証券会社から転職するのに役立つスキルと成功させるポイントを紹介
高額な金融商品を扱っていて、その分高い収入を得られる証券会社は、新卒の就職でも人気の高い業界です。しかし、厳しい労働環境や実績重視の体制が合わずに、転職を考える方も少なくないでしょう。
当記事では、証券会社からの転職に関する情報を解説します。証券会社から転職する主な理由、証券会社からの転職でアピールできるスキル、証券会社出身者におすすめできる転職先などを知りたいという場合には、ぜひ参考にしてみてください。
「証券会社から転職したい」「証券会社からの転職に役立つ情報が知りたい」という方が、知りたいと思う情報をまとめて紹介していきます。
目次
証券会社から転職したいと思う理由
証券マンは、高収入の代名詞のような職業として知られています。その反面、金融商品を扱う業界の中でも、特に労働環境が過酷なことでも有名です。そんな証券マンが転職を考える主な理由としては、下記の4つが挙げられます。
- ノルマが厳しい
- 残業が多い
- やりがいが実感できない
- 職場の雰囲気が悪い
それぞれについて詳しく解説していきます。
ノルマが厳しい
証券会社では、厳しいノルマが課されます。証券会社のノルマは、売上高だけでなく商品ごとにも課されるので、達成するためには相応の努力が必要です。
ノルマを達成できなければ、強制的に研修に参加させられたり、メンバーの前で叱責されたりすることも珍しくありません。そのため、ノルマを達成するにはリスクの高い商品も積極的に顧客に提案する必要があります。こうしたプレッシャーや、ハイリスクな商品を提案する苦痛が転職の理由として挙げられます。
残業が多い
証券会社の営業担当は、月100時間以上の残業も珍しくありません。忙しい時期になると、なかなか家に帰る時間が取れないこともあるでしょう。これは、厳しいノルマに追われて仕事の区切りがつけられないことが原因です。
また、常に変化する市場を分析しなければいけないため、勤務時間外でもWebやテレビから情報収集する必要があります。その結果、残業時間が増えてワークライフバランスを崩してしまい、転職を考えるようになってしまうのです。
やりがいが実感できない
証券会社は、顧客が金融商品を売買する手数料から収益を上げています。その性質上、どうしても顧客の意見を優先した業務内容になってしまいがちです。その結果として、証券マンは以下のような状態に陥りやすいといわれています。
- 顧客の要望を聞くだけのイエスマンになる
- 『利益優先』で仕事のやりがいを失う
通常の営業担当は、自分の提案を顧客に聞いてもらって成果を上げますが、証券マンの場合はその逆です。顧客の要望を実現させるためだけに動くケースも多いでしょう。そんな『御用聞き』状態が続くことで、やりがいを感じられず転職を決意するパターンもあります。
職場の雰囲気が悪い
職場の雰囲気の悪さも、転職を後押しする要因の一つです。証券会社は、厳しいノルマや体育会系の上下関係が原因で、メンバー同士の雰囲気もギスギスしていることが往々にしてあります。ひどい場合だと、上司からの厳しい叱責やパワハラが行われていることもあるのです。
もちろん、全ての証券会社で横暴が行われているわけではありませんが、雰囲気が悪くなりやすいことが原因で転職を決める人も珍しくありません。
証券会社からの転職でアピールできるスキルは？
「転職するといっても、自分のスキルは他の業界で通用するのだろうか」と不安に感じてしまう人もいますよね。しかし、証券会社で得た経験やスキルは、他の業界でも大いに活躍できるでしょう。
- 営業スキル
- 精神力
- 経済に関する知識
ここでは、証券会社勤務で得られるスキルについて、それぞれ詳しく解説していきます。
営業スキル
証券会社で身に付く営業スキルは、他の業界と比べても飛び抜けています。顧客に合わせた金融商品を提案するためには、幅広い営業スキルが必要です。証券マンであれば、以下のような経験があると思います。
- 顧客とコミュニケーション継続した経験
- 新しい金融商品を提案した経験
- 商品を良さをプレゼンした経験
上記のような経験は、転職市場においても高く評価される傾向があります。さらに、証券マンであれば数字を用いた交渉能力も自然と身に付いているでしょう。これは他の営業経験者よりも、圧倒的に優れたアドバンテージといえます。
転職の面接では、幅広い営業スキルを使って上手に自分を売り込んでいきましょう。
精神力
常に成果を求められる環境で鍛え上げられたメンタルは、どんな業界でもアピールできるポイントです。これは厳しいノルマや、同期との競争が巻き起こる証券会社ならではの強みと言えます。
日本中で労働環境を改善するための運動が行われていますが「強い精神力を持つ人材」はどんな業界でも間違いなく重宝されます。過酷な労働環境ではなくとも、精神力は優秀な人材を見定めるための指針とされています。実際に、採用の現場では学生時代にスポーツなどで精神力が鍛えられた人材の評価が高いとされている傾向です。
証券会社の厳しい環境で培われた精神力を武器にして、転職を成功に導きましょう。
経済に関する知識
証券会社では、扱う商品の性質から経済に関する幅広い知識が身に付きます。これまでの業務でも、経済や株式市場の動向については日々チェックしてきたはずです。経済の動向に敏感な人材は、営業職を始めとしてさまざまな職種で優遇されています。
- 金融商品に関する知識
- 企業のBSやPLを読み解く知識
- 株式市場や外貨取引に関する知識
- 資産運用の関する知識
上記のような知識は、持っているだけで転職の現場では好意的に見られるでしょう。 証券会社に勤めていた経歴はそれ自体が経済について詳しい証明になるため、転職でも有利に働くことは間違いありません。
