10月退職はもったいない?デメリットや言い方、年末調整なども解説!
10月での退職を検討しているものの、周囲から「もったいない」と言われるのではと迷っている方は少なくありません。
賞与や年末調整のタイミングを逃してしまうのではと、不安を抱える方もいるでしょう。
本記事では、10月退職が本当にもったいないのかという疑問から、伝え方の例文、税金や社会保険の手続きまでまとめて解説します。
読み進めることで、10月退職に向けた準備をスムーズに整えられるはずです。
10月退職はもったいない?デメリットが多い?など解説!
10月退職はもったいない、デメリットが多いといわれることがあります。
以下では
- 10月退職のデメリット
- 10月退職のメリット
についてそれぞれ見ていきます。
10月退職のデメリット
10月退職が「もったいない」と言われる主な理由は、年末調整を受けられない点と、冬季賞与の支給を逃してしまう点にあります。
あわせて、下期がスタートした直後というタイミングも、周囲から惜しまれやすい要因の一つです。
日本企業の多くは4月始まりの事業年度を採用しており、10月はちょうど下期のスタート地点にあたります。
新しい期の目標設定やプロジェクトが動き出した直後に退職すると、引継ぎの負担が大きくなりがちです。
冬季賞与は12月に支給する企業が一般的なため、10月退職ではほとんどの場合受け取れません。
年末調整も12月31日時点の在籍者が対象となるため、年内に再就職しない限り前職では受けられなくなります。
このほか、社会保険の切り替えや住民税の納付方法など、自分で手続きすべき事項が増える点も負担でしょう。
「もったいない」という評価は、こうした金銭面や手続き面の機会損失から生まれていると考えられます。
10月退職のメリット
10月退職の主なメリットは、夏季賞与を受け取ったうえで退職できる点と、下期入り直後の求人が多い時期に転職活動を進められる点です。
夏季賞与は6月から7月に支給する企業が多く、10月退職であれば受給からある程度時間が経っていても影響はありません。
賞与を確保したうえで新しいキャリアへ進めるため、資金面の心配を抑えやすくなるでしょう。
10月は多くの企業で下期の組織体制が固まる時期にあたり、中途採用の求人数が増える傾向にあります。
求人が豊富な時期に転職活動を行えば、希望条件に合う企業と出会える可能性が高まります。
年内に転職先が決まれば、転職先で年末調整をまとめて実施してもらえる点も見逃せません。
下期の節目にあたる10月は、引継ぎのスケジュールを組みやすい時期でもあります。
10月退職の言い方やいつ言う?など社内での立ち回り解説!
ここでは
- 10月退職はいつ言う?
- 退職の意向は誰に伝えるべき?
- 10月退職の言い方は?例文も!
という論点についてそれぞれ見ていきます。
10月退職はいつ言う?
退職を伝えるタイミングは、勤務先の就業規則に定められた期日に従うのが大前提です。
就業規則に明確な定めがない場合でも、退職の1か月前までに申し出るのが一般的なマナーとされています。
就業規則には「退職の何日前までに申し出ること」と定めている企業がほとんどです。
1か月前を目安とする企業もあれば、3か月前までの申告を求める企業もあるため、事前確認が欠かせません。
円満退社を望むのであれば、担当業務をどの程度の期間で引き継げるかも逆算して考える必要があります。
引継ぎ資料の作成や後任者への説明には、想定より多くの時間がかかるケースも珍しくありません。
あわせて、有給休暇をどこまで消化できるかという権利面の調整も欠かせない要素です。
退職日から逆算し、引継ぎと有給消化を両立できる無理のないスケジュールを組みましょう。
退職の意向は誰に伝えるべき?
退職の意向を伝える相手は、就業規則の定めに従って判断するのが原則です。
「まず直属の上長へ」という企業もあれば、「まず総務や人事へ」という企業もあります。
正式な手続きとしては、就業規則で指定された窓口に届け出ることが求められます。
一方、マナーの観点からは、上長への事前報告を先に済ませておくのが無難でしょう。
総務や人事が正式な提出先であっても、上長へのひと言を後回しにするのは避けるべきです。
上長を飛び越えて総務へ先に伝えてしまうと、社内での信頼を損ねる恐れがあります。
自分の立場や組織構造を踏まえたうえで、伝える順番を誤らないようにしましょう。
10月退職の言い方は?例文も!
