇となるため、退職金が出る他、勤続年数や立場によって金額が割り増しされることもあります。しかし、定年退職に近い年齢でのリストラであった場合、普通の退職金よりも金額が少なくなる可能性もあるのです。

解雇との違い

会社が従業員を辞めさせるという点では、解雇も似ている部分があります。しかし、解雇には大きく分けて「普通解雇」「懲戒解雇」「整理解雇」の3種類があり、リストラは「整理解雇」のみを指します。

「整理解雇」は、会社の倒産や事業悪化、業績不振などによる解雇です。従業員本人に非がないため、解雇された後の転職活動にもマイナスの影響は与えないでしょう。では、リストラに含まれない「普通解雇」と「懲戒解雇」とは一体どのようなものでしょうか。

「普通解雇」は、スキル不足や勤怠姿勢に問題がある、健康状態の悪化により業務に耐えられなくなった場合、業務命令違反の場合などが理由となります。一般的には、就業規則に定められている解雇の理由に当てはまる場合に行われるものです。

「懲戒解雇」は、重大な契約違反や不正行為、反社会的な行為などが理由となり行われます。懲戒解雇を受けた場合には退職金がもらえなかったり、その後の転職活動にマイナスの影響を与えるなど、重いペナルティを負うこととなるでしょう。

リストラに必要な4要件

「会社からリストラされるかもしれない」と考えると、不安になる方も多いかもしれません。しかし、会社側の一方的な都合で人員を解雇するリストラは、立場がどうしても弱くなってしまう労働者を守るために、会社側に大きな制限がかけられています。

会社がリストラを行うためには、下記の4つの要件が必要です。

  • 人員削減の必要性があるか
  • 会社で解雇回避の努力をしたか
  • 人選に合理性があるか
  • 説明・協議・手続きは正しくされたか

裁判例上、これらの4つを総合的に考慮し、会社がリストラを行うことが果たして有効かどうかを判断するのです。以下で、1つずつ詳しく解説していきます。

人員削減の必要性があるか

リストラは、従業員の生活に大きく影響を与えるものであるため、会社側にそれ相応の理由がなければ行うことができません。整理解雇では、人員削減が本当に必要なのか、経営状況はどうなのか、会社を経営していく上で、人員削減をしなければ立ち行かなくなるのか、といった状況で判断されます。

しかし、人員削減の必要性の程度に関しては、明確な基準が設けられていないことも事実です。リストラをしなければすぐに会社が倒産してしまう、リストラ以外に会社を立て直す手段がない、といったように客観的に見ても分かる経営状況が求められたケースもあります。一方で、客観的な情報は必要とせず、会社の合理的な運営上の理由だけでも足りるというケースもあるのです。

会社で解雇回避の努力をしたか

業績が悪化しているからといって、すぐにリストラができるわけではありません。リストラをする前に、人員配置の見直しや役員報酬の削減、新規採用の見送り、残業時間の削減、

出向など、できる限り解雇回避の努力をしていなければなりません。リストラは会社にとって最後の手段といえるため、それより前にあらゆる手を尽くしたかどうかが問題となります。

人選に合理性があるか

リストラを行う場合でも、その対象者(非解雇者)がどのような基準で、どのように選定されているのか、そこに合理性があることが必要です。

裁判例上でも選定基準ははっきりとはしていませんが、欠勤や遅刻といった勤務態度、勤務成績や勤続年数などを事前に選定の基準と決めて整理解雇した場合は、合理的とみなされる場合があります。一方で、経営者や人事担当者の好き嫌いで選定しているとみなされた場合には、合理性が認められません。

選定基準については、リストラされることによって対象者の生活に与える影響などが含まれる可能性もあります。例えば、扶養家族の有無や正社員・パートタイムなどの雇用形態などが判断材料となるケースもあるのです。

説明・協議・手続きは正しくされたか

ある日突然、経営者からリストラを言い渡される、というのは正しい順序ではありません。リストラを行うためには、説明・協議・手続きが正しくされていなければいけないのです。なぜリストラを行う必要があるのか、どのようにリストラを実施するのか、対象者を選ぶ基準などをきちんと説明し、企業側と当事者とで十分な協議が行われている必要があります。

 

以上、4つの要件が総合的に考慮され、リストラが有効かどうか、厳格な判断がされることになります。

リストラされたらどうすれば良い?

会社側が上記の4つの要件を満たしてリストラが実施され、自身が対象者となった場合、どのようにすれば良いのでしょうか。ここからは、下記の2つのパターンで紹介していきます。

  • リストラを拒否して会社と戦う
  • リストラを受け入れて転職する

特に後者については、交渉すべきことや確認すべきことも合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

リストラを拒否して会社と戦う

リストラを受け入れない場合は、拒否して会社と戦うという手段もあります。まずは、「解雇理由証明書」や「解雇予告通知書」を会社に交付してもらうよう申請しましょう。解雇理由証明書には、解雇の理由やそれに至る経緯などが書かれており、企業側は必ず交付しなければなりません。解雇予告を受けた労働者は、解雇予告通知書を請求でき、企業側は交付する義務があります。

そして、先ほど紹介した「リストラを行うために必要な4つの要件」を満たしておらず、合理性・相当性がないときは、不当解雇の可能性があるので会社に解雇の撤回を求めましょう。会社は撤回をしないこともありますが、その場合は会社と交渉を続けたり、労働審判や訴訟を起こしたりといった方法が考えられます。

リストラを受け入れて転職する

上記のように、訴訟を起こして会社と戦うという手段がありますが、労働審判や裁判は2年近くかかる場合もあります。また、労働審判や裁判を行ったとしても、最終的には和解金や解決金をもらう、という金銭解決になるケースも多いです。