証券会社からの転職を成功させるポイント
証券会社勤務の経験から得られるスキルについて解説しましたが、転職を成功させるにはそれ以外のポイントにも注意しましょう。証券会社からの転職を成功させるポイントは、以下の4つです。
- 数字に対する強さをアピールする
- 営業で培ったスキルについて自己PRする
- 証券会社で経験したことを具体的に伝える
- 転職希望先のリサーチを徹底する
もちろんそれぞれの境遇によって正解は異なります。しかし、上記の4つを意識して転職活動をすることで、成功の確率を高められるのは確かです。転職活動をする際は、まずは自分の強みやアピールできるポイントを整理してみると良いでしょう。
証券会社から転職するならどんな企業がおすすめ？
せっかく転職をするなら、これまで培ってきたスキルが活かせる企業を選びたいと考えるのが普通でしょう。証券会社で得られるスキルは幅広いですが、逆に自分に適した職場が思いつかない方もいるかもしれません。そこで、ここでは証券会社からの転職に適した企業を6つご紹介します。
- 他の証券会社
- M＆A仲介会社
- コンサルティング会社
- 銀行・金融企業
- 無形商材を扱う企業の営業
- 不動産会社
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
他の証券会社
一番のおすすめは、他の証券会社への転職です。「証券マンの仕事自体が嫌だ」と考えている方は別ですが、現在の給料や人間関係が転職の原因になっている場合は、選択肢の一つに入ります。
他の証券会社であれば、転職後の負担も最小限に抑えられる上、すぐに戦力として活躍できます。仕事の環境を大きく変えずに待遇を改善したいと希望している方は、他の証券会社を選ぶと良いでしょう。
M&A仲介会社
ビジネスコミュニケーションを重視する場合は、M＆A仲介会社への転職も検討してみましょう。M＆A仲介会社は、事業の譲渡や企業間の合併をサポートするのが役割です。その性質から、業務を行う中では金融に関する幅広い知識が要求されます。
また、異なる企業間をつなぐ役割を求められるため、証券会社で培ったコミュニケーションスキルを存分に活かせるでしょう。証券営業で培ったコミュニケーションスキルを活かしたい方には、M＆A仲介会社への転職がおすすめです。
コンサルティング会社
仕事で大きなやりがいを感じたい場合には、コンサルティング会社への転職も検討してみましょう。コンサルティング会社の役割は、企業の課題を可視化して、問題解決をサポ―トすることです。顧客とのつながりも深く、証券会社で信頼関係を構築してきた経験を存分に発揮できます。また、顧客の問題を協力して解決する達成感は、証券マンとしては味わえないものです。
これまで金融商品を提案するために培ったリサーチ力や、問題解決能力を活かしたい方はコンサルティング会社への転職も考慮してみてください。
銀行・金融企業
性質が近い業種でこれまでの経験を活かしたい場合は、銀行や金融企業への転職も検討してみましょう。銀行や金融企業の業務内容は、顧客の資産を預かって運用するという意味で証券会社と非常に近いものです。融資や法人営業を担当する場合は、証券会社で身に付けた対人スキルを大いに発揮できるでしょう。
また、転職の面接でも、金融に関する知識が豊富な証券マンの評価は高くなります。転職を果たした後もすぐに戦力として期待されるはずです。これまで身に付けたお金の知識や対人スキルを活かしたい場合は、銀行や金融企業への転職がおすすめです。
無形商材を扱う企業の営業
営業活動が好きな場合は、無形商材を扱う企業への転職も選択肢の一つとして考えられるでしょう。
数々の商品の中でも、無形商材は顧客への営業が非常に難しいとされています。そのため、証券会社出身者は、無形商材を扱う企業の営業として間違いなく優遇されます。金融商品というハイリスクな無形商材を顧客に提案してきたスキルは、喉から手が出るほどほしいという企業も多いでしょう。
しかし、「無形商材といっても、実際にどんなものが合っているのか」とお悩みの方もいるかと思います。このような方のために、証券マンと相性の良い無形商材を一部ご紹介します。
- ITサービス
- 人材サービス
- 広告サービス
- 保険商品
他にも多くの無形商材がありますが、証券会社出身者と特に相性が良いものは上記の4つです。提案力や営業スキルを活かしたい場合は、無形商材を扱う企業への転職を検討してみてください。
不動産会社
不動産会社でも、証券マンとしての経験を活かせます。不動産の購入は、人生で最大の買い物となるケースがほとんどです。そのため、担当者と顧客の信頼関係が成約数に直結します。
これまで高額な金融商品を扱ってきた証券マンは、顧客と自然に信頼関係を結ぶコツを知っています。これは、不動産売買の場面でも応用が効くスキルです。
さらに不動産投資を扱っている企業の場合は、資産運用の提案する業務が証券会社と一致します。この場合は、企業側にも即戦力として受け入れられることは間違いありません。これまで顧客と信頼関係を構築してきた自負がある方は、不動産会社への転職がおすすめです。
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まとめ
証券会社出身者は、営業スキルや経済に関する知識など、多くのスキルを同時に身に付けているため、転職市場でも優遇されやすい傾向にあります。証券会社からの転職を検討している方は、ぜひスキルを生かした転職先を見つけてみてください。
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