退職の伝え方は、対面・チャット・メールのどの手段を選ぶかによって適した言い回しが変わります。
① 直接伝える場合(対面・口頭)
業務の合間や、個別に話しかけられるタイミングを見計らって声をかける方法です。
周囲に会話の内容が漏れないよう、声のトーンを落として話しかけることがマナーとされています。
【切り出し方の例】
〇〇さん、お疲れ様です。お忙しいところ恐縮ですが、
今後のキャリアについて少しご報告したいことがあり、
本日または今週中に15分ほどお時間をいただけますでしょうか。
人目が気にならない会議室などへ移動したタイミングで切り出すのも一つの方法です。
② チャット(Slack、Teamsなど)で伝える場合
ふだんからチャットツールでやり取りしている職場では、面談の約束を取り付ける手段として活用できます。
【例文】
件名/冒頭:お時間調整のご相談
〇〇さん、お疲れ様です。〔自分の名前〕です。
業務中に失礼いたします。
今後のキャリアについてご報告したいことがあり、
本日または今週中で15分から30分ほどお時間をいただけますでしょうか。
ご都合のよい日時をご教示いただけますと幸いです。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
チャット上でいきなり退職の意向を書くより、面談の場を設けてから話すほうが落ち着いて伝えられます。
③ メールで伝える場合
リモートワーク中心の職場や、まずは正式にテキストで第一報を入れたい場合に向いている方法です。
【件名】個別面談のお願い(〔自分の氏名〕)
〇〇部長
お疲れ様です。〔自分の名前〕です。
突然のご連絡にて失礼いたします。
今後のキャリアと今後の勤務について、〇〇部長にご相談したくご連絡いたしました。
つきましては、個別にお時間を頂戴できますと幸いです。
下記の日程でご都合のつくお時間はございますでしょうか。
・〇月〇日(〇)14:00〜17:00
・〇月〇日(〇)10:00〜12:00
・〇月〇日(〇)終日調整可能
上記以外でもご指定いただければ調整いたします。
オンライン、対面いずれの形式でも問題ございません。
件名は要件がひと目で伝わるよう簡潔にまとめましょう。
本文でいきなり退職を切り出さず、まずは面談の時間を確保する旨を伝えることがポイントです。
10月退職で年末調整・確定申告・住民税などはどうなる?
ここでは
- 10月退職の場合年末調整はどうする?
- 10月退職の場合確定申告はどうする?
- 10月退職の場合住民税はどうする?
- 10月退職の場合源泉徴収票はいつもらえる?
- 10月退職の場合国民健康保険は?
- 10月退職の場合失業保険はいつもらえる?
という論点についてそれぞれ詳しく見ていきます。
10月退職の場合年末調整はどうする?
年内に次の会社へ転職する場合、年末調整は転職先の会社で実施されます。
年内に転職しない場合は、前職での年末調整が受けられないため確定申告が必要です。
前職(9月まで在籍していた会社)から交付される源泉徴収票を転職先へ提出すれば、2社分の収入を合算して年末調整してもらえます。
提出が遅れると年末調整の手続きに間に合わない可能性があるため、早めの準備が必要です。
12月時点でどの会社にも所属していない場合、退職した会社での年末調整は行われません。
この場合は、後述する確定申告によって税金を精算することになります。
10月退職の場合確定申告はどうする?
対象になる人
- 10月退職後、その年(12月31日まで)に再就職しなかった人
- 転職はしたものの、転職先で年末調整の手続きが間に合わなかった人
いつやるか
- 退職した翌年の2月16日から3月15日まで
10月以降に収入がない期間があると、税金を納めすぎている状態になっているケースが少なくありません。
確定申告を行えば、納めすぎた税金の還付を受けられる可能性が高まります。
還付のみを目的とした申告であれば、2月16日を待たずに1月から手続きを進めることも可能です。
申告には源泉徴収票や各種控除証明書が必要になるため、早めに揃えておきましょう。
10月退職の場合住民税はどうする?
住民税は前年の所得に対して課税され、6月から翌年5月にかけて分割で納める仕組みです。
10月退職の場合、残りの住民税は転職状況によって納め方が異なります。
11月以降にすぐ転職する場合
手続きをすれば、転職先の給与から引き続き特別徴収として天引きしてもらえます。
転職しない・期間が空く場合
11月から翌年5月分の残りを、自分で納付書を用いて納める普通徴収に切り替わります。
退職後1か月から2か月ほどで、自宅に納付書が届くのが一般的です。
コンビニや銀行、クレジットカードなど複数の方法で支払える自治体が多く見られます。
会社に依頼すれば、10月の最終給与から残り全額を一括で天引きしてもらうことも可能です。
10月退職の場合源泉徴収票はいつもらえる?
源泉徴収票は、退職後およそ2週間から1か月以内に交付されるのが一般的です。
所得税法により、会社は退職後1か月以内に源泉徴収票を交付することが義務付けられています。
実務上は、11月の最終給与の振込日や明細発行のタイミング前後に届くケースが多いでしょう。
郵送のほか、社内システムを通じた電子交付を採用する企業も増えています。
転職先への提出や確定申告に必須の書類となるため、受け取ったら大切に保管してください。
10月退職の場合国民健康保険は?
会社の社会保険を抜けた翌日である11月1日から、保険がない状態を避けるため14日以内の手続きが必要です。
選択肢は、国民健康保険への加入、前職の健康保険の任意継続、家族の扶養に入る方法の3つです。
1.国民健康保険(国保)に加入する
退職後14日以内に、お住まいの市区町村役所で手続きを行います。
2.前職の健康保険を任意継続する
最長2年間、前職の保険を継続でき、保険料は全額自己負担となります。
手続きの期限は退職後20日以内のため、早めの対応が求められます。
3.家族の扶養に入る
今後の見込み年収が130万円未満などの要件を満たせば、家族が加入する健康保険の扶養に入れます。
保険料の負担額は選ぶ方法によって変わるため、事前に比較しておくと安心です。
10月退職の場合失業保険はいつもらえる?
失業保険の受給開始時期は、退職理由が会社都合か自己都合かによって異なります。
会社都合退職であれば給付制限がなく、待期期間の終了後まもなく給付が始まります。
| 退職理由 | 初回振込みの目安 | 内訳・流れ |
| 会社都合(倒産・解雇等) | 退職から約1〜1.5か月後 | 手続き後、待期期間7日間を経て給付開始 |
| 自己都合(自己都合退職) | 退職から約1.5〜2か月後 | 待期7日+給付制限1か月を経て、指定口座へ振込 |
手続きには、会社から届く離職票が必要ですが、交付までに退職後10日から2週間ほどかかります。
2025年4月の法改正により、自己都合退職の給付制限期間は従来の2か月から1か月に短縮されました。
ただし、過去5年以内に3回以上自己都合で退職している場合、給付制限期間は3か月のままです。
ハローワークの指示による職業訓練を受講すると、給付制限が解除される制度も設けられています。
まとめ
- 10月退職が「もったいない」と言われるのは、年末調整や冬季賞与を逃しやすいため
- 10月退職のメリットは、夏季賞与を確保できる点と下期スタート後の求人が多い点
- 退職の意向は就業規則に従い、1か月前までに直属の上長へ伝えるのが基本
- 年内に転職しない場合は、確定申告で納めすぎた税金の還付を受けられる可能性がある
- 住民税や国民健康保険、失業保険はそれぞれ期限内の手続きが必要
10月退職には年末調整を受けられないなど「もったいない」と感じる面がある一方、夏季賞与を確保しつつ求人の多い時期に転職活動を進められるという利点もあります。
退職の意向を伝える際は、就業規則に沿ったタイミングと相手を確認し、上長への配慮を忘れないようにしましょう。
年末調整や確定申告、住民税、社会保険の手続きには、それぞれ定められた期限があります。
早めに準備を整え、抜け漏れのない状態で新しいキャリアへ踏み出していきましょう。