そして、特に20代〜30代の若い年代の方は転職がスムーズに進みやすいので、裁判に2年近く取られるよりも、リストラを受け入れて転職をするほうが良い選択になる可能性が高いでしょう。

「会社と戦っている時間がもったいない」と感じる場合は、切り替えて転職活動に専念するのも良いです。リストラを受け入れる際には、以下のことを忘れずに行ってください。

退職条件や退職金の交渉をする

リストラは自身に非があるわけではなく、会社の都合によるものです。そのため、リストラを受け入れる場合は労働者側の立場が強くなります。会社から提示された退職金や退職条件をそのまま受け入れるのではなく、まずはじっくりと自身の生活状況と照らし合わせ、不足していると思えば交渉しましょう。納得のいく条件で「辞めてあげる」のがポイントです。

退職時の書類を会社に確認する

会社を退職する際には、さまざまな書類を受け取ります。書類を受け取っていないとその後の申請や手続きに遅れが生じるため、必ず確認するようにしましょう。一般的に受け取るのは下記のような書類です。

  • 離職票
  • 健康保険等資格喪失証明書
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票

すべて重要な書類ですが、転職活動において、離職票はハローワークなどで失業保険の申請をする際に求められます。雇用保険被保険者証は、転職先で雇用保険加入手続きをする際に必要です。これらの書類は特に忘れないように気をつけましょう。

失業保険の給付申請を行う

リストラを受け入れた後にすべき重要なこととして、失業保険の給付申請もあります。リストラ後に次の職場が決まっていない場合は、ハローワークで失業保険の給付申請をします。失業保険は、待機期間や説明会への参加などもあり、申請後すぐに受給できるわけではないため、すぐに申請を行うようにしましょう。

不当なリストラの場合は弁護士に相談

先ほども述べた通り、リストラに必要な4つの要件を満たしていない場合は無効となる可能性があります。言い渡されたリストラが不当だと感じた場合は、弁護士に相談するのも1つの方法です。法的措置が取れないか、説明時にパワハラまがいのことはなかったか、不当解雇ではないか、法的な観点から一緒に考えてくれます。

リストラ後の転職は不利になる?

ここまで、リストラの概要やリストラに必要な要件、リストラを受け入れた後にすべきことなどを解説してきました。しかし、リストラを受け入れて次の仕事先を探すと決めた場合に、「リストラは転職に不利になるのだろうか」と不安に感じる方も多いでしょう。

ここからは、リストラ後の転職は不利になるのかどうかを解説していきます。

自己都合退職なら「一身上の都合」で伝えられる

本来は会社都合退職であっても、会社から「あなたのキャリアのために自己都合退職にしておいたほうが良い」といわれるケースもあります。自己都合退職を望まない場合はそれを断っても問題はありません。一方で、自己都合退職とする場合は転職時の退職理由を伝えやすくなるというメリットもあります。

会社都合退職の場合はマイナスな印象を与えることはありませんが、伝え方に悩む場合は自己都合退職を選ぶのも良いでしょう。しかし、自己都合退職の場合は、失業保険の支給のタイミングが遅くなったり支給額が低くなったりするので、注意が必要です。

会社都合退職なら前向きな姿勢をアピールする

会社都合退職である場合は、履歴書にはその旨を記載しましょう。会社都合退職であるという事実だけで転職が不利になることはありません。備考欄を活用する、もしくは面接などで補足をしても良いでしょう。

また、会社都合退職を受け入れたこと、そして次の転職先ではよりスキルアップを目指していきたいなど、前向きな姿勢をアピールするのが重要です。

リストラ後の転職にお悩みなら転職エージェントに相談

「リストラされたことをどう履歴書に書けば良いか分からない」「面接でマイナスの印象を与えないためにはどうすれば良いのか」など、リストラ後の転職に不安を感じている方は、ぜひ転職エージェントへの相談を検討してみてください。リストラ後の転職活動に転職エージェントを使うメリットは多くあります。

転職エージェントを活用するメリット

転職エージェントでは、キャリアアドバイザー・コンサルタントといった転職活動のプロフェッショナルたちが在籍しています。面談を通じて転職者の状況に合わせた求人探し、応募書類の準備・添削、面接準備・練習、さらには入社前の給与交渉や入社後のフォローなど、手厚いサポートをしてくれます。

リストラされたということがマイナスにならないようにするには、言葉の言い回しや表現方法などに工夫が必要です。キャリアアドバイザーはそういった言葉選びや伝え方といった細かな点までフォローしてくれます。

また、転職エージェントは基本的に無料でさまざまなサービスを利用することが可能です。対面での面談が推奨されていますが、最近ではWeb面談や電話面談などを行っている転職エージェントもあり、忙しい方や近くにエージェントのオフィスがない方でも利用しやすい環境が整っています。

まとめ

リストラをされた場合は、精神的なショックやストレスを抱える方も多いでしょう。しかし、そんなときこそ冷静に行動をすることが大切です。4つの要件を確認して不当な解雇であった場合は、弁護士への相談も検討してみてください。

しかし、会社と戦うのは時間がかかるため、時間がかかるのは抵抗があるという方は、転職活動を始めていきましょう。リストラ後にすぐに転職をお考えの方は、ぜひサムライソウルにご相談ください。サムライソウルは、コンサルタントによる独自のノウハウとサポートを誇っています。リストラされたということがマイナスにならないような言葉の言い回しや表現方法なども一緒に考えて、転職のお手伝いをしていくので、ぜひ「相談フォーム」からお気軽にご相談ください。